お前、この本知ってるか?タイで出会った元国際弁護士が教えてくれた成功への1冊。
2019年の終わり頃、タイへ初めて行った。
当時、母と経営していたアクセサリーブランドの仕事関係での旅行だった。
ある朝、ホテルのレストランで朝食をとっていると、隣に座っていた白人のおじさんが話しかけてきた。
ちょっと小太りで、白髪。
まるで、サンタクロースがトロピカルなシャツを着て、夏の休暇を楽しんでいるような初老のオジサンだった。
南アフリカ出身の元国際弁護士。
私が、なんとなくなら英語が分かると知ると、色々な話をしてきた。
南アフリカ出身で、元国際弁護士。
世界中を相手にビジネスし、かなり稼いで、引退。
今は、悠々自適に世界を旅しているらしい。
70代だけど、、港、港に、彼女がいるぜぃ!
よく聞くと、このオジサンは、離婚していて、子供たちも既に独立。
悠々自適に引退ライフを楽しんでいるという。
拠点の南アフリカはもちろん、タイにも、他の国にも数人「彼女」がいて、今は、タイに数ヶ月滞在中。
タイ人の彼女を呼び寄せて、ホテル暮らしを楽しんでいるらしい。
「彼女は若いから、まだ寝てるんだ。だから、先に、孤独に朝食を楽しみにきたのさ!ワッハッハ〜」
70代のオジサンの恋愛対象は、大体30〜40代。
どうやら、60代の母を40代位と思い込み、ナンパしにきたらしい。
母は「日本に行った時に、デートしない?」と誘われていた(笑)
ちなみに、私のことは、色気のない「学生」だと思っていたようだ。
「もうすぐ40歳だっ!」ちゅうの!と、当時39歳だった私は、苦笑した。やはり、日本人は若く見えるらしい。
オジサンが仕事で成功した秘密
別にイケメンでもなんでもないサンタクロースオジサン。
冷静に考えたら、ただのスケベジジイである。
「どうしようもない、おっさんやな」と思いながらも、仕方ないので、
「世界中で彼女を作って数ヶ月づつ暮らせるなんて、お金持ちなんですね。すごく仕事で成功したんでしょうね?」と聞くと、
急にオジサンの顔が真剣になった。
「お前、この本、知ってるか?俺は、この本のおかげで、成功と富を手に入れたんだぜ。肌身離さないんだ!」
そして、コーヒーの隣に置いてあった本を指差した。
それが、この本。
The Book of Answersである。
残念ながら、英語版しかない。
全ての答えを教えてくれる本
オジサンは、急に興奮して、話始めた。
「この本は、迷った時、答えを導き出してくれる「特別な本」なんだ!仕事で迷った時、俺はこの本に答えを聞いて、いつもその通りしてきた。その度に成功を手にして、今があるんだ」
そして「こうやって、使うんだぜ」と、実演をはじめた。
The Book of Answersの使い方
オジサンは、本の上に手を置いて、目を閉じた。
「まずは、知りたい質問を心の中で唱えるんだ」
そう言うとオジサンは、ブツブツと「もうすぐ、タイを離れるべきでしょうか?」と唱えた。
しばらく深呼吸をすると、そのまま手を動かして、本の縁をぐるりとなぞる。その後、フーッと息を吐いてから、パッと1ページ開いた。
そこにはこう書かれていた。
「FINISH SOMETHING ELESE FIRST-先に済ませておきなさい」
しばらくその答えを見つめていたオジサンは、もう一度、つぶやいた。
「済ませておくと言うのは、例のプロジェクトの事でしょうか?」
また、目を閉じて、本の周りをなぞり、フーッと息を吐ききると
パッと新しいページを開く。
「RECONSIDER YOUR APPROACH-アプローチを再考せよ」
なんだか、不思議な光景だった。
サンタクロースオジサンは、本と対話しているだけだけど、何かそれ以上の確かに「導き」を感じた。
ジーッと静かに本を見つめていた私と目が合うと、オジサンはニヤリと笑った。
「こうやって、質問を繰り返すんだ。そうすると、気づくと、答えに導かれていく。”TRUE ANSWER” 「本当」の答えにな。」
5年経って、はじめて気づく「本の意味」。
タイから帰国してすぐ、コロナが問題となり始め、これが、実質、コロナが始まる前の最後の旅行となってしまった。
帰国後すぐに、オジサンおすすめの本は購入はしたけど、結局は全く使いこなすことができないまま、本棚の飾りとなって、数年が経った。
ただ、断捨離が大好きな私にしては珍しく、
いつまでも捨てることができない1冊だった。
あれから、5年。
40代になってはじめて気づいた「本の意味」
最近、本棚を眺めていると、急にこの本が目に入った。
本が何かを話しかけている気がして、表紙を触ると、オジサンの声が聞こえた気がした。
「答えはここにあるって、言ったじゃないか?まだ、何も見つけていないのか?」
そうか、自分の声を知る「本」なのか!
頭の中で、何かモヤがパーっと晴れる。
おバカな私は、5年の歳月を経て初めて「本の意味」がわかった気がした。
今思えば当時、仕事もプライベートも問題が山積で必死だった私は、静かに本を撫でて、自分の心に問いかける余裕なんてなかった。
30代のあの頃。
私は、毎日走り続けていて、必死で何もかも手に入れようともがいていて、こんな簡単なことにさえ、気が付かなかった。
心を静かにして、目を閉じて、心に問いかけてみる。
「やっと"私"の声を聞いてくれる気になったのねぇ〜」
そんな、”自分の心の声”が聞こえた気がした。
成功する人は、若い頃から自然と、自分の声を聞ける人なのかもしれない。
私は、40代になって、やっと、自分の声を聞く準備ができたようだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?