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まあ、なんとなく④

生きる糧ってなんだろう

どうやったら彼は自ら行きたいって思えるんだろう。人にとっての生きる糧ってなんだろう。そんな風に考え始めた。私は彼の子供が出来たら彼は生きたいと少しでも思ってくれるのだろうか。もし、できるのであれば1人で育てるようになってもいいから彼の為に子供が出来てほしい、そんなことをふと思った。こんな軽率に考えていいようなことではないかもしれない。その後の子供のことまで考えていなかったとも思う。ただただ彼に生きる希望がほしいと思った。

刀根さん

癌の本をとにかく読み漁った。すると、癌を寛解したという刀根さんという人の本に出会った。しかも彼と同じ肺がんのステージ4だった。絶望の淵からの寛解までの経緯が書かれた本だった。是非、この人と話して欲しい!!!そう思って私はすぐに勝手に刀根さんという人に連絡を取った。事情を話すと話してもらえる機会をもらえた。彼に話すと絶対に嫌だと言いかねないと思ったので、私が勝手に日にちも設定して彼と話してもらえるようにセッティングをした。刀根さんとはzoomでのやりとりだった。どんな治療法があるのか細かく教えてくれた。そして遠隔治療をしているという怪しげな先生の紹介もされた。彼は絶対にしないだろうと思っていたが、なぜか遠隔治療もしたいと言ってすることになった。

怪しげな遠隔治療

zoomでその自称ヒーラーの先生とやらに遠隔治療をしてもらった彼。その怪しげな先生に霊体が3000万体ついてますねえと言われなんだかよくわからんが横になり治療をされていた。先生は彼になんか女性の生霊が一体ついてますねえ。心当たりありませんか?と聞いていた。彼がなんと答えていたのか忘れたが、ついでに私も治療をしてもらった。なんだかとても気が軽くなった気がしてめっちゃ軽くなりました!!ととても喜んだ。実際はよくわからなかったが、せっかくやっていただいたのでオーバーリアクションで感謝の気持ちを示した。

なんとなく食欲がねえなぁ

そんなこんなで彼とはちょこちょこと会っていた。私は居宅保育という家で子供をみる仕事ををしていた。その日私は全然食欲がなく職場にウィダーインゼリーしか持っていかなかった。ラッキーダイエットできるじゃんとか思いながら。するともう1人いた保育者のおば様に「なに?食欲ないの?!」と言われて、「はい、なんか食欲ないんですよねえ〜。」と答えると、おばさんが笑いながら「もしかして妊娠?!」と言って笑って言った。「まさか〜!!」と言って私も笑った。そのおばさまには母親代わりのようにいつも相談して彼の話を聞いてもらっていた。今考えると本当に周りに恵まれていた。こんな風に私に話を娘のことのように涙しながら聞いてくれるおばさまがこの頃3人もいてくれた。辛くなるといつも話を聞いてもらっていた。

流石になにか体調がおかしい

これはまじで妊娠したかもしれない…と思った。最速でわかる日にちが仕事ではあったが、気になってしょうがなく妊娠検査薬を買って仕事の合間を見てトイレに行って検査をした。するとやはり妊娠していた。

とにかく嬉しかった

妊娠がわかって速攻で友達に1番に連絡した。すると友達も喜んでくれた。私も泣きそうなくらいに嬉しかった。どうしようという不安は不思議と1mmもなかった。私は子宮の病気をしていたのでもしかしたら妊娠できない身体かもしれないとも思っていた。だから余計に嬉しさでいっぱいに満たされたあとにお腹にもう一つの命があるという不思議も感じた…。妊娠検査薬で陽性ではあったが彼には病院で見てもらってから伝えることにた。

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