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目指しているもの

僕がなぜVRアプリを作りたいのか、VRアプリを通して目指したい将来、について少し詳しく書いてみようと思います。

なぜVRアプリを作りたいのか

中学3年生の頃の出来事が一番大きなきっかけになっているので、それらを書いていこうと思います。

1.プログラミングとの出会い

小学生の頃は時々出る読書感想文のためだけに死に物狂いで本を嫌々読んでいた自分でしたが、中学生になってからは何故か読書が面白くなってきて、月に2、3冊くらいは本を読むようになっていました。そんな中、中学3年生の時、僕のワクワクを掻き立てるような本に出会います。「Beatless」というSF小説でした。

舞台は100年後の日本。完全な人型ロボットにほとんどの仕事が取って代わられ、超知性を持つ人工知能が作り出されたこの世界で、主人公の少年はレイシアという少女の"かたち"をしたロボットに出会う。その日からというもの、彼の周りで次々と不可思議な事件が起こり、、、

というあらすじですが、実はこの本かなり長くて、1000ページ弱あったと思います。展開が目まぐるしく、とても面白かったのであまり長くは感じなかったですが、本を読んでいるうちにどんどんこの世界観に引き込まれていて、ある時自分もこんな未来の世界を作ってみたい!!と思い始めていました。

ということで本を読み終わった次の週くらいにプログラミングの本を買って勉強を始めてみました。当時はシャットダウンがギリギリできるくらいのパソコン音痴で、初めてのコードを実行するのになんと1か月ほどかかってしまいましたが、初めて実行できた時はすごく楽しくて、、、だんだんとゲームを作り始めたりと、受験と並行しながらプログラミングにのめり込んでいきました。


2.学校に行けない

受験期間に入ってからプログラミングを始めるという無駄に忙しいことをしていた自分でしたが、学校にいる間は受験勉強を気にしないようにしようという目標を掲げていました。いつもの友達と過ごす貴重な最後の1年を1日1日楽しんで過ごしたかったからです。

そんな自分でしたが、卒業の2か月ほど前になって突然学校に行けなくなる事態に陥ります。もともと喘息を持っていたのですが、それがその頃になって悪化してしまったため3週間ほど学校に行けなくなってしまいました。幸いにも喘息が悪化したころには、ダメ元で受けた推薦入試で合格することが出来ていたので、受験に影響することはありませんでした。

しかし当時、学校に行けない、もしかしたら卒業までもう中学の友達に会えないかもしれない、と思いながら生活するのはなかなか堪えたと思います。

そんな中、同じく推薦入試で合格していた友達が毎日のようにフォートナイトというオンラインゲームに誘ってくれたのは日々のちょっとした楽しみでした。学校には行けませんでしたが、「オンラインゲーム」という同じ空間に一緒に居て少し話すことが出来たのはとても嬉しかったです。


3.いくつかの問題点

そんな日々を数週間ほど送っていましたが、オンラインゲームで遊ぶことが完全に学校での日常を補ってくれるわけではありませんでした。

1つ目に、画面上で会っているのと直接会っているのではやはり距離感が違いました。直接会っていれば相手に触れることも、わずかな表情の違いを読み取ることもできますが、オンラインゲームではそれは叶いません。表情を読み取るならビデオ通話をすれば良いですが、それだと今度は同じ空間を共有する感覚は得られません。

2つ目に、同じ空間を共有といってもオンラインゲームではまだ不完全です。今いる場所の温度や湿度や天気、食べ物や飲み物、ほかの人の存在、などは共有できません。ぱっと見これらがあってもなくても変わらないようにも思えますが、自分だけが直接会えないという状況になるとこういう細かいところも気になってしまいます。

3つ目に、オンラインゲームで一緒に遊ぶのはいつまで続けられるのだろうという不安がありました。この時は友達と一緒に毎日遊ぶことが出来ていましたが、そんな生活をずっと続けられるわけではありません。お互いの生活があるので、常に毎日一緒にゲームをするわけにも行かなくなることもあるはずです。喘息が良くならず、しばらく続くことになれば、さすがに頻度を落とさざるを得なくなります。そんな不安を感じていたのは、オンラインゲームには「ゲームをする」「話す」という目的しかないからだと思います。もちろん、これらは立派な一つの目的ですが、ゲームをしない人にすればあまり関係のない目的ですし、本当に忙しくなれば優先順位が落ちるであろう目的でもあります。みんながオンラインでも現実と同じような生活ができたら面白いだろうな~と思っていました。

4.学校復帰

そんなことを考えていた在宅期間でしたが、なんと3週間ほどで喘息がだいぶ良くなり、学校に戻ることが出来るようになりました!!完全に6時間授業を受けられるようになったわけではありませんでしたが、少しでも行けるように回復したのは嬉しかったです。

で、やっぱり実際に会うと全然違いました。いつもオンラインゲームで遊んでいた人と会った時もやはりどこか懐かしいような、直接会えてすごくうれしいような、そんな印象を受けました。あまりオンラインゲームで遊んでいなかった友達に関してはもう話すことすらできないと思っていたので、もう会えてめっっっちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています!!

5.その後

幸いにも僕はこうして学校に復帰することができました。しかし、ほかにも入院生活が続いていたり家から出たくても様々な事情で出られない人はたくさんいます。そのような状況になってしまっても、普段と何ら変わらない日常をおくれる世界になれば良いなと思っていました。

そこで、じゃあ自分で作ろう!!と思うようになります。

中3の初めのころにプログラミングを始めていた僕は、勉強と実践さえすればどんなアプリでも自分で作れるはずだと信じていました。

高校では科学部に入り、2Dゲームを作って文化祭で子供たちに遊んでもらったり、競技プログラミングをして情報オリンピックなどに出場したり、3Dゲームを作るためのソフト"Unity"を扱ったりしました。また、高2のころにはオンラインでしたが留学を行い、ビジネスについての勉強をしたりもしました。仲間と一緒にVR事業をどうやって進めようかという議論もよく行っていました。

色々なことをやってきましたが、この活動の中でもいくつもの反省点がありました。これを書くと長くなってしまうので、機会があったらそれはまた別の記事にしてみようかと思います。

そして今は、新しく買った高スペックのパソコンにインストールしたUnreal Engineと、新しく買ったOculus Quest 2を使って実際にVR開発に臨んでいます。


目指しているもの

僕が目指しているのは、「病気など様々な理由で家や病院から出られない人でも、ありふれた日常を、そして当たり前の社会生活をおくれる世界」です。

これは、ただ単にVRの世界をリアリティあふれるものにするだけではありません。体調が優れなくても使いやすい、短期間でも楽しめる、周りの人も使ってくれる、「話す」「一緒にいる」以外にもこのアプリを使う理由を作る、、、などなど、見た目以外にも工夫したい点はたくさんあります。

現在は大手の会社が続々とメタバースに投資をするなど、ホットな市場となっています。それは同時に、リアリティを突き詰めるなどのお金のかかる方法では彼らに太刀打ちできないことを意味しています。ならば僕は、実際に自宅に一人で長く過ごしたり何週間か入院したりした経験から生まれる多くのアイデアをフルに活用して、僕の目指しているものを独自に作っていこうと思います!

ここまで読んでくださってありがとうございました。

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