見出し画像

羊たちの沈黙

読みました。映画が大好きなのですが、原作は今まで未読でした。
2012年に新訳(高見浩.訳)の文庫本が出ているのでそちらを。

映画版の羊たちの沈黙もハンニバルも、自分のレンズが曇っているためレクター博士とクラリスのラブストーリーだと思っているのですが
原作を読んでも、やっぱり!やっぱり博士そうじゃ~んクラリスのこと大好きじゃ~ん!となりました。レンズが曇っている感想。

恐怖が占めていた自分の心の場所を、俗っぽい好奇心にあけわたしたことに
クラリスは気づいた。その2つならば、まだしも恐怖心のほうがいい。
(上巻/P45)

これなんてもう恋じゃないですか…となってしまいました…恐怖を越えて博士に興味を持ってしまったんだよ…
P112で博士がはじめて「クラリス」と呼ぶところも赤線引いておきたい大事さがありますね…

冗談は置いておいて、父と娘の関係性を探られていく話なのかなと思いました。
あとはクラリスの、(おそらく同じような環境で育ってきたからであろう)田舎者への想像、理解の解像度の深さがわかってよかったです。

クラリスが牧場から一緒に逃げたのが羊ではなくて馬だったのが意外でした。たしか映画版では羊だった気がするんですが…。
原作版は、その後も馬のエピソードを出してくるので、映画はそこを削り「羊」のインパクトを押し出したんでしょうか。
こうして比較してみると、映画版は色々カットしつつ綺麗にまとめているので見事だなと思います。

巻末の、訳者高見浩さんの解説で更に理解を深められたので、読んでよかったです。椋鳥…あ~…

この本のおすすめを見かけたのは、中一くらいに取っていた進研ゼミのおすすめ本コラムだった気がするんですが
今思うとなんて本を薦めてるんだ!って感じですね。褒めてます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?