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6月を知る

2019年の6月もそろそろ終わりそう。
先日の梅雨の中休み。とても爽やかな晴れ間に、ふと思い立って鎌倉へ紫陽花を見に行った。
毎年混雑してるし、選択肢にあがることさえなかったのだけど、今年はめずらしく平日も自由で、その日はぽっかり予定が空いたので突如として電車にのった。

鎌倉では「長谷寺」が有名らしいのだけど、わたしはなんとなく「明月院」というところにいきたかった。ネットでみたブルーの紫陽花と、借景の写真が美しかったから。

「明月院」は北鎌倉駅にあり、お昼すぎに着いたのでお腹がすいていた。GoogleMapで近くに「精進料理」のお店を発見。
線路わきにたたずむそのお店は、おばあちゃんちのような古い民家で、店員さんもふくめて懐かしい感じがした。
運ばれてきたお料理は、繊細だけどしっかりと味付けされていてお肉も魚も使わなくても満足度が高く、幸せな気分になった。

小さいころ、母親がストイックなベジタリアンだった。
今の時代でいうとキャラ弁大好き!な年頃なのに、玄米のせいで「お弁当茶色いね」と先生に言われたりとイヤな思い出がまあまあある。
それが理由となって昨今の健康ブームに自ら乗っかることはなかったはずだけど、そういった料理はカラダに馴染んでいるのかわりと好きでお店を見つけると吸い込まれてしまうので、不思議なものだなあと思う。

そんな素敵なお店は7月10日に閉店してしまうらしい。お店の電話が鳴って、7月11日の予約のお断りをしているのが聞こえてきた。
「最後のあじさいの季節、心を込めてがんばります」とメニューに書いてあったので、美味しさをしみじみと噛みしめた。

お腹も満たされて「明月院」に向かうと、平日とはいえ観光客で賑わっていた。普段の混雑ぶりがわからないけど、入場の際はスムーズだったので快適な方だったのかもしれない。 
ブルーの大きな紫陽花たちが、階段の上の方までずっと続いている。どこまでも同系色にまとめられた紫陽花と、新緑のコントラストの鮮やかさは、近所の軒先にさく紫陽花とは全く違った美しさだった。


4月には「桜」が咲いて、6月には「紫陽花」が咲き、7月には「向日葵」がさく。
季節の移り変わりを感じて人々があつまる行為としてまったく同義なのだなあ、と今年はじめて知ったのだった。

そして、北鎌倉から鎌倉までの山の車道を歩きながら、暮らしの中で季節の移り変わりを感じることの大切さを考えた。


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