エンシュアのすゝめ

エンシュア・リキッドという薬をご存知でしょうか。
主に手術後だったり拒食症だったりで物を食べられず、
栄養不足になってしまう人に処方される栄養剤です。
（経腸とかはよくわかりませんが栄養はあります。）

しかしこれ、気分障害で飯が食えない人にもありがたい薬なんじゃないか？

と思ったので、主治医に突撃してみた結果を書いていきます。
こんな記事にネタバレも糞もないので言いますが、処方されました。
飲レポも書きます。

気分障害でも出してもらえるのか？

私は重大な手術歴もなければ拒食症でもないのですが、持ち前の気分障害のせいでご飯を食べるという行為があまりできずにいました。ここ最近の食生活を思い返すと、よくて1日1食、下手をすれば2日に1食という惨状でした。

これを先日、メンクリの主治医に相談しました。
「抑うつが食事がとれない。
なにか栄養剤のような物を処方できないか」
こんな感じに切り出して、主治医さんの反応を見ましたが、なんかいけそうな雰囲気。最初からエンシュア狙いだったので、話をエンシュア方向に誘導していきました。

結果、1日1本分のエンシュア・リキッドを処方してもらえる運びになったのです。
250mlが30缶、つまり7.5㎏をリュックに詰めて持ち帰ることになり、家に着いた時はヘトヘトになりましたが、処方してもらえたのでよし。

ちなみに例外中の例外ってわけでもなく、
割と鬱の人にもエンシュアが処方される例はあるようです。

ネットで検索すると、
『重篤な人が飲むのに私が飲んでいいんだろうか』
という、なんとも気分障害チックな書き込みもありました。
いいんだよ。

なお、エンシュア・リキッドにはバニラ味やコーヒー味など、フレーバーに種類があります。

僕が処方してもらった30缶は全部ストロベリー味でした。

で、味は？

僕の中には、飲みやすく味付けしたと謳う薬への偏見がありました。
どんなに調整してもガキ用のシロップ程度の味でしかないんだろうなと思っていたのです。

『エンシュアはまずいが冷やしたら飲めなくもない』
という知人からの助言を聞いていたので、とりあえず冷蔵庫にストックして、翌日飲むことに。

実際に飲んでみて、衝撃を受けました。
薬とは思えないほど飲みやすく、味もイチゴミルク感があるのです。
自販機のちょっといいイチゴミルクを100点だとすると、
エンシュア・リキッドストロベリー味は70点くらいのイチゴミルク感。

ガキ向けシロップ薬と同列に語って申し訳ありませんでした、と製造者様に頭を下げたくなるくらいには美味しかったです。
なんならジュースとして飲める。

なお、副作用には腹部膨満感、つまり満腹感があります。
これも、なかなか食事がとれない身からすると逆にありがたい話でした。
空腹感には慣れていますが、無いに越したことはないので。

エンシュアはいいぞ

というわけで、見事にエンシュアはいいぞオジサンになってしまいました。

気分障害の人って、基本的な生活ができないんですよね。
家事とか風呂もダメージはありますが、食事って割と大ダメージなんです。
空腹感は気づきやすいですし、なんなら慣れます。
ですが体力が低下していくのは気づきにくいし、影響もデカいです。
（食事をして内容物を消化するのも疲れるくらい体力落ちます）

新しい環境への順応と社会復帰
は全精神障害者の関門ですが、体力が落ちるとお話になりません。

なので療養のためには
生きるために食う
というサバイバルホラー的な覚悟を持たないといけないんですが、
実践するとなるとこれが難しい。

1人暮らしの気分障害持ちは自炊で1日3食なんてとても無理です。
頑張って2食、妥協して1食、そして2日に1食と、ズルズル落ちていきます。
（あくまで僕の例ですが）

そういう人のためにも、エンシュア・リキッドは広く処方されていいんじゃないかなと思ったので、今回はレポってみました。
実際、飲むと捗ります。

処方されてる知人から聞かなければ存在すら知りませんでしたし、
たぶんメンクリの先生も言わないと出してくれないと思います。
（自分の主治医も出した事ないようで、うんうん唸っていました）

障害年金を利用して安定した栄養源を確保しようと思っていたところだったので、エンシュアは渡りに船でした。
BASEBREADとかnoshも検討していましたが、年金生活者にはきついので。

同じように食事に悩んでる気分障害の人は、
次のメンクリでエンシュアについて聞いてみるといいかもしれないです。

以上、エンシュア・リキッド布教記事でした。
いちおう副作用もあるのでそこだけ注意。

※個人の感想です。
　筆者は貧乏舌の馬鹿舌なので、まずくても怒らないでください。
　良薬は口に苦し。