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軌跡を辿って、紡ぐは誰が為に。


 あれから半年が経った。
 私が、初めてnoteの記事を書いた日。

 それは、ほんの気まぐれから始まった。



【伝えたいこと、書き留めたいこと】


(勝手に紹介してごめんなさい)

 Xで話題になったこのnoteを、目にした方もいるだろう。誰かを応援するまっすぐな気持ちと、筆者の、美しいだけではない本音や感情の揺れ。私が初めて読んだのは昨年末のこと。とても心を揺さぶられた。
 そして私も、こんな風に誰かを応援する気持ちを文章に書きたいと思った。なにより、推しに何かが届きやすいこの界隈なら、本人も目にするかもしれない。純粋に、こんな風に貴方を応援している人間がいますよ、と伝えられたらそれでいいなと思った。

 だから、私も書こうと決めた。「この人の麻雀はすごい」と、「応援したい」と思わせてくれた、私の推しに向けて。


 石立岳大プロ、人呼んで「あいだてさん」。

 Mトーナメント2023で決勝まで進み、その自在な打ち筋と初々しい(?)インタビューで一躍注目を浴びた、日本プロ麻雀連盟所属のプロ雀士。
 麻雀初心者だった私が、麻雀を打つその姿に、Xで垣間見える人柄に、心を奪われたのは昨夏のこと。それ以来、連盟チャンネルに加入して放送対局は全て見ている。

 年末に投稿したこの記事は、結果的に運良くご本人に届いた。なんならポストして5分くらいで気付かれた。笑
 私情を大いに乗せた文章ではあったものの、喜んでもらえたようで、私もすごく嬉しかった。


 今回は、そこから半年経った今、どうしてもまた記事を書きたくなったので筆を取っている。きっかけは2度目の出場となったMトーナメント2024だが、そこに至るまでに、たくさんの姿を見てきたからだ。

 今回も敬意を込めて、ここからは「あいだてさん」と呼ばせていただく。



【1月、運命の最終節〜鳳凰戦B1リーグ】



 私が前回のnoteを書き終えた昨年12月の段階で、あいだてさんは自団体のリーグ戦で上から3番目にあたるB1リーグに所属していた。
 それだけではなく、開催中のリーグ戦ではさらにひとつ上のA2リーグに昇級できそうな位置にいた。最終節の4半荘を残して、あいだてさんは3人昇級の4番手。上位との点差だって極端に大きくはない。最終節で2,3位の選手との直接対決はないけれど(一人突き抜けた成績の福島プロが同卓だったが、そこはあまり関係なさそう)、その日の結果次第で昇級の可能性は普通にあった。


最終節開始前はこんな感じ(引用元:@JPML_sokuhou)


 Bリーグはセレクト卓として、主に有名プロがいる卓をひとつだけ放送するのが通例らしい。40期後期最終節は、これまた昇級ボーダー付近にいた滝沢和典プロのいる卓が対象になっていた。ただ、同じ会場で全卓同時に対局をしていたため、時折全ての卓の点数やトータルポイントの状況が速報で流れていた。
 1回戦では、放送卓が早めに終わったところで一番気になるであろう、昇級ボーダー付近のあいだてさんの卓が無音で映されていた。あいだてさんを後ろ見するような位置のカメラから、小さく映る卓の電子表示をガン見すると、連盟ルールでまさかの5万点超えトップ!!(まだ打ってる)

 え、これはこのまま大負けしなければ昇級あるのでは?と思わせるような展開。途中、少しポイントを減らす場面はあっても、放送卓で通過ポジションの滝沢・福光両プロがジリジリとポイントを減らし、真ん中くらいにいた客野プロが追い上げてきたところで、あいだてさんもその3人と並びか少し下くらいの位置にいた。

 そして最終4回戦、放送卓は客野プロがさらに怒涛の追い上げを見せていて、それはそれは盛り上がっていた。サクサク局は進みつつ、100点が順位を左右するような展開。別卓の速報も入るが、どうやらあいだてさんは展開が芳しくなさそうだった。
 そうして放送卓が南場も後半に入った頃、実況から「事件が起きました」と。「C卓やってますよ!石立さん、46600!?6100オールが出たと。これで2位まで行ったと」「もう石立さんはだいぶ安全圏に行きましたね」


(41:10〜、ライブ放送時のテロップはない音声オンリーバージョンでどうぞ)


 最後の親番で、大物手をツモ和了ったらしい。なんというヒーロー属性!信じていたけど、本当にクリアしてくるんだこの人は!と、嬉しくて泣き笑いしてしまったのを覚えている。
 そのまま卓内トップで逃げ切り、見事に全体2位でA2昇格を決めた。それはつまり、あいだてさんがリーグ戦で打つ姿が、これからは月1で放送に乗るということだ。


 喜ぶあいだてさん。そして、それを一緒になって喜んでいる人がたくさんいた。それを見て、また嬉しさが込み上げる。この人を応援していてよかったと、心の底から思った。



【それは努力の軌跡と、親しみの証】



 リーグ戦が始まる前の、2月末頃だっただろうか。唐突にあいだてさんのXアカウントで、スペースが開催された。スペースというのは、簡単に言うと音声のみの生放送。一人で話すこともできるし、ホストの許可があれば誰でも参加することができる。
 最初は本当に唐突に始まったため、自称・ひとり喋りが苦手なのに聞き役もいなかった。そこで何を思ったのか、ぽつぽつと聞きに入ってきた人全員(おそらく10名程度?)に、あいだてさんはスピーカーリクエスト(※誰か一緒にお喋りしましょう、と放送に乗せる)を送ってきたのだ!!

 リクエストを受けて慌てふためく私。それでも許可しなければ入ることもないし、誰か行くでしょ……の気持ちで傍観しようとしたら、よく知るFFさんがミュートながらスピーカーになっている!
 これはスルーするのは失礼になるかな、と思い意を決してリクエストを受けた。スピーカー認定を受けて、他の方が聞き役になっているところにミュートで参加する。これならリスナーとなんら変わりはないし、聞き役がうまくて話が終わる気配もないから平気だろうと高を括っていた。するとしばらくして、何故か「じゃあ、あずみさんも」とご指名を受けてしまった。

 ひえ〜〜〜、普段ほぼゲスト活動をしないために会えなかった推しと、直接話すことになるなんて!思ってもみなかった!!

 相当どきどきしながら挨拶をした。気持ち悪いオタクだと思われないように(もう思われている可能性は高いけど!)、仕事モードでもなんでもいいから、まともさを押し出せるよう、とにかく落ち着くように言い聞かせる。その頃にはあいだてさんと仲良しの頼さくらプロも来て、その後は終わりまで頼さんとのやりとりで話が進んでいった。
 終わった後は、少し放心状態だった。ゲスト時に会いに行くならまだしも、まさかこんな形で話すことになるとは。覚悟ができていなかったので、最初は現実感がなかった。交わした言葉なんて二言、三言くらいだが、じわじわと嬉しさが込み上げる。ああ、オタクって単純。

 それ以降は、話し相手となる仲間を誘ってからスペースを始めることが増え、稀に誰もいない状態で始まっても誰かしら話せる仲間のプロが駆けつけて、あいだてさんの話し相手を務めていた。
 それは実に多岐にわたり、連盟チャンネルで実況として活躍するポロリさん(仲田浩二プロ)、ろこひーさん(太田寛子プロ)や、心を許しているであろうと思われる真光プロ、前述の頼さくらプロ(と、たまに旦那さまの頼修広プロ)の登場回数が多く、他にも藤島プロ、井出プロ、強引グ石井プロ、王位の史哉プロ、新進気鋭の李佳プロなど錚々たるメンバーだ。私が聞いていた範囲で、記憶に残っている人たちがこの数なのだから、実際は他にもいたはずだ。
 それでも時折聞きにきたファンをお誘いしたり、はたまた通りすがりのリクエストを受けたりしながら、あいだてさんのスペースは不定期で開催されていた。

 何故スペースをすることになったか。そこに繋がる放送シリーズが始まった。

 対局映像を流して、実況役を立て、あいだてさんが解説役として話す。実際の放送のようにやりとりをしながら、思考を話す練習を始めたのだ。もちろんオフラインでも練習していたようだが、スペースでも不定期に公開練習が行われた。
 確かにオンラインなら、実況役の方や講師になる方と予定を合わせて足を運ぶ必要もない。手軽にできるし、気軽に聞いてもらい、アドバイスをもらうこともできる。練習の機会を増やすという意味では、スペースはうってつけなのかもしれない。
 ファンとしては、「なんでそれ鳴くの?その当たり牌、止められるの!?」と毎回ワクワクする麻雀を打つあいだてさんの思考の一端を、覗き見できるのは貴重な機会だった。アウトプットの内容は豊かでも、手段(話し方)は辿々しさがあることを自覚し、練習を重ねる姿も流石だと思った。
 開催される時間帯が19時頃からの開始が多く、私は子供の世話に追われる時間帯だったのでちゃんと聞くことはあまりできなかったけれど、回を重ねるごとに上達ぶりがわかって、やっぱりこの人は努力を惜しまないんだなぁとしみじみ思った。あらゆる方向に対して努力しているのはプロは皆そうなんだろうけれど、その軌跡を見せてくれると、ファンはさらに応援したくなるものだ。

 では何故、解説の練習をしていたか。
 6月のB1セレクトの放送で、解説をすることが決まったから、というのが理由のようだった。対局者はこんな感じ。


 私は滝沢プロのことも好きだ。あいだてさんと二大推しと言ってもいいだろう。そんな滝沢さんの対局を、あいだてさんが解説する。なんというご褒美……!!
 その日は日曜日。全てとはいかなくても、なるべくイヤホンを耳に入れて、スマホで放送を見聞きした。局を重ね、試合が進むにつれて、実況の田中佑プロとの息も合ってくるのがわかる。伝えたいことを、伝わるように話そうとする気持ちが伝わってくる。肝心の試合は滝沢さんにとってキツすぎる展開で、あいだてさんも感情が乗って嘆いてしまうくらいの一日だった。
 それでも対局を終えて最後のインタビューにて、同じくきつい展開だった仁平プロを交えて話している時は、みんなすごく楽しそうで、ずーっと聞いていたいと思った。対局後は、ああやって飲みながら麻雀談義しているんだろうな。

(まだ動画になっていないので、メン限のライブ配信リンクで失礼します)


 スペースは、真面目な解説練習だけではない。そもそもあいだてさんは本人曰く「酔ったら寂しくなって話したくなっちゃう」そうで、おそらく毎晩お酒を飲んでいるあいだてさんは、不意に深夜にスペースを開いては雑談をすることも多い。
 いい感じにアルコールが入って、ふらりとスペースに参加したプロと熱い話をすることもあった。若手にも同じプロとして容赦しない語り口は、ひどく現実主義的で厳しく、それでいて愛のある姿勢だった。この人は本当に麻雀が好きで(とは違うのかな、突き詰めたいと思っていて)、そして卓を囲む仲間を本当に大切に思っているということはビシビシと感じられた。ちょっと怖い時もあったけど。笑

 スペースの中で語られる言葉から、あいだてさんの思考をより詳しく知ることができる。それは麻雀プロとしての矜持や覚悟なんかが垣間見える貴重な機会だった。
 もちろん(?)、大好きな氷結レモンを飲みすぎてベロベロになっている時もある。仲間とケラケラ楽しそうに笑っていることもある。それはすごく微笑ましい。人間くさくて、熱くて。これが「石立岳大」という人間なんだな、と魅力がたっぷり詰まっている。気になった方は、Xアカウントをフォローしてスペースを聞いてみてください。



【えぬかわさんの準備、あいだてさんの覚悟】



 そして今年も、Mトーナメントの季節がやってきた。

 団体推薦選手は6人ずつ、4回に分けて発表された。連盟はわりと年間のポイント制度で高い順に呼ばれるとか、タイトルホルダーを呼ぶとかいう話を聞いていたので(だからこそあいだてさんが去年呼ばれたんだけど)、実は、今年はもしかしたら厳しいんじゃないかな、と思っていた。
 それでも、あいだてさんは選ばれた。理由は黒木さんが有料noteで書かれていたので、詳しく話すことはできないが、やはりあいだてさんに関しての選出方法は特殊だった。


 今年は、「あいだてさん」と対になる(?)「えぬかわさん」こと西川淳プロも参戦が決定していた。
 念のため、この二人の関係性についての記事を載せておく。以前も紹介したが、あいだてさんについて、えぬかわさんが書いた記事だ。


 その西川さんの試合は、最終の条件が相当に細かく、初戦トップで抜けた渋川さん以外は誰がどうなってもおかしくないような状態だったはずだ。

 そんな状況の第2試合南4局1本場、西川さんは手を作って七対子の聴牌を入れ、どこからでも和了れる手をヤミテンに構えた。すると、競っていた親の水巻さんからリーチが入る。その一発目、西川さんは無筋の4pを迷うことなくツモ切った。次巡の6pも切る。実際には58m待ちなので当たらなかったし、もう行くしかないから仕方ないのだが、ぐっと噛み締めるように唇を引き結んでいる表情は印象的だった。
 ここを、あいだてさんはこう評していた。


「負けることを、負けたあとのことも先にすべて準備してた人の切り方だったんだよ。」
 
 数少ない大舞台でのチャンスを、時の運が左右するゲーム性に乗せて闘う人に必要なのは、それなのか。これほどまでに、重い準備があるのか。
 そして実は、こんな背景もあった。


「実はこの準備ができたのは昨年ファイナリストのあいだてさんのおかげ。
「負けた人の対局をたくさん見て、その悔しさを感じ、負ける心構えをつくる」というアドバイスをもらいました。」

 負けを受け入れるということ。これまで積み重ねた努力も研鑽も、その後も続く競技人生も乗せて牌を切る覚悟。はたまた、水巻さんのように、相手の手を信じて、その手の進行具合に祈りを添えて、牌を切らない覚悟。なんてすごい世界で闘っているんだと、その時はそう感じていた。

 その、本当の重みも知らずに。



***


 そうして迎えた予選1stステージ最終卓。あいだてさんの闘う舞台が来た。

 第1試合から鋭い鳴きにカウンターを披露するが、最後の一牌が遠い。しかし唸るような打牌がたくさんあって、さすがあいだてさんの麻雀は面白い!と楽しんでいた。

 個人的ハイライトはやっぱり東1局、2件リーチに対してチー発進!無筋バンバン切りつつ、当たり牌は止めて最後は安全にテンパイ!!

ここから発進。相変わらず痺れる……!
当たり牌の2sも上手く使って、聴牌を取り切る
3副露、さすがです

 結果的にはジリジリと点数を減らしてラスで終わってしまったが、大負けしたわけでもないので、Mトーナメントのルールなら一部条件はあれど、トップを取れたらだいたい大丈夫という感じだったと思う。

 第2試合。三色で満貫の和了も決めるものの、東城さんが高い手を和了していく。第1試合とはうってかわってサクサクと進んでいき、1時間も経たないうちに、あっという間にオーラスになってしまった。
 親番のあいだてさんは、連荘必至。条件が残り、順位的に東城さんとの点差がそこそこ必要ではあったが、とにかく親番をつなぐしかない。そんな状態で、東城さんから2副露目が入る。明らかに聴牌だった。手出しの牌は8p。あいだてさんは持ってきた6sで止まり、何かを考えている。56sとある手から6sを空切りして、次巡、上家の谷井さんから2pが出た。あいだてさんの手牌はこれ。

3pが切れるようにセットしてある……


 そう、鳴けば聴牌が入るのだ。しかしそれは、東城さんの和了を意味していた。
 そして、あいだてさんはそれをほとんど理解していたように思えた。

 前巡に6sを持ってきて空切りを決めた時にも感じていたが、谷井さんから切られた2pを見たあいだてさんの表情を見て、私は理解してしまった。


 ああ、これは最後の"覚悟"だ。
 えぬかわさんもしていた、「負けることを、負けたあとのことのことも先にすべてを準備」する最後の時間だ、と。


 ぐっと頭を下げ、唇を噛み締めて、鳴くしかないことを悟る。そうして、下を向いたまま発した「チー」の声に、私は涙を堪えられなかった。


 あいだてさんは3pを切って「ロン」と言われた時に、ひとつ頷いただけだった。もう、負けを受け入れる準備は出来ていたのだ。



***


 遡ること数日前、「Mトーナメントの前に時間が取れる最後の夜だから」と、あいだてさんはスペースを開いていた。深夜から始まったために私は寝落ちしてしまい、全ては聞けなかったものの、Mトーナメントに向けた気持ちをたくさん語っていた。その中で、「負けた時のインタビューで話すことはずっと前から考えている」とも言っていた。

 だから、そんなインタビューは最後まで聞きたくなかった。こんなに早く聞くことになるなんて、思いたくなかった。
 だけど、こうやって長く準備してきたことを、たった数時間で失ってしまう舞台に懸ける気持ちを、本人の口から聞くことができるのは幸せだとも思った。

 あの準備と覚悟の話を知らなければ、2pチーの時だってこんなに揺さぶられることはなかった。苦悶の表情も、インタビューで涙を堪える姿も、もう少し「悔しい!」という単純な思いと労いの気持ちで見ていたと思う。
 でも、あの話を知ってしまったから、あの表情に、あの瞬間に巡らせた思いに気づいて、自分の感情がぐうっと乗っかった。激しく心を揺さぶられた。

 インタビューの内容はやはり素晴らしく、それに加えて話すこと自体に慣れてきた印象を受けた。一生懸命言葉を紡ぐ姿は、慣れないが故の拙さではなく、堪えている思いの強さを感じた。勝手な印象だけど。
 私はインタビューの間もぐずぐずしていて、最後の部分は見ていたらまた涙が出てきて、今となってはちゃんと聞いていたか若干怪しいような状態だった。Abemaプレミアムに加入しているから、もう少し気持ちが落ち着いたら、対局と共に見返そうと思っている。



 たった2半荘。
 あっという間に、あいだてさんのMトーナメント2024は幕を閉じた。



【あなたこそが、エール】



 しかし今回の試合も、相当に反響はあったのではないかと思う。魂を込めて打ち切り、インタビューの内容も話す姿も、それだけで見る人の心を打ったはずだ。少なくとも私は、そういう意見をたくさん見た。

 今回私が涙したのは単純な結果の悔しさではなく、プロの心理の一端に触れ、自分の感情を寄せることができてしまったが故に、その重さと凄みに感情を全部持っていかれたような感じだった。そんなことをさせてくれるプロが、他にどれだけいるだろうか。

 実は、あいだてさんのいないところで井出プロが「石立さんはMトーナメントから見られる、応援されることを肌で感じて、自覚が出てきた」とおっしゃっていたことがあった。

(ちょうど10:00前後)


 プロはみんな何かを背負っている。そんなことはわかっている。だけど、この1年の間にあいだてさんの"見られる存在"としてのプロ心理に幾度となく触れ、純粋な"麻雀打ち"としてのプロ心理を知ることができたいちファンは、あの魂を込めて打つ姿に、本当に心の奥底から揺さぶられた。
 こんなことは人生で初めてだった。試合が終わっても止まらない涙を拭いながら、乱され続けた気持ちを落ち着かせようとすることで精一杯だった。

 だからこの文章は、私が私の気持ちを整理するためのツールでもある。冒頭に「どうしてもまた記事を書きたくなった」というのは、これが理由のひとつでもある。
 言葉にしてアウトプットしたがるのは昔からで、話すことができない環境であれば、文章にして書き記すしかない。殴り書きのような勢いで、今も同じようなことを何度も書いている自覚があっても、とにかく文字を打ち続けている。

 それと同時に、あいだてさんが歩んできた道を見守った一人の人間の記録を残したかった。結果を出して喜んだこと。新しい挑戦を見届けたこと。私はどんなところに感じ入り、何を思ったのか。今、切り取って残しておかなければと思った。ほとんど、衝動に近い大きな力に突き動かされた結果だ。

 なので、いつもの如く読む方のことをあまり考慮はしていない。今回は対象となる推しの存在もあるが、あくまで「私がどう感じたか」に重きを置いたので、もしかしたらご本人の意図と違うところもあるかもしれない。もしそういうことがあって、不快に思わせたらごめんなさい。いつでも訂正します。



***


 私はいつも魅せられている。

 日常の些細なつぶやきも、スペースでの熱のこもった話も、酔っ払ったゆるいトークも、仲間と楽しそうにしている姿も。

 いつだって、貴方は私の活力なのだ。

 だから、体に気をつけていつまでも活躍してください。リーグ戦、タイトル戦、見えない対局も何もかも、思う存分闘ってください。

 貴方の活躍こそが、自然体で笑う姿が、なにより頑張る姿が、私への、そして私のようなファンへのエールだから。

 いつだって、私は貴方を応援しています。


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