ワイン好きでない大人にもおすすめしたい影絵の絵本【書評】
影絵 藤城 清治
原作 アンデルセン
訳 町田 仁
アンデルセンの『ぶどう酒びんのふしぎな旅』をカラーの影絵で描いた絵本。
ワインのボトル(瓶)の一生をたどりながら、人生の喜び・悲しみ・美しさ・はかなさが描かれている。
ワインに関する絵本ということで興味がわいて手に取ってみた。気持ちの良い緑の中で、特別なシチュエーションで飲む赤ワインはさぞかし美味しかったと思う。
この絵本は、新聞紙やトレーシングペーパーやザラ紙などを使って、カミソリの刃で描いているそう。
どこにでもある材料と道具でできた本であることがあとがきに書いてあったのだけど、とても精巧でうっとりするほど美しい。
光と影のコントラストが美しく、どこまでも広がる奥深い世界。
表情が描かれているわけではないのに生き生きとしていて登場人物の気持ちが伝わってくる。ワインにあまり興味がない大人にもおすすめしたい1冊。
藤城 清治さんの他の作品にも興味が出てきたので調べてみたら、那須高原に美術館があるそう。行ってみたくなった。
https://fujishiro-seiji-museum.jp/
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