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これは うみ?

やわらかくうすい青色《あおいろ》と こくあざやかな青い色
これは うみ?

青と青とのさかいめを ぼうっとながめていたならば
あれあれ なにかがみえてくる
くらく大《おお》きなまあるいあたま があらわれた

ぬぬぬぬぬぬ
くろいからだに ハートのしっぽ
とぅるとぅる輝《かがや》くひとつめ ぎょろり

ぐあっと からだをもちあげたらば 白《しろ》いおなかもみえてしまう
潮《しお》をふきふき こう言《い》った
「これがうみだと思《おも》うかね」

どぷんとあたまをしずめたら しぶきをあげてもぐりゆく
んごごごごごご
あっというまにみえなくなった

また 青と青とのさかいめを ぼうっとながめていたならば
あれあれ なにかがみえてくる
大きなまあるいあたま があらわれた

ゆらゆらとはためく フレア
しゃらしゃらしゃらん
らんらんと色めくふたつめ きょろり

「まっていたんだ、このときを」
真《ま》っ赤《か》なくちを めいっぱいひらき
うれしそうに青をてらす

けれどもちょっと早《はや》すぎたようで
するするすると 帰《かえ》ってく
あかるいおでこを光《ひか》らせて 青のさかいめへ帰ってく

またまた 青と青とのさかいめを ぼうっとながめていたならば
あれあれ なにかがみえてくる
まあるいあたま があらわれた

ひょっこりしたのは 大きなふたつめ
くるるくるると こちらをみつめる

しましまの 目《め》にやさしいピンクのからだ
くびからぐぐんと もちあげる
「そうさ いい土《つち》は われらのしごとのたまものだ」

「もうそろそろ失礼《しつれい》するよ」と
そそくさと 帰っていった
かおから青につっこんで 半円《はんえん》えがいてもぐってく

青と青とのさかいめを じいっとみつめていたならば
あれあれ なにかがみえてくる
まあるいあたま があらわれた

よれよれよわく わかい緑《みどり》だが
あたまについた石《いし》にかまわず
力《ちから》いっぱい くびをもたげる

ぱっとひらいた大きなふたば
石はあしもとへころげおちた
たまものへところげおちた

にょきにょきにょきとのびていく
そらへそらへとむかってく
つるっとどこかへとんでいった

青と青とのさかいめを じいっとみつめていたならば
あれあれ なにかがみえてくる
まあるいあたま があらわれた

ふあっっっ!?
茶《ちゃ》色くうすいふちどりに 白くやわらかなふっわふわ

青がチンと音《おと》をたてたら
まってましたと かおをだす
小麦《こむぎ》色のみみにあわせて からだはのびたりちぢんだり

まだこんがりには遠《とお》いのに
どこかへとんで いってしまった

青と青とのさかいめを きょとんとしながらみてたらば
あれあれ なにかがみえてくる
まあるいあたま があらわれた

ふあっっっ!?
みみをくるんと丸《まる》めたそれは 文字《もじ》をおなかにかかえている

みみをピンとはりなおし
ジージージーと音をたて
そとへでようとこころみる
「これはせかいのはじまりか?」

しごとを終《お》えた青は それをそとへとおくりだす
しゅっと そらへ放《ほう》りだされる

青と青とのさかいめが
あれあれ ゆがんできたならば

ずうっと遠くへつれもどされる

やわらかなうなじに しわのはいった真《ま》っ青《さお》なシャツ

これは

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