見出し画像

【ポケモン剣盾】サイトウちゃんに想像失恋した話

こんにちは。皆さん『ポケットモンスター ソード・シールド』、クリアしましたか?めちゃくちゃ面白かったですよね?私もつい先日クリア後ストーリーを終えて今までのシリーズの中で最高のプレイ後の感傷に浸っています。ストーリーもキャラクターもダイマックスもみんな最高オブ最高でした。ただ一つ、サイトウちゃんに抉られた心の傷を除いて。

ハロンタウンは農場がいくつも隣接していて、町と言うにはあんまりにも人口は少ない。隣町のプラッシータウンまで出向けば駅やブティックもあるけれど、いつもはスクールに通う程度しか馴染みがない。ミニスカートの女の子も郊外に住んでいて接点なんてまるでないし、心からの友人と言えるのは隣の家に住むホップくらいだ。同年代の異性と話す機会なんて数えるほどだった。でもウールーたちポケモンと触れ合うのは性にあってたし、何となくこんな日がずっと続くのだろうと思っていた。チャンピオンから推薦状を貰うまではーー。

サイトウちゃんとは

画像1

サイトウちゃんとは、ソードバージョンに登場する4人目のジムリーダー。ラテラルタウンにて主人公を待ち受けており、使用するポケモンはかくとうタイプ。褐色肌のアジア系少女で、ガラル空手なるガラル地方に伝わる格闘技の使い手でもある。灰色の髪を黒いヘアバンドで束ねており、少女でありながら歴代のかくとうタイプ使いのトレーナーよりも引き締まった体格。ユニフォームは裾を縛っており、黒色のインナーと合わせて格闘家の印象が際立っている。キョダイマックス時にちらりと見える刈り上げのうなじが眩しい。

ちなみにこのガラル空手というのは日本式の空手とは厳密には異なり、サイトウちゃんのモーションから察するにムエタイ、テコンドー、中国拳法など複数のアジア武術がミクスチャーされている。ガラルの格闘技文化どうなってるんだ。やっぱりバリツか?バリツなのか?

画像2

ボール投擲モーションが美しすぎる……

サイトウちゃんの性格について

画像3

リーグカードによると両親から厳しい教育を受けて育ったらしく、年下かつジムチャレンジャーの主人公に対しても敬語で話す。英才教育とあるので代々空手道を継いでいる家系なのかもしれない。また試合中は目からハイライトが消え、武人のような表情に変わる。

「あなたたちの 心 どんな 攻撃にも 騒がないのか わたしが 試すと しましょう」という試合前台詞から、無心となって勝負に挑む姿勢が見て取れる。ラスト一匹のポケモンを繰り出すときの台詞は「ふんばりどころ です! わたしも いっしょに がんばります!」。試合中、パートナーには割と本音をみせてしまうというカードの記述はここのあたりが由来か。

画像4

隠れスイーツマニアらしいが本編にその描写はない。どうして……。劇中での登場シーンはジムチャレンジ、ファイナルトーナメント、クリア後ストーリーの3回で、いずれもジムリーダーの立場として現れるのでキバナさんやネズさんのように幕間の小話はない。よって本編中のサイトウちゃんに関する描写はバトル前後の台詞とリーグカードの記述のみである。

サイトウちゃんとの出会い

エンジンシティ
ジムチャレンジ開会式において、他のジムリーダーと共に初めて主人公の前に姿を見せる。解説席からの口上は「ガラル空手の 申し子!かくとうエキスパート サイトウ!」。ジムリーダーの面々の中では最も若く見える(シールドバージョンではオニオンくんが圧倒的最年少)。ここでは顔見せのみで会話シーンはなし。

画像5

ちなみに空手使いのためか他のジムリーダーと違い一人裸足である

ラテラルタウン
4つ目のバッジをもつジムリーダーとして主人公と対峙。一礼とともに「ようこそ ジムチャレンジャー わたしは サイトウ です」と自己紹介するという礼儀正しさ。上記試合前台詞の後にバトルに突入する(バトルが始まった瞬間武人モードに変わる)。「もう!ぜんぶ 壊しましょう 尊敬をこめて キョダイマックス!」という台詞と共にキョダイカイリキーを繰り出してくる。

画像6

ガイア着地演出と合わさって光の巨人にしか見えない

試合後に「これからも さまざまな 出会いと 試合が あるでしょう それら すべてが あなたたちの 心の 糧と なりますように」という言葉を投げかけ送り出してくれる。後にこの祝福の言葉を一生引きずることになるのを少年はまだ知らない……。

画像7

心の中で何かが揺れ動く音がした

チャンピオントーナメント
チャンピオンへの挑戦権を賭けて戦うチャンピオントーナメントの2回戦の対戦相手として再び登場。試合前から既にハイライトがない武人モードで立ちふさがる。「今度こそ あなたたちの 心を騒がせるような 攻撃を お見舞い します」とジムチャレンジャーとジムリーダーの関係からチャンピオンに挑むものとして対等の立場となり、本気のメンバーで主人公に挑んでくる。「あなたたちとの 勝負 どうしても 楽しんでしまって……」という台詞から、主人公との試合の際は普段のストイックな戦いぶりとは少し異なる感覚を抱いているらしい。ラテラルタウンでのジム戦時と同じ言葉を投げかけてくれるが、それよりもその微笑み顔を見ると心が何故か締め付けられる。

画像8

やめろ!その台詞はあまりに破壊力が大きすぎる!

クリア後ストーリーシーソー兄弟による野生のポケモンが次々とダイマックスする騒動にて、ラテラルタウンのコロシアムで暴れるポケモンを止めるべく主人公たちと協力する。サイトウちゃんの驚き顔と困り顔を見ることができる非常に貴重なシーン。残念なことにサイトウちゃんを含めてのマックスレイドバトルはできなかった。ダイマックスポケモン沈静化後、「今度は わたしが 助太刀します こまったときは お呼びください」という感謝の台詞と共に問題のレアリーグカードを手渡してくれる。これ以降サイトウちゃんの出番は存在しないが、チャンピオントーナメントにて再戦が可能となる。

画像9

微笑み顔から一瞬で武人に切り替わる一幕は必見


サイトウちゃんのヤバさについて

画像12

考えても見てほしい。田舎から出てきてろくに異性とも接点がなかった純粋無垢な少年が、自分より少し年上の少女と真正面から向き合って熱い試合した挙句にあんな言葉を投げかけられたらそれはもう大変なことですよ。それまではソニアさんみたいな一見大人だけど割とポンコツな女の人しか知らなかったのにサイトウちゃんときたら礼儀正しい面も武人で荒々しい面もパートナーとの絆を見せる面もあってそれはもう惹かれるに決まってるでしょう。

少年はラテラルタウンではジムチャレンジャーとジムリーダーという立場だったけどチャンピオントーナメントではお互いにチャンピオンの座を奪い合う対等な立場となり以前のジム戦では勝利の高揚感でなりを潜めていた心の奥底に秘めていた思いを自覚してしまうんですよね(早口)。そこに「あなたたちとの 勝負 どうしても 楽しんでしまって……」はダメです。反則です。一介の少年に年上の女性の心を揺り動かしたという自信を持たせることの厄介さを自覚してないぞ。どうあがいても沼。一生引きずるやつ。ここで少年の人生は狂ってしまった。人生のターニングポイントは、チャンピオンになったことではなくサイトウちゃんに出会ってしまったことだった。


問題のリーグカードの記述について

そして晴れて新チャンピオンとなった少年はシーソー兄弟が起こした騒動解決のためガラル地方を駆け回ることになり、この時に問題のレアリーグカードをサイトウちゃん本人から手渡されるのですが、ちょっと、これがね。うん。

画像10

このリーグカード、表面には何者かに親し気に微笑みがを向けるサイトウちゃん。めちゃくちゃかわいい。かわいいけど手前の人誰?誰ですか?なんだろうこの胸のズキズキは。この時点で不穏な空気が立ち込める。
そして裏面には……ちょっと待って深呼吸させて……スゥー、フゥー……大丈夫、大丈夫だ、まだいける、よし、はい!

画像11

「そんな ストイックな サイトウが 満面の 笑み をみせたのは 家族か 相棒のポケモンか それとも ほかの 誰だろうか。」

本当に勘弁してほしい。そんな書き方されると最後の一言がファイナルアンサーになっちまうだろうが!カードの構図のこと考えると「ほかの 誰」って表面手前のからておうってことになるんだぞ!何だよほかの誰って!何?何なの?いったいどういう関係?何で肝心なとこぼかすんだ!芸能雑誌かこいつ!リーグ委員会どうなってんだおい!

このレアリーグカード、額面通りにとると、サイトウちゃんが笑みを見せている相手こそが彼女のストイックな性格を軟化させた相手……としか取りようがない。で、その身なりから察するにその相手はからておうで間違いない。これがサイトウちゃんの彼氏匂わせ疑惑の真相である。ただ別に彼氏と明確に表記があるわけでもなく、その正体は父親かコーチである可能性もあるが田舎育ちの少年の初恋の心ではそこまでの頭が回らずどのみち毎晩眠れずにうなされることになる。もうチャンピオンとかバトルタワーとかランクマッチどころではない。ポケモン勝負では解決できない問題なのだ。もう本当につらい。

画像13

こんな代物を当のサイトウちゃん本人から手渡されるので本当にキツい。驚き顔とか困り顔とか新鮮なサイトウちゃんが見れて癒されてたのに一瞬で奈落の底に突き落とされる。「こまったときは お呼びください」って今が一番困ったときなんだが???チャンピオンと戦ってる時以上にしんどいんだが?????

でもサイトウちゃんとはあくまでチャンピオンとジムリーダーという仕事上の関係でしかなく、キバナさんやネズさんのように個人として接点があるわけでもないのでプライベートな質問をするのははばかれるし、そもそもそんなことしたら意識しているのバレバレじゃないですか……ポケモン勝負しか取柄のない田舎出身の年下少年には「ありがとう…ございます…」と言って心に傷を負ったまま立ち去るしか選択肢がない……つらい……よくこんなボロボロのメンタルでザシアン認めてくれたな……ホップもごめんな……俺がチャンピオンになったばかりに目標を見失って思い悩んで……俺なんて惚れた腫れただので舞い上がって本当にチャンピオン失格だと思う……でもな、俺の胸の中にはあの人の言葉がずっと残ってるんだ……だからトレーナーを廃業して実家に帰るわけにはいかないんだ……

「これからもさまざまな出会いと試合があるでしょう。それらすべてがあなたたちの心の糧となりますように」そう言って笑いかけてくれた彼女は、試合中とは打って変わって穏やかな微笑みを浮かべていた。差し出された手を握り返した瞬間、心の中で何かが揺れ動く音がした。それは試合に勝利した高揚感が去っても、しこりのように心のどこかに残り続け、どうしようもできなかった。試合のたびにそのしこりは少しづつ大きくなり、あの時投げかけられた言葉がどんどん重くのしかかるようになっていった。そして、今日も僕はボールを投げ続ける。バラバラに砕けてしまった心を、少しでもあの人の記憶に繋ぎとめるために。(BAD END)


追補

このどん詰まりの状況を打破する新説として、表面のからておうは単なるファンで、リーグカードの描写は「サイトウちゃんがファンの声援に対して笑顔で応えられるようになった一幕」という説が提唱されました。実際、サイトウちゃんは主人公との試合を通してこれまでの厳しい教えとは違う勝負の楽しみ方を見出している節があり、そのことの感謝の意味を込めて件のカードを手渡してくれたということです。いずれにせよ田舎少年にそんな高度な恋愛頭脳戦に対応できる余裕は一切ないので心は死ぬが、うっかり僕ヤバしてしまうルートは拓けるので精神的にギリギリの瀬戸際でどうしようもない場合は鼻からこの説を吸って遥かに良いして下さい。

最後になりますが『ポケットモンスター ソード・シールド』は別に作中人物に想像失恋するような限界オタクのためのゲームではなく老若男女問わずエンジョイできるキングオブエンタメゲームであることを併記しておきます。マジで。

画像14

手持ちにかくとうタイプのエルレイドを入れたのはサイトウちゃんに感化されたからなんだ……いつもありがとうエルレイド……


(終わりです)

ここは記事下のサポートエリア!わたしをサポートしたいと思ったそんなあなたに、わたしのamazonほしいものリスト! https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/1XCLS13WI5P8R?ref_=wl_share