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「ただいま」を言う場所

わたしは旅が好きで、よく旅に出る。
留学や移住で1年近く日本に帰らないこともあった。
何度も何度も旅に出るわたしが、いくつか自分に課している約束の一つに「ただいま」をしっかり言うことがある。

日本で待っている友達はもちろん、福岡で行く家族にも。

そして、もうひとつ、日本に戻ってくるときだけでなく、再び訪れる地でも、「ただいま」をいうことを欠かさないようにしている。

 

わたしももう立派なアラサーで、世間的にはいわゆる結婚適齢期dだ。

それでも、高校の友達、大学の同期…。周りの人がどんどん結婚している中、わたしは全くと言っていいほど結婚願望がない。そのことで特に焦ってはいないし、

でも、最近少しだけ自分の居場所が欲しいと思うことがある。
なにかあったときに帰りたいと思える場所。
なにかあったときに会いたいと思える人がいる場所。
それは結婚という形にこだわらずとも、なんなら別に特定の異性ではなく、気が置けない同性の友人だっていい。

この世界のどこかにそんな場所が欲しいなと思うことが少しだけ増えてきた。

 

「家族」の在り方にはあらゆる形があると思う。
結婚だけがすべてではなく、わたしを待ってくれている人を家族と呼んで、そんな人たちの待っている場所に「ただいま」を言いに帰るのもいいんじゃないかな。
負け惜しみなんて言われるかもしれなけれど、そんなことも思っている。

世界には帰る場所がたくさんある。

そう分かっただけで、この先も旅に出るのがすごく、すごく楽しみになる。

いろいろな家族の在り方。
そのひとつを、これからもわたしなりに模索していきたい。

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