瀬戸図書館友の会
瀬戸図書館友の会（以下、「友の会」と呼ぶ）、それは瀬戸市立図書館(愛知県)を支えてくれているボランティアグループ。しかし、その活動内容は意外と知られていないように思う。ということで、会長の加藤絹子さんにお話しを伺った。
ちょうど図書館２階市民ギャラリーで友の会作品展が開催されていた（2023.８/24～9/20）。写真、絵、陶芸、押し花etcと多彩な作品。特に私が目を奪われたのは、製本。文庫本に北欧風の布の表紙がつけられている。友の会ではこんなに色々な活動が行われているのだろうか？加藤会長によると「作品展は会員が出したいものを自由に出展する感じですね」と、メインの活動ではないようだ。
会の活動としては、現在５つのサークルがあるという。その５つとは「瀬戸市短歌研究会」「万葉集を読む会」「絵手紙教室」「お話の会『らんぷ』」（読み聞かせ）「本の補修」。それぞれがサークルで活動しているそうだ。
「絵手紙教室」の作品は、１階トイレへの通路の壁に掲示されている。「トイレのそばなんてね…」と加藤会長は肩身狭そうにおっしゃるが、いいと思います。水飲み場もあるし、人通り多くて目につきやすい良い場所。私だけじゃなくてみんなも「あ～西瓜の季節ね…」「孫、可愛いよね」と通りすがりにほっこりしているはず。
「本の補修」サークルは図書館の本の補修をしてくださっており、ありがたい。2022年には第10回「せとまち市長賞」でその功績が表彰された。
サークル以外の活動も多い。図書館のサポート、イベントの企画、季節の飾りつけなど。例えば、お正月の玄関の「謹賀新年」の書と生け花に始まり、七夕の笹飾りやクリスマスツリーなどは友の会のおかげであることを知った。
イベントとして11月11日には「文学カフェ」を主催、「せとでん『お堀電車』の時代」のタイトルで山田司さんのお話を聞いた。名鉄瀬戸線は「せとでん」と呼ばれ市民の足として親しまれている。現在は尾張瀬戸駅と栄町駅を結ぶが、栄乗り入れ以前は名古屋城の外堀に線路を敷いて堀川駅まで運行していた。山田氏は当時からの写真や資料をまじえて、せとでんの発足から現在までをエピソード満載で語ってくださった。
「『文学カフェ』は新型コロナのせいで久しぶりの開催です。もともと図書館で、お茶やお菓子をお供にカフェテリアみたいに気楽に話せたらという趣旨なんです」と加藤会長。「というのも、図書館で本を利用するのはもちろんですが、それだけでなくサードプレイスというか、居場所のひとつとなるような、人の集まる場所でもあってほしい。そのために図書館に協力し、また文学カフェや読み聞かせ（大人向けも含む）など、いろいろなイベントを企画していきたいのです」ということだ。来たるクリスマスイベントでは「おはなしの会『らんぷ』」の読み聞かせとともに、オカリナの演奏会も行われる。
友の会の発足は1999年。「図書館からの呼びかけにより、図書館で活動をしていたグループや図書館でのボランティア活動を個人で考えていた人達で発足しました。現在、約60名が会員となっており、会長をはじめとする世話人会が毎月1回ボランティア室に集まり運営を行っています」（瀬戸市立図書館ホームページより）20年以上、図書館に関わって活動してきたということだ。利用者として何も知らないまま大変お世話になっていた。
「瀬戸市立図書館は温かみのあるいい図書館だと思います」という加藤会長の言葉に賛同する。ちょっと古いしちょっと狭いし駐車場は狭いし坂の上なんだけど…でも蔵書はけっこう多いし、月曜も開いてるし、外壁はファニーな北川民次モザイク。愛着ある図書館をこれまでもこれからも助けてくれる友の会に感謝し、できれば盛り立てる一助になりたいものだと思う。
その他の活動として、図書館員と会員の懇談会、他地域の図書館見学などもある。会報に活動や予定が書かれており、会報は入り口横の掲示板と、図書館のホームページで見られる。友の会と一緒に活動してみたいと思われるかたは、図書館へご連絡を。サークルに興味があれば、見学されるといいかもしれない。年会費1000円（高校生以下無料）です。
上杉あずき＠STEP
参考文献
瀬戸市立図書館ホームページ瀬戸市立図書館ホームページ (lib.seto.aichi.jp)
瀬戸市立図書館Facebook
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