緊急事態宣言解除から約1か月、児童養護施設の今
前回、5月12日に『新型コロナウイルス感染症感染拡大が与える児童養護施設への影響』を投稿してから1か月が過ぎました。今回は、緊急事態宣言が解除された現在の様子について、前回と同様、児童養護施設でソーシャルワーカーとして勤務されている職員の方(以下、Xさんとする)にチャットでお話を伺いました。
前回のインタビューから…
あずさ:前回のインタビューから1ヶ月半ほどが経ち、緊急事態宣言も解除され、少しずつ日常が戻ってきていると感じています。施設の子供たち・職員さん方の様子は、その後いかがですか。
Xさん:一応、学校は通常日程で開始されましたが、正直、「普通の生活」に戻ったという感覚はまだありません。今期の市民プールや公園の水遊び場は閉鎖という市からの決定があったり、例年であれば夏キャンプはどこへ行こうかという話をしている時期ですが、それも見通しが立たなかったりしています。なので、この夏休みをどう子どもたちと過ごそうか、どうストレスを発散させることができるか、頭を悩ませています。子どもたちの中には、すごく不安定な状況になっている子どもがいます。どうしても集団生活である以上、ガイドライン以上の外出制限を子どもたちにお願いしなければならないことでストレス発散できなかったり、良くも悪くも子ども達同士の刺激があったり、特に親との交流に未だに制限がかかってしまっていることがあげられると思っています。そうしたことからも、職員は、閉塞感や疲弊感から抜け出すまでには至っていません。
ただ、そんな中でも、コロナ禍で、オンライン学習の環境が少し整ったことは、長い目でみると不登校の子、発達が気になる子への学習支援・余暇支援に選択肢が増えたという面で、良くなった点といえると思います。
寄付のこと
Xさん:今回、特別定額給付金があったこともあり、現金の寄付やマスクやタブレット、本などの物品等、たくさんのご支援をいただき、本当にありがたく感じております。しかし、ご寄付をいただくにあたって少し困っていることもあります。それは、事前連絡なくいただく新品のご寄付についてです。新品のご寄付をいただいたときは経理上きちんと金額計上しないといけません。なので、例えば100冊の本が事前連絡なく送られてきたら、1冊1冊本の裏に書いてある値段を確認をしてリストを必要がありますし、玩具であればネット等で価格を調べる必要があります。コロナの影響で様々な手続きが増えていて職員もてんてこまいで疲弊しきっている中では、やはり必要かどうかも含めて事前連絡をいただけると嬉しいです。施設によっては、「Amazonのほしいものリスト」等を作っていて、今、本当に求めているものをご案内しているので、そうしたものをご活用していただけると非常にありがたいです。
さらにいうのであれば、通常に戻りつつあるからこそ「物」ではない形の支援が、これだけストレスフルな子どもたち(職員も含めて)の心をケアするという意味では、これからあるとありがたいと思っています。
私たちができること・支援サイトのまとめ
緊急事態宣言は解除されましたが、新しい生活様式が取り込まれるようになったり、完全に終息したりしてはいません。ひとりひとりが気を付けて感染の再拡大が起こらないように気を付けてい行きましょう。
Xさんからお話が合ったように、事前連絡なしのご寄付はなるべく避けていただきたいので、以下の仲介役を担う団体のHPや各施設が作成している「Amazonのほしいものリスト」や各施設HP掲載の「必要なものリスト」から、よろしくお願いします。
【施設が公開している「Amazonほしいものリスト」の(ここに掲載しているのは一部です)】
・二葉むさしが丘学園(東京都小平市)
・希望の家(東京都葛飾区)
・松風荘(静岡県沼津市)
・伊豆長岡学園(静岡県伊豆の国市)
・千葉みらい響の杜学園(千葉県)
・風の色(愛知県東浦町)
・子どもの家 ともいき(愛知県一宮市)