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赤ちゃんの声を聴きながら

父に抱かれる私、何ヶ月だろう、デカいな。

あれはいつだっただろう。1ヶ月前?2ヶ月前?くらいのこと。妊娠後期に入るか入らないかくらいの時期だった気がする。

ふとどこかから聞こえてきた赤ちゃんの泣き声が、可愛いと思えず、初めてうるさく聴こえた。40年の人生でそんな風に感じた記憶はなく、自分の突然湧きあがった感情にショックを受けたのを覚えている。
私、これから母親になるのに大丈夫かな?って、すごく心配になった。

時は経ち、今入院していて、毎日赤ちゃんがどこかしらで泣いている環境。
不快に思うことはなく、ただひたすらに可愛い。
廊下ですれ違う生まれたてほやほやの彼らをチラリみては、微笑みが溢れてしまう。

隣のベッドの妊婦さんの測定。
名前しか知らない仲、点滴をされているから、私より少し症状が強く出ている切迫かな。
カーテンの向こうから聞こえてくる赤ちゃんの心音、とても愛おしい。可愛い。赤ちゃん。すごい。生きてる。えらいぞ。がんばろうね。

あの日のあの時の赤ちゃんに対するネガティブな気持ちは、なんだったんだろうなぁ。

妊娠は本当に神秘的な出来事の連続である。
数え切れない奇跡の積み重ねの結果、私は今この大きなお腹を抱えベッドに横たわっている。

この幸せな時を、なんと表現しようか。
あなたが産まれてきたら、どんなふうに伝えようか。

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