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おまえは今すぐブルーアーカイブをインストールして守護教師となれ

 よくきたな。おれは毎日ブルーアーカイブをプレイしているがそのことを誰にも言うつもりはない。だが今回ブルーアーカイブがリリース2.5周年記念ということで、特別にこうやって筆を執っている格好だ。

「ブルーアーカイブってあれでしょ? なんか・・・美少女がスケベで・・・先生が変態で・・・ヤンクミとか・・・ヤケクソ補填・・・透き通ってるゲーム・・・」プレイしていないおまえはTIME-LINEの受動喫煙で支離滅裂で断片的な情報しか知らず、何を言っているのかおれにはさっぱりわからない。現実の忙しさを言い訳にゲームを遊ぶことを諦め、実況動画どころかプローモイション映像すらクリックするのが億劫になり、イーロンに私物化されたTIME-LINEに流れてくるコラ画像とかのインターネット・ミームをキャッキャッと面白がり一丁前にまん足した気になっている牙を抜かれた腰抜け・・・それが今のおまえだ。

 ここでおれがはっきりと断言しておこう。ブルーアーカイブとはマ・ドンソクであると。

この記事は社会派コラムニストである逆噴射聡一郎先生に多大な影響を受けて執筆されています。逆噴射聡一郎先生についてはこちらの記事をご覧ください。


ブルーアーカイブとはマ・ドンソク

彼のように卑劣な大人の手から生徒たちを救い出せ

 ここでマ・ドンソクを知らないおまえに説明をしなければならない。マ・ドンソクとは韓国のウルトラ・タフガイ・スターだ。凄まじく屈強な肉体と丸太のような二の腕から繰り出されるビンタはダンプカーと正面衝突したかのような破壊力を持ち、その熊のような存在感はそんじょそこらの腰抜けなら目があっただけで震え上がることだろう。一方でその巨躯とはギャップのある愛らしい仕草やハートフルな役柄さえやすyすとこなす様は「マブリー」と呼ばれ、GRIZZLYともりのくまさんを自在に行き来できる世界唯一の俳優だ。それはあのMARVELがマ・ドンソクをギルガメッシュ役として大抜擢した事例と、ヒデオ・コジマが自らのスタジオに彼を招いて3Dスキャンしdジタルアーカイブ化したことからも明らかだ。

「暴力」、「愛らしさ」、「神話」、そして「アーカイブ」・・・つまり、ブルーアーカイブということだ。

 ブルーアーカイブがれっdOCEANなソシャゲでよくある美少女コレクションゲームの要素があることはおれは否定しない。だが、それはあくまで一側面の話だ。マ・ドンソクとブルーアーカイブ、両者の共通点と言えば暴力エンタメを描かせれば右に出る者はいない韓国からやってきたとゆう点だ。この硝煙と爆発がありふれた呆れ返るほど平和な街キヴォトスに足を踏み入れた瞬間に、おまえはマ・ドンソクの強烈なビンタのような衝撃を受けることだろう。そこで繰り広げられる抗争と暴力、そしてかけがえのない青春を目にしたとき、イーロンの卑劣なインターネットの罠から目覚めるのだ。


この群雄割拠の犯罪都市を生き抜け

 次におまえはブルーアーカイブがどんな物語なのかを知る必要がある。おまえはこの街に赴任してきた先生だ。この巨大学園都市キヴォトスはかつて圧倒的な統率力で街を支配していた連邦生徒会長が突如失踪し、その混乱に乗じて各学校勢力がそれぞれの区画を占拠、秩序は崩壊し銃撃戦や銀行強盗、列車ジャックが日常的に頻発する最悪の治安状況とゆっていい。

 個性的で癖のありすぎる登場人物、バックボーンの異なる組織の乱立、TEPPENNを目指ししのぎを削る抗争劇、そして利権を狙い忍び寄るマフィアや巨大メガコーポの影・・・おまえはこうした物語を知っているはずだ。つまり、東映ヤクザものや暴力韓国映画、あるいはHiGH&LOWのような不良ヤンキー作品のME―MEが根底に流れている。そもそも年端もいかぬ少女がテニスラケット感覚で銃器を携帯していること自体が尋常ではない。

デフォルメされているが、全員が火器を所有している。つまり韓国映画だ

 お前のブルーアーカイブの入り口はTIMEーLINEに流れてくるハイレグだとか濡れ透け水着だったかもしれない。それはRT数とかアナリティクスとかによって人々を惑わす邪悪なるイーロンが仕掛ける姦計だったが、おまえはインターネットに乱立したピンク・ベイブの地雷原を注意深く避けながらここまでたどり着いた。物事の外観だけに囚われないしんの男の素質を持つ者として照明されたのだ。

 そしておまえはこのぐんゆうかっkypした犯罪都市に赴任してきた守護教師として、この街の生徒たちを見守り、卑劣なマフィア、メガコーポ、ゲマトリアの連中どもに大人のカードという名のパンチを喰らわせろ。

TIME-LINEに流れてくる先生


実際のシャーレの先生

 おまえはシャーレのオフィスにたどり着き、チュートリアルをこなす。すると初期キャラとかガチャだとかでボコボコと美少女の名簿が手元に集まってくるだろう。「そんな・・・競走馬とかメギドとか徳川将軍とか、もうそんなたくさんキャラの名前を憶えるなんてもうできないよ・・・!」甘えるな。お前は初めてハイローを観た時すごい数の顔のいい男たちがゾロゾロ出てきて面食らっていたのに、今では100名を超えるキャストを完璧に見分け強さの格付けまで脳に刻まれていることを思い出せ。このゲームの生徒はそれぞれ母校が異なり、世界観やストーリーにも深くかかわっている。戦後広島の闇市から山守組が立ち上がったように、それぞれの学校には成り立ちがあり、キャラクターには行動原理がある。まずはそこを頭に叩き込め。


TIME-LINEに流れてくるブルーアーカイブの景色


実際のブルーアーカイブの景色


アビドス高等学校
 かつては多くの生徒を有するマンモス校だったが、周辺一帯の砂漠化によって今ではたった5人の在校生しか残っておらず、おまけに砂漠化対策に多くの資金を注入した結果莫大な借金を抱えることになった弱小学校だ。それでも「あったけえ母校を守りてえ」と日々借金返済のためにバイトに精を出す、言わばブルアカ界の山王連合会と言っていいだろう。そんな状況の中、対策委員会からの救援要請を受けたシャーレの先生がアビドスを訪れる……というのがブルアカのメインストーリーの導入だ。
 実は全員が湘北や烏野並みの超エース級の集団であり、他校のストーリーを読み進めていくうちに彼女らがいかに強大かつ邪悪な大人たちと戦っていたのか分かるだろう。

こう見えて全員がコマンドーばりの猛者であり、ランボーもいる


トリニティ総合学園
 キヴォトス随一のお嬢様学校であり、3つの学校が統合された歴史を持つ。その背景もあってか校内派閥が存在し、各派閥のトップによるティーパーティーと呼ばれる会談の場が生徒会の役割を果たしている。伝統と作法を重んじるため天使の羽のようなものを持つ生徒が多く、自由気ままで混沌な校風であるゲヘナとは犬猿の仲だ。
 裕福な家庭の者が多いためかしばしば身代金目的の誘拐犯のターゲットにされるが、そういう不遜な輩に対してはダブルショットガンを構えた懲罰天使率いる正義実現委員会が差し向けられ、死より悲惨な末路を迎えることになるだろう。他にもトリニティ暗部を秘匿していると言われる武装シスター集団シスターフッド、「団長が壊して団員が治す」と揶揄される救護騎士団などがあり、水面下で複雑な校内政治が繰り広げられている。

トリニティの落ちこぼれが集められた補習授業部だったが、同時期に「トリニティ内部に裏切者がいる」という噂が立ち始め……

ゲヘナ学園
 トリニティと並び立つマンモス校であり、自由と混沌を体現した治安最悪の集団。生徒も悪魔の羽や尻尾を持つ者が多い。当然校内の秩序は崩壊しており、違法サークル(という名のテロリスト集団)が乱立して他校の領域を平然と侵犯しまくるため、唯一風紀委員会のみがそれら問題児を取り締まる良心である。が、全く手が足りていない上に実質的な生徒会である万魔殿パンデモニウムがその場の思いつきでトラブルを起こしまくるため、中間管理職の苦労が甚だしい。
 源泉があるところなら場所を問わず建造物を破壊し温泉を掘り当てる温泉開発部、美食を探求し水族館の魚を強奪したり悪徳レストランを爆破したりする美食研究会、勝手に学校を飛び出して会社を立ち上げた便利屋68など、この世で最も自由な奴らが集まっており、当然他校の間でもテロリスト集団として名が通っており警戒されている。

だいたいいつもカロウシ寸前みたいな惨状になっている風紀委員会


ミレニアムサイエンススクール
 世界の謎とされる千年問題の解明を掲げる、テクノロジーを信奉する学校。歴史は浅いが、その高い技術力によってキヴォトスでも屈指の有力校の一つとなった。最新技術の導入に余念がなく、校内にモノレールや無人ロボットを配備したりすごい未来的な建物が立ち並んでいる。それぞれの部活がある種の研究機関の側面を持ち、予算の取り合いのためミレニアムの運営を取り仕切るセミナーの元での熾烈なプレゼンバトルが風物詩となっている。クソゲークリエイター、廃ゲーマー、クソ強い幼女で構成されているゲーム開発部や、『お片付け』専門のメイド・エージェント部隊C&CCleaning&Clearing、ハッカー集団ヴェリタス、マッドな発明で日夜爆発を引き起こしているエンジニア部などがある。

クソナード校呼ばわりされるミレニアムの底辺部活動ですら拳に訴える行動をとる


 他にもキヴォトス中の祭りの利権を握る百鬼夜行連合学院、日々クーデターと政権奪還が繰り返されるレッドウィンター連邦学園、チャイニーズマフィアと商会が反目し合っている山海経高級中学校、上層部が民間軍事企業とズブズブなヴァルキューレ警察学校などがあるが、ひとまずはこんなものだろう。これら学校勢力がSWORD地区ばりに勢力争いを繰り広げているのがブルーアーカイブだ。

キヴォトス勢力図のイメージ


今すぐやれ

 どうせおまえは現実の忙しさとコスパとかタイパとかを言い訳にして「ふむふむ一週間前だったら100回ガチャ無料とか10連チケット配布とかがあったのに残念ですね今回はご縁がなかったということで」とか言い出すだろう。今すぐやれ。マ・ドンソクは生徒の失踪を知った瞬間から行動を始めた。ろくに生徒の顔を見ない教師陣や知事選の警備を言い訳にする警察に「余計なことに首を突っ込みやがって」みたいなやっかみを受けてもだ。

 マ・ドンソクのマ・ドンソクたる所以は、うらなり野郎を一発でKOできるガタイの良さではない。明らかにカタギではないその風貌に眉をひそめられても、怯まずに己の善性に従って教師としての責任を遂行するぐっ直なまでの人の良さだ。結果としてマ・ドンソクは最悪の事態は防ぐことが出来たが、それでも犠牲者は出てしまった。それはマ・ドンソクのせいではない。だが、もしマ・ドンソクが一ヶ月、いや一週間でも早くこの街にやって来ていたら・・・? そのIFの物語をお前がやるのだ。おまえが多忙とかタイパとかで足踏みしている間にキヴォトスでは卑劣なイーロンやゲマトリアがおまえの未来の生徒を貶めようと画策している。今すぐやれ。そして他でもなくおまえがマ・ドンソクとなるのだ。

大いなる過去が立ち込めても、それは決してなかったことにはならない

 勘違いしないでほしいのはこのゲームはお前が生徒のトラブルを直接解決したりグレた不良にグーパンチするような話ではないことだ。マ・ドンソクもマフィアのアジトから生徒を救出する際にはその腕力を振るわず穏便に切り抜けたように、分別のつく大人として力の使い所をわきまえる必要がある。おまえの役割はそのかけがえのない青春を己の利権のために踏みにじろうとする卑劣な連中から責任ある大人として守ることだ。このゲームの主人公は彼女たちであることを肝に銘じておけ。

 時に生徒たちはすれ違い、ぶつかり、銃を向け合うこともあるかもしれない。だがおまえがやるべきことは間に割って強引に仲裁することではない。彼女たちが喧嘩したいという気持ちは間違ってはいない。選択を誤ることもあるだろう。そんな時、彼女らを見守る立場としてどんな行動を取るべきか? それはエイリアンをエターナルビンタで叩きのめすよりも難しい問題だ。だが、おまえの内なるマ・ドンソクが道を指し示す。それも腕力ではなく人間本来が持つ善性によってだ。その恐ろしい巨躯からちょっとした諍いで暴力沙汰と騒ぎ立てられ、PROをクビになってドン底に落ちようと己の善性を信じ光を見失わなかったマ・ドンソクが他ならぬ証拠となる。

この先の景色を見届けろ

 イーロンが引き起こした混沌の渦によってインターネットはかつてないほど荒れ狂い、青い鳥は何処かへ飛び去り、高層ビルの屋上に暗黒のXロゴが光り輝き、人間は自我を失い、悪意の応酬が止まず、淀んだ湿地帯には無数の休眠アカウントが磔刑に処されている。0と1か、正しいか正しくないか、敵か味方かでしか物事を判断できない邪悪なイーロンの魔術にお前は囚われていた。だがおまえは現代のタルサドゥームの掌から脱し、メキシコの大地を歩き始めた。そこは自由であり自らの行いに責任が付きまとう過酷な荒野だ。

ゲマトリアのもっともらしい戯言もやつらの目的達成のための方便だ 騙されるな

「こんなゲームにマジになっちゃってどうすんの」と黒服は嘯くだろう。「インターネットから離れて家族とでも話していろ」とイーロンは嗤うだろう。だがおまえがお前としてより良く生きる上で、このキヴォトスで得られる体験は他に代えがたいものになるはずだ。イーロンを信じるな。インターネットを信じるな。おれも信じるな。おまえが信じるマ・ドンソクだけを信じ、このキヴォトスの守護教師となれ。


インターネットを信じるな イーロンを信じるな


(終わりです)

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