「求めるもの」
皆に遅れることがそんなにいけない?
みんなと同じことが出来ないのがいけない?
授業をうけたくないのは、わからないからなんだ。
わからないから耐え難くつまらないんだ。
みんなはどうしてわかるのに、
僕にはわからないんだろう。
ただただ苦痛に耐え、
耐え切れずにサインをだせば、
比べられて叱られて叩かれて。
先生は死に神で、この世は地獄だ。
僕に生きる価値などないのか?
世の中すべてがつまらなく思えてくる。
どこかに行きたい。
ここではないどこかなら、どこでもいい。
果てしなく悪いことがしたい。
悪いことをしてないと、身体がバラバラになりそうだ。
悪いことに身をひたしていると、少しだけ楽なんだ。
じめっとしてるけど、それでも生きてる感じがする。
安心できる。
そう。 僕らは安心がほしい。
絶対の安心がほしいだけ。
それがなきゃ、すべてが空虚。
駄目な自分でも認めてくれる場所がほしい。
成績悪くても差別しない人に会いたい。
運動音痴でものびのび運動できる場所にいきたい。
みんなと違ったら褒めてくれる人に会いたい。
みんなより遅れてても、笑って気にも留めない人に会いたい。
常識をおしつけない人と話したい。
なんでも本音で話せる人と話したい。
腹の底から笑って遊べる人と一緒にいたい。
何があっても信頼してくれる人のそばに帰れれば
僕らはきっと…
僕らはきっと、生まれなおせる。
成績が低い = 人間的評価も低い
そんな馬鹿げた社会の中でも、
たとえ、みんなから遅れることが、
最大の恐怖である社会の中でも、
安心を基盤に。 信頼を基盤に。
生きていてもいいという喜びを基盤に、
僕らは立ち上がれる。
だから求める。
見えない声で叫ぶ。
聞こえない目で訴える。
駄目な自分でも認めてくれる場所がほしい。
そこでなら、僕も駄目な自分を受け止められるから。
駄目な自分でも認めてくれる場所がほしい。
たとえ全社会が見捨てようと、
そこには絶対の安心があり、絶対の信頼が満ちている。
お父さん、 お母さん、わかって。
僕らは今、駄目な自分でも認めてくれる場所がほしいんだ。
水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。