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「絶好調です!」を試したら、社長に一目置かれた話。

今振り返ると、自分的には人生のどん底だったなぁと思う34歳。
オランダから帰国して、色々あり、私は地元でモノづくりをする中小企業で仕事をさせてもらう事になりました。

友人のお父さんが経営する会社で
「デザイナーをしている友達が、オランダから帰国しているらしい」と話をして紹介してくれてたのが、きっかけでした。

今のように「リモートワーク」という概念がなかった10年前。

当時私は、母が経営していたアクセサリーブランドの立て直しに着手していて、色々、やりたいことがあったのですが、
社長と共に会社を支えていた専務が35歳と若く
「クリエイターなんだから、新しい働き方をすれば良い」と、
勤務時間も、回数も、自由にさせてくれ、
今でいう「リモートワーク」や「副業」的な働き方を実現してくれました。
今思えば、ちょっと、新しかったなぁと思います。

はじめての「普通の会社」で、やり直し。

18歳で大学の為に地元を離れてから、約16年ぶりの地元。
大学を出てからは、美術系大学の研究室勤務を経て、デザイン会社、そしてオランダの会社へ、、、と、ある意味、少し変わった会社で、変わった人たちとしか働いた事がなかった私としては、はじめての「普通の会社」での勤務。偏った世界で生きてきた私としては、本当に沢山のことを学ばせてもらったと、感謝しています。

新しい会社で試した、新しい習慣。

当時、沢山の自己啓発本などを読み漁って、自分研究をスタートしていた私は、また、新しい1冊に出逢いました。
それが、佐藤伝さんの「言葉の習慣」です。

今では、このような本は流行り過ぎて、ありふれたものになってしまったかもしれませんが、ポジティブな言葉を使っていくと、自ずと、人生がそのように変わっていくことを分かりやすく書いた1冊です。

どんな時でも「絶好調」と言う。

私が衝撃を受けて、面白い!と思ったのは、「どんな時でも「絶好調」と言う」という一節でした。

当時、私は、どこか斜に構えて生きていて、ある意味
「明るく、単純に、楽しい人」を心のどこかで馬鹿にしていた気がします。それは、時代もあると思うし、美術大学で作品作りをする際に(当時、私のコースではそう言うのが流行っていたんです)自分の暗い原体験を思い起こして、難解なものを作り出したり、暗くて、難しくて、玄人ウケしそうな、、そういうのがカッコイイ!という文化の中で生きてきた影響も、少なからずあったかと思います。

だから、「元気?」と聞かれれば、
大抵、良くても「まあまあ」とか、
苦笑しながら「なんとかやってます」とか答えながら、
ちょっと暗い顔をする、、と言う感じだった気がします。

それが、どんなに大変な時でも、笑顔で「絶好調!」と言え!と言う。

色々な自己啓発本を読み漁って、行動と心の密接な関係や
「心があって行動があるのではなく、実は行動を変えることで心を変える事ができるらしい
、、」と言うことをなんとなく理解し始めていた私は
「おもしろい!やってみよう!」と、
新しい会社で試してみる事にしたのです。

社長や、会長に会った時も、絶好調です!と答えてみた。

新しい会社への出勤が始まり、実験スタートです。
同僚はもちろん、社内で偶然、当時60代の社長や会長とお会いした時も、
「お!元気にやっているか?」と聞かれると
「はい!絶好調です!」と答えるようにしてみました(笑)

不思議ですが、元気なく「絶好調です!」と言うのは、難しい。
「絶好調です!」と言うと、なぜか、ついつい、笑顔になってしまいます。

個性って、些細な事だなぁと思った。

昔の私だったら「はぁ、元気です〜」と、覇気のない返事をしていた気がしますが、それって、他の人も皆、そうなんだなぁと、その時はじめて気がつきました。
妙に元気に「絶好調です!」と言う人って、なかなか、いない。

社長も、はじめは、
「お??? そ、そうか?元気がいいな?」と、逆にちょっと驚いていましたが(笑)、そのうち「面白いやつだな」と、社長室に呼ばれて、色々な意見を聞かれるようになりました。

常勤ではなく、時々、会社に来ていた会長も、
会社に来る度に私のいる室に立ち寄って、色々な話を聞かせてくださるようになりました。

1年程経ったある日。
いつものように社長室に呼ばれて社長と雑談していると
「お前は、他の子とは違う。他の役員にも「あの子を一兵卒扱いは絶対するな」と言ってあるから、思う存分やれ」
と言ってくださった事がありました。
もちろん、社長の息子さんの友人だというアドバンテージは大きかったと思いますが、何か特別に他の人々と違うことをした自覚がない私は、不思議な気がしました。

ただ、元気に「絶好調です!」と言うだけで、明るいオーラが出て、色々な人が話しかけてくれ、小さな会社の中ではあるけれど、
「他の人と、一味違う存在になれた」
強烈に個性を追い求める人々が集う美術系の人々に囲まれて生きてきた私としては、なんだか煙にまかれるような、不思議な気がしました。

そして、人生は絶好調になっていった

その会社では、私は、元気で勢いのある人だと思ってくれた人が多かったのでは?と、勝手に思っています。
その後、他の仕事に移ったり、色々あったこの10年。
「いつも、ニコニコして元気で勢いがあるよね!」と言われて、驚く事が何度もありました。

その度にいつも、オランダで同僚に
「Azusa, be Happy! スマイル!スマイル! 君は、いつもこんな顔しているよ!」と、すごいしかめ面の顔真似をされたことを思い出します。

不機嫌は、周囲に迷惑をかけている

いつも、不機嫌そうな顔をしていることを、最近はフキハラ(不機嫌ハラスメント)と言うそうです。

オランダの同僚たちは、いつも不安そうで、難しい顔をした私を見る度に、あまり良い気分はしていなかったのかもしれないなぁと思うと、めちゃくちゃ迷惑をかけていたな、、、Sorry…と、いつも心の中で謝っています。

もしも、タイムスリップできるなら、、、、

仕事場では、笑顔で。
ちょっと位悩みがある時も「絶好調です!」と声に出して言ってみる。それが、私の仕事の心得になってから、いつも良い人々に恵まれ、仕事も絶好調になったんだよ!と、あの頃の自分に教えてあげたいなぁと、思います。


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