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麻雀推し活日記〜ほらね、僕らは一人じゃない〜


 6月下旬、しつこい夏風邪の発熱にうんざりしながらスマホをいじっていた。
 ゲームをするほどの元気はなく、同様に発熱した娘が寝てくれないので、眠りたいのに眠れない。そんな日が5日間続いていた。少しだけ元気な娘にテレビの視聴権は奪われ、退屈な私はソファに寝転びながらぼーっとした頭で動画サイトの検索をしていた。

 Mリーグ芸人。毎週録画してあったアメトーークで見たこのテーマがとても面白かった。面白い回は何度でも見るタイプなので、ゲーム周回のお供として暇な時に何回か流し見をしていた。
 録画した番組はテレビで動画を見ている娘がいるから見られない。じゃあそれに近いものを見よう。実況者が面白かったな、シソンヌのじろうさんがスポンサーのチームってどんなとこ?と頭の片隅の記憶を引っ張り出して検索したのが、全ての始まりだった。




麻雀にハマったきっかけ


 日吉さんの名実況切り抜きシリーズ、各選手の印象的な局の切り抜き、サクラナイツ公式などなど、いろいろな動画を見た。
(堀さんの踊ってみたシリーズは元気が出るので、いまだによく見ている。)

 特に印象に残ったのが、「リーチ・ツモ・嶺上・ダブ東・赤・ドラ7!13翻!」の佐々木寿人プロの高打点ばかりを集めた動画。
 仲良くしている配信者さんの配信でたまに友人戦を打つ程度で、役も点数計算も知らない人間が、この動画を見てなんだか分からないけれどすごさを感じた。その理由はたぶん日吉さんのセンセーショナルな言葉の繰り方と、寿人さんの気持ち良いくらい速い打牌。見ていて爽快だった。
 そして、その後日吉さんと一緒にぼやいていた、やけに低音の解説者が気になった。

 それが、KONAMI麻雀格闘倶楽部の滝沢和典プロだった。

 そのうち、対局動画だけじゃなくてバラエティ的な企画動画(主に麻雀遊戯王)があるのを知って漁り始める。初心者にはその方がとっつきやすかった。
 パーソナルな部分はとても魅力的で、滝沢さんは自分を下げて面白おかしく話すところが賢い人だなぁと思った。時折挟むブラックさも、嫌味がなくてカラッと笑える。そんな人が寿人さんだけには遠慮なく絡むから、二人には長年の関係性があるんだなぁということもなんとなくわかった。

 同時に、リアルタイムでやっていたMトーナメントの試合を見始めた。麻雀の対局をリアルタイムで見ることができて、学ぶことがたくさんあった。それは麻雀の基礎の基礎だったから、今見返したらきっともっとすごさがわかるんだろうなぁと思う。
 だって当時は、最初の方は二萬を「リャンマン」と読むことすら頭の中で考えてわかるレベルだったのだ。そこから役や点数計算を勉強して、対局を見ながら確認して、の繰り返しをしていた時期だった。つまり、麻雀の中身の繊細な部分は全くわかっていなかった。
 それでも、負けているところからひっくり返す"逆転のお滝"の麻雀は見ていてとても楽しかった。ヒーローみたいだと思った。

 こうして、ゆるやかに滝沢プロにハマっていった。勝ち上がった中で他に知っている人があまりいなかったのも一因だし、彼がセミファイナルまで勝ち進んで何試合か対局を続けて見ることができたのも大きかった。


イベント参加記録


 その頃、Xでイベントの募集を目にするようになった。

 リアル麻雀は大学生の頃に「とりあえずやってみて」と友達の家で触らされたくらいで、全くやったことがない。でも、やってみたい。さてどうしよう。
 そんなところに「初心者歓迎!点数計算出来なくてもサポートします!」の文字と、ゲストに「滝沢和典」の名前。7月も半ばにさしかかり、夏休みも見えてきて仕事も落ち着いてきた時だった。イベントは8月7日。夫がいれば、子どもに何かあっても基本的には大丈夫だろう。こんなチャンスはもうないかもしれないと思い立ち、夫に「行かせてほしい」とお願いをしてみたらあっさりとOKが出た。


【8月7日 とりママ友の会@新橋ベルバード】


 ゲストは滝沢和典プロと藤島健二郎プロ。

 この日までにコバゴードリル(点数計算、スタートアップ)をなんとか一巡し、連盟が出している初心者本もそこそこ読み進めた。得た知識を、ネット麻雀で打ちながら復習する。これを、子どもが寝てから毎日2〜3時間やった。こんなに勉強したのは十数年振りだと思う。

 当日は行く前からめちゃくちゃ緊張していた。夜の会だったので、家族の夕飯の支度を済ませ、夕方に家を出る。何か軽く食べようと思ったが、緊張しすぎて食べ物が喉を通らなさそうだったので、大人しくコーヒーを買った。

 どきどきしながら入った店内は、明るくて綺麗だった。受付を済ませて指定された席につくと、既に到着されていた方が話しかけてくださった。全く初めてである旨を伝えると、お店のスタッフに許可を取って練習にと二人で打ってくれた。これが麻雀牌!全自動卓!まずそこに感動しつつ、扱いに苦戦した。手積みの牌を買って練習していたけれど、圧倒的に下手(それはそう)。
 その方はいろいろなことを本当に丁寧に教えてくださった。雑談をしつつ、私がアガれるように、ゆっくりの進行で打ってくださった。もうそこでめちゃくちゃ楽しかった。
 いいなあ、もっと早く麻雀と出会えば良かった。

 その後初心者が多いことが発覚し、初心者だけの卓をお店側が作ってくださった。緊張しつつ待っていると……来た!エレベーターから!

 ……二人ともでかい!!

 藤島さんは普通の服装で登場した。そこに気がいかなくなるくらい大きかった。ていうか二人ともイケオジってやつだ、遠くからでも格好良い。

 イベントは、卓の人と打ちつつ同卓抽選があって、当選した人は順番に呼ばれていった。私は残念ながら外れてしまったのだが、雀卓につくのも初めてなのでむしろ外れて良かったとすら思っていた。普通に打つだけでもあたふたしているのに、同卓なんてしたら自分迷惑すぎて逃げ出したくなる。

 途中、サインタイムと写真タイムがあった。持参したもの(布系は不可)にサインを書いてもらえるので、ローソンプリントの写真を滝沢さん用に、ミニ色紙を藤島さん用に持って行った。
 滝沢さんのサインの時に「名前どうしますか」的なことを確認されたけれど、書いてもらった写真は職場に置きたかったので絶対に名前を入れるわけにはいかず、「日付だけでいいです」と返した。

職場の机の一角に忍ばせてある

 お土産の焼酎を渡し、少しお話しも出来た。私は麻雀を打つことに緊張していただけで、推しに会うのはどうも大丈夫らしい。というか、仕事スイッチが入っていて口先だけで喋っていた気もする。内心(うわ〜本物だ〜)ってずっとアワアワしていた。
 藤島さんはこの時すでにお着替え済み。持参の筆ペンがあって、それでサインを書いてくださった。字がとても丁寧。サインも格好良いな〜と思ってお話をすると「これも紆余曲折あって…」とのこと。すごくフランクに話してくださって、イメージがガラッと変わった。バスローブ、インパクト強すぎなんだもん。。。

 というか二人とも、プロとしてこういうゲスト活動もたくさんされているし、接客(と言っていいのか?)に大人の余裕が感じられてそれが本当に素敵だった。営業活動をするプロってすごいんだな…としみじみ思った。

 写真撮影タイムは緊張してよく覚えていない。写真を見返すと、ベルバードのスタッフさんのフランクさと撮影の上手さ(ポーズ切り替える時のオフショットみたいなところまで撮ってくれてて、自然な表情でめちゃくちゃ良かった)に感動。。。

サングラスなしバージョンで!の一声をかけられた瞬間

 あと、やっぱり二人とも背高い。私こんな状態に普段ならない。。。

私167cmあるんですけどね

 最後にクイズをして、あっという間の3時間だった。
 総じてとりママ友の会、雀荘デビューにめちゃくちゃおすすめ!クイズもあるからトーク聞けるし、麻雀そんなに打たないし、サインや写真撮影があって思い出になる。勇気を出して行って良かった。

【8月22日 マンツーマンレッスン@新橋ベルバード】


 麻雀牌に触りたい、基本を教えて欲しい、でも初心者教室は日程合わず……で途方に暮れていたところ、ありましたベルバードのマンツーマンレッスン。ちょうど息子がしょっちゅう体調を崩していていろいろ読めなかったので、前日にダメ元で申し込んだらなんとOK!開店前?のフリーのフロアで2時間みっちり教えてもらいました。

 講師は浦野プロ。贅沢すぎる。何を聞くかも決めていないまま、とりあえず打ってみましょうと言われ、打ちながら先生が気づいたところを教えてくださったり、浮かんだ疑問を次々聞いていったりして進んでいった。
 とりあえず手をまっすぐ進めることの大切さを、たぶんここで初めて実践を伴って理解する。この一度だけでは深く理解は出来ていなかったものの、本を読んだりふとっしーの配信を見たりして、その大切さを実感した。間違いなくベースはここで作られたと思う。

 慣れていないけどフリーは行ける程度だよ、大丈夫!と背中を押してもらってそのままフリーを3半荘。成績は全く覚えていないけれど、チョンボをやらかしても(謎にドラの6s4枚抱えたチートイもどきをアガろうとした)同卓の方も優しくて楽しく打てたのが本当に良かった。
 最後に初心者マークを買って、ほくほくで子どもをお迎えに行った。

裏側に推しからサインをもらうのが流行っているようで



【9月10日 まじょフェスGOLD@戸塚サロンウィル】


 これに味をしめた私は、勢いでまじょフェスにも申し込んだ。ゲストはもちろん滝沢さん。新橋よりも戸塚の方が行きやすく、昼開催でも頑張って帰れば夕飯も作って出せそうだったのもある。一応ハヤシライス作ってから行ったけど。

 仕事が佳境だったため、朝2時間ほど出勤してから向かった。途中横浜駅で中途半端に時間が余ったので、簡単にご飯でも…と思ったけれど、やっぱり緊張しすぎて食べられそうにない。じゃあ、今回のお土産は過去ツイにあったAesopのハンドソープ買っていこう!お店に一度入ってみたかったし!とお店に初突撃。自分のハンドクリームも買えてウキウキで戸塚に向かった。

いい匂いで職場にて大活躍中

 ここの雀卓は、配牌は自分で取るタイプ。これ、勉強が甘くて当日めちゃくちゃ混乱した。おかげさまでなのか、4半荘やって4424のブービー賞。上手い人と打つと躱したりダマにしたり、訳がわからないまま自分が放銃してしまう感じがして「ああ、もっとちゃんと勉強しなきゃダメだ」と思った。でもこの大会、ブービー賞はお言葉つきでサインが貰えたのでラッキーだった。笑

「のびしろしかない」を胸に頑張ってます

 ちなみにここも3半荘が終わった時にサインタイムがあり(なんと当日お店の方が撮った写真にサインを書いていただき、それをラミネート加工して渡してくれるという至れり尽くせりっぷり!)、ちょうど日曜の3時半頃だったので、私は列に並びながらスマホで競馬のメインレースを見ていた。

 そうしたら、なんと推しの富田暁騎手が重賞初制覇!!
(そろそろ引退する師匠の管理馬で、人気も全くない馬が逃げ切って勝った。1ヶ月くらい前には逃げの人気馬に乗っていたのに、積極的に行けず負けてしまった重賞があった。それを生かしてここで勝ったと思うと歓喜に咽び泣くオタク)

 震える私。ちょっと泣きそう、いや泣いてる。列は進み、そろそろ滝沢さんと対面タイム。え、克駿(推しのひとりで暁くんの親友の鮫島克駿騎手)とグータッチした?ブービー人気の単万だよね?単複だけで18000円くらい取れた?とまあ、頭の中ぐっちゃぐちゃ。笑
 どうにかして冷静さを取り戻し、いそいそとハンドソープを渡してサインを書いていただく。今回は名前を入れても大丈夫だったので「あずみでお願いします」と告げると「ああ、この間いらしてた…」ですって。

 あれ?私前回のサインの時、名前言ってなかったよね???

 とりママ友の会の後にXフォローしてくださって、それが頭の片隅にあったのかは分からないが(なにせ前回は同卓もせず普通にサインと写真で終わっていた)、この記憶力の良さ。もしくはちょっとカマかけたか。どちらにせよ、プロの営業の能力を感じて震えた。

 滝沢さん、イベントに来たファンにはXでタグ付けされたりするとちゃんといいねをくれるし、フォローまでしてくれる。(たまにリプも飛ばしていないのに、とんでもないツイにいいねがついて笑ってしまう)
 他の有名プロもそうなんだろうか。しかしずっと第一線にいるトッププロがそれする?と正直かなりびっくりした。それでいて、対面した時はあの対応。みんなが認める外見の良さに、麻雀の実力は言わずもがな、そして中身まで(むしろそっちの方が)イケメンときた。隙がないのかと思いきやだらしないところもあって、そこも愛嬌があって魅力的と。そりゃあみんな好きになるよね…。
 あと、対局中の姿をチラチラ見てたけど、背筋がぴんとして美しい。手つきは放送で見た通り綺麗だし、打っている姿だけで惚れ惚れする。同卓したら見惚れちゃう……と思っていたら、同卓は優先希望者で埋まっていて、あぶれた人は後で1局戦をやらせてもらえた。それはなんと対面だったので見放題!かと思いきや、余裕もないし綺麗すぎて見られませんでした!残念!!

 黒木さんのスーパースター列伝で「優しすぎる」と評されていたけれど、その優しさが全ての根底にあるんだろうなあと思う。何より、そう振る舞った方が良いということに思考を持っていける賢さと視野の広さ。総じて、とても聡明な人だと思った。

 大会自体もアットホームな感じで、常連さんも多いのに皆さんたくさん話してくれて楽しかった。もう少し身の回りが落ち着けば、普通に打ちに行きたい。

立ち姿まで美しいってどういうこと



【11月5日 ベルバードオフ会@新橋ベルバード】



 一度は言ってみたかったベルバードオフ会。
 ゲストはこの7名!

左から鈴木たろうプロ、堀慎吾プロ、松本吉弘プロ、浅見真紀プロ、鈴木優プロ、渡辺太プロ、醍醐大プロ

 たくさんの有名プロが集まり、誰かと絶対に同卓、プロをリーダーとするチーム戦。4半荘打つし、同卓もあるからとりママ友の会よりはハードル高め。でもやっぱり皆さん優しいし、点数も一緒に考えてくれるし、困ることは何もなかった。なんならとりパパが切った方が良い牌も教えてくれる。笑
 それに、メインはミニゲームという名のビッグゲームがメインなので、ポイントとか気負わず打てる。結果、4半荘で2214のギリマイナス。最後に松本さんと同卓したけど、そこで同卓の方にバンバン振り込んでメガラス引いた。笑
 個人的には、3半荘目でラスのまま迎えたオーラスで、『リーチ・ツモ・混一色・三暗刻・白・ドラ3・裏』で三倍満和了して逆転トップ取れたのがめちゃくちゃ嬉しかった!白中シャンポンでリーチ打ったので、頭の中は「白中堂々」の寿人さんでいっぱいだった。笑

6m切ってリーチしてたらチャンタもついていた激レアな和了(役を見逃していた)

 オフ会は所属チームか同卓プロに希望を出せるので、ドリブンズ二推しになった私は太チーム第一希望にしてチームふとっしーでした。
 リーダー、初ベルバードゲストで緊張気味。それを和ませようとイジる他のプロの方々。チームメイトもみんな優しい。その雰囲気もとても良き。とてもガッツ系ケチポイント節約雀士とは思えない可愛さ。(※12/21牌譜検討配信参照)

まじょフェスのときにちゃっかりサインもらったよ
おまつが描いたふとっしーwithふとしととりパパ

 サインタイムもほとんどの方にもらえて、写真も撮ってもらって大満足。醍醐さんは未就学児の二児の母であることを話すと「それは…よく今日来れたね」と子育ての先輩として労っていただけて一発で好きになったし、「前日の競馬(ファンタジーS)で大穴馬券を当てたのを堀さんに自慢する」という裏目標も達成できて、とても楽しかった!あと松本さん地元近くて、ローカル線の話をわかってもらえて嬉しかった。


おわりに


 麻雀にハマって半年でよくもまあこれだけ遊びに行けたな、と思う。都民じゃないし、幼い子どもは二人いるし、フルタイムで働いているし。
 それでも、先々に予定を立てて、そこに向けて仕事も育児も頑張るのが私には合っているし、すごく充実していたと思う。年明けも、1月21日のSMN CUPに申し込んである。タキヒサに岡崎くんに木原さん!楽しみで仕方ない。

 平日の夜も、子どもが寝てからはMリーグを見たり、麻雀格闘倶楽部や雀魂を打ったり、過去の対局アーカイブを見たりと麻雀漬けだった。ちょっとずつ理解を深めてはいるけれど、足りないところにわからないことだらけなので、まだまだ勉強したい。手積みの牌も買ってあるので、練習もしたい。時間が足りないなあ。

 最後に。
 確かに滝沢さんにはXアカウントをフォローしていただいている(イベントに来てくれた人へのお礼だと私は理解している)。麻雀プロ競輪部も、時間が合えばBGM代わりに流していて、時折雑談パートにチャットで紛れ込んだりもしている(チャリカが作れず、競輪は知識もないので、邪魔にならないようにそっと参加しているつもり)。
 しかし私の話し方がしつこくて悪いのだろう、滝沢さんは意外と些細な話題も覚えているよ……記憶力なんなん……
 なるべく不快にさせないよう、今後も応援させていただければと思います……!(自戒)


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