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遺言3
おばあちゃんが、ガンになりました。
が、それでも普通に出社してきます。「いや、そこまでしなくても…」と内心思ってましたが、仕事ぶりを見るに言うに言えないでいました。そもそも、そんな状態で出社させていいのか? どうなってんの、この会社は? と、むしろ怒りも湧いてました。
そうしていると、おばあちゃんは何かを感じ取ったのかも知れません。仕事中にふと…
「あの人のワガママは凄くてね…。やんないと…」
あの人とは、一番偉い人です。今まで「いつ結婚するの? あなたは?」みたいな事しか言われてこず、周りから見ても確実に師匠と弟子。
そんな中、小声で私にしか聞こえないようにして、弱音のような事を初めて話されてビックリしたのと、そう言う事を話してもいいと思える人間だと思われたんだ、と、嬉しさもありました。
そう思ったことを言葉に出すわけでもなく、ただ、黙って聞いてました。今までのおばあちゃんだったら、「とにかく、お前はガンガン働け! いつまでも年寄りに頼ってんじゃねぇ!」なんて流れになるもんなんですが、そうもならず、ただ、私自身は頷いていただけだった気がします。
その頃からか、おばあちゃんは本当にダメなのかも知れない。そう思うようになりました。今までと違うおばあちゃんに、そう感じざるを得ませんでした。
それから、本格的に治療に専念する形で来なくなりました。その頃は更に元気無く、辛そうな感じでした。
その後、私は1人で1日数百人来るイベント事に取り掛かるも未だ荒削り仕上がりで、物品が足らなくなったりして周りからあーだこーだ言われたり、その他の仕事も細かなよく分からない点も「こんなもんかな…」で、それっぽく仕上げたりしてました。
でも、とりあえず仕上がる。1年ちょっとでおばあちゃんにそこまで叩き込まれた訳ですが、治療に専念し始めてから半年以上経った頃でしょうか。
おばあちゃんがまた出社しました。
--------------------------------------------------------------------------------------次回に続きます。
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