【ほぼ百字小説】特にどの本とどの本の間ということはなく、一、二冊指し抜かれた頼りない隙間にそれは出る。その隙間の左右の本が眠たげに寄りかかりあって長い二等辺三角形のトンネルを作ると必ずそれはやってくるのだ。けして目を合わせてもいけないが無視もいけない。それが今、こっちを見ている。

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。