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詩『赤い血と走馬灯』

これまで走ってきた

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
転んでも前だけ見ていた
周りの力も借り
私は独りではないと

太陽ニモマケズ
大舞台に立ったこともあった

走り続けた

たくさんの人とであった

走り続けた

うしろから魔の手が襲いかかってくることも知らずに


気がついて振り向こうとするが
時すでに遅かった


背中が痛い…
赤いものが背中から流れてくる

倒れ込む

私は何をしていたんだっけ?
私はどうなっているの?

意識が薄れる中
これまで出会った人
応援していた人
恋こがれていた人
走馬灯のように浮かび上がる
思い出も遠くへ消え去ってゆく

お願い…その記憶だけは…

返して……


悪魔があざ笑いながら過ぎ去ってゆく

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