人類が管理される未来
宇宙船の中なのか、どこかの星の施設なのか。地球ではない。
人間が拘束され、排泄物や遺体をミキサーですり潰しそれを摂取させられる。悍ましい循環ができあがっていた。
アジア人のような黒髪の少女が、目に薄い布のようなものが当てられている。機能的にはヘッドセットのようなものだろう。
VRの世界を生きているようだった。
全身対放射能スーツのようなもの着た黒人の男、
他には顔だけ肉体のような身体は機械化している男たち。
自分は、黒人の男に彼女を解放してくれと頼んだ。
いや、正確には頭の中に送った。
伝わったかはわからない。自分は傀儡の中にいるのだが、身体は動かすことができる。
苦労して入手した融解性の高い赤い液体を注射器で、二人の男の肉体がわずかに露出している部分に注入した。
うまく入ったようで、断末魔の叫び声を上げながら、どこまでも侵食され、溶けていった。
あとは、あの男がどのような行動に出るか任せるしかない。
この傀儡はすぐ破棄されるだろう。
もう二度と使うことができない。
絶望的な光景の中に、なぜか明るい暖かな日差しのような光を感じていた。
右前方からくる光。
思わず手を伸ばしたくなる。
そこで目が覚めた。
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