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イギリスでサマータイムをまたぐ #004

私たちがイギリスを訪れたのは、7月。サマータイムが始まってからだ。

イギリスと日本の時差は8時間。

イギリスが午前0:00になると日本は午前8:00に、イギリスが午後4:00になると日本は翌日の午前0:00になる。

日本で仕事をしていた頃は、よくアメリカの時間(太平洋時間)を基準とした仕事があったため、サマータイムは心から厄介だと思っていた。なぜなら、いつからいつまでがサマータイムで、サマータイムの時差が何時間でなどといった計算がいつもややこしかったからだ。

しかし、ずっと「現地の人も大変だろうなぁ。全然意味が分からない。なんでサマータイムなんてややこしいものがあるのだろう。」と思っていたが、実際にサマータイムの導入国で、サマータイムから標準時間への切り替えを体験してみると、意外と、というか、全然大変でもなんでもないということが分かった。

イギリスの場合、サマータイムから標準時間への切り替わりは、10月最終週の日曜日に行われる。2023年の場合は、10月29日(日)の午前2:00に行われた。サマータイムでいう午前2:00になると、午前2:00とはならず、標準時間である午前1:00に戻るのだ。

時計を使っている人は時間を1時間修正する必要があるものの、スマホやスマートウォッチ、パソコンなどで時間を確認する人は、特に修正不要。寝ている間に勝手に切り替わってくれる。

そして10月29日の日曜日、特に予定のなかった私たちは、思った以上にスムーズに切り替えられた。

起きたらいつもの時間。でも、いつもより少し明るかった。

唯一、キッチンの時計が切り替わっていなかったので、「あれ?」と思う瞬間があったが、夫の「サマータイムだよ」というひと言で、私は同時にスマホの時計を見て時間を確認。ちょうど1時間ずれていたので、「あぁ」と、時計を直して終了した。何のトラブルもなく、寝いている間に全てが終わっていたのだ。

時間にシビアな平日だったらまた少し違った可能性はあるが、日曜日という、最も時間に影響のなさそうな曜日に切り替わるという合理性もまた、素晴らしいと感動したものだった。

しかし、そこには落とし穴があった。

私には日本時間で日付が変わるまでに提出しなくてはならない所用が不定期にあるのだが、日本時間の午前0:00は、サマータイムでは、イギリス時間で前日の午後4:00に当たる。よって、いつも午後3:59までに提出する。

そして、この日もそれなりに、時間にゆとりを持って提出したのがイギリス時間の午後3:05。

日本時間で午後11:05の提出となるはずで、間に合ったはずだった。

しかし、なんだかおかしい。

それもそのはず。イギリスでサマータイムが終了した現在、日本は翌日の午前0:05。見事に締切を過ぎており、「締切過ぎてるよー」というアラートが出てしまったのだ。

あぁ、やってしまった。。。

サマータイムはイギリス国内のみを考えるなら、スマホさえ使っていれば何の問題にもならない。しかし、国をまたぐ時は気をつけたほうがいいという教訓になった。

そして、日本でのサマータイムがややこしかったのは、常に国をまたいでいるからだと妙に納得したのだった。

また、アメリカは11月5日にサマータイム終了、逆に南半球のオーストラリアは10月1日にサマータイムが始まるため、サマータイム導入国といえども一律の対応ではない。

複数の国とやりとりする場合はさらにややこしくなり、やっぱりサマータイムは面倒臭いと思うのだった。

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