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サクラノ詩 感想

シナリオC キャラD 音楽A グラフィックC 演出B -
総評C

世間一般ではシナリオのいい美少女ゲームとして一定の評価を得ている本作であるが, 個人的には非常に残念なシナリオであると感じた。そのくせシナリオに重きを置いて制作されているせいでシナリオ以外の部分も微妙な点が多い。

良かった点

上で酷評した上でいきなり良い点をあげるのもなんだかって感じだが...
①里奈ルート
個人的には一番面白かったルート。作者はサクラノ詩のインタビューで詩的な世界観を表現したかったと述べられていたと思うが, それが一番表現されていたルート。少年少女の葛藤が詩的に表現されていた本ルートは非常に読み応えがあった。
②曲
opテーマの櫻ノ詩からはじまり, 幾つもある曲のどれもいい曲だったと思う。

悪かった点

①キャラの会話
キャラ同士のかけ合いの多い作品であるが, あまりにも多すぎてストーリーが進まない。その会話も読み進める上で必要なキャラの掘り下げというわけでもないためシンプルに進行を遅らせているだけになっている。せめて会話の内容が面白ければいいのだが, ノリがキツくて面白くもない。しかも似たような台詞を無駄に繰り返していうので段々飽きてくる。
②劣化素晴らしき日々
この作品を評価していない1番の理由。この作品は一見メッセージ性が強い作品に見えるが, そのメッセージの99%が素晴らしき日々で述べられていたものと同じである。さらに, 素晴らしき日々の特徴のひとつである電波感や不気味さが消え去っているのは当然として, ならばこの作品独特の世界観, つまり作者の描きたかった詩的な世界観が表現されているかというとそういうわけではない。そのためただ単に素晴らしき日々を水で薄めたものの焼き直しという残念な出来になっていると感じた。
③キャラクターが死んでいる
全てのキャラがシナリオにとってあまりにも都合の良すぎる事情を抱えていたり性格をしていたりする。そのためキャラクターから自我を感じず, 人間というよりは舞台装置としての側面を強く感じてしまい感情移入が全くできなかった。
④シナリオの順番がおかしい
多分発売までに時間が空きすぎてシナリオも順番などに変更が入ったり, 新しく設定を足したりとかがあったと思うのだがその影響だと思う。例えば, 鳥谷ルートは主人公がどういう気持ちで絵を描いていたかを知らないと理解できないと思うのだが, それが語られるのがルートよりも後なためルート中はなんか難しいこと言ってんなとしか思えない。里奈ルートでは伯奇の生まれ変わり云々の話があるが, あのルートは別にその話がなくても成り立つし, 何なら無い方が綺麗に纏まってるまである。雫ルートで伯奇の話をいきなり出すのが嫌だったのだろうが, だとしても本当に必要のない設定がここに挟まってるのが違和感だった。そんな感じで所々, ここでその話するの?みたいな違和感がある場面が多い。
⑤キャラの骨格がおかしい
純粋に絵師が人物を描くのが下手だと思う。濡れ場もなんかエロくない。


最後に

総評イマイチです。一見難しそうな表現をたくさん使っているのでそれで勘違いしたオタクどもが持ち上げているだけの作品だと思います。
サクラノ詩がこんな出来だったので刻の方もあんまり買う気はないんですが, 刻が詩と比較して余程面白くてどうしてもやるべきだと思う方がもし居ればコメントか何かで教えてください。

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