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描き方を選ぶこと。

大学1年次に履修していた美術科教育法という授業で、白木蓮の鉛筆デッサンの課題が出ました。
私は描くスピードがとても遅かったので、描いているうちに花はみるみる枯れていきました。描くたびに花が変化するので、どの状態を描けばいいのかがわからず、消しては描いてを繰り返していました。(今考えると写真を撮って描けばよかったのですが。汗
目の前の生きてるものを見て描きたかったんだと思います。)
加えて私は筆圧を調整することが苦手で、描いた線が強すぎて消しゴムで消しても、線の跡がほとんど消えませんでした。

美術室で半泣きで描いていたら、同じ美術専攻の友人に
「全部の過程を描いたんだ。面白いね。」
と言われました。その時に
(あ、全部描いていいんだ。)
と思いました。

無理に一つの場面を描こうとして描けずに苦しかった状態から開放されたきっかけの作品でした。
描きやすい方法と描きたい気持ちが一致して固まると描くことは楽しくなるということがわかった、私にとっては大事な作品です。

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