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シングルマザーがバレリーナを育てるために使ったお金はいくら?

当時の年収は約230万円。

一般庶民のシングルマザーが、3人の子育てをしながらロシアバレエ留学の資金をどのようにやりくりしたのか、について誰よりも具体的な数字を公開します!

人間生活としては最低限ですので、参考にはしない方がいいと思います。


必要経費と割り切る

家賃と光熱費を差し引いて、そこから8割がバレエ代、残った生活費は月3万円でした。
ざっくり言うと1日に使える金額が1000円!

そんな生活できるの?はい…実際やっていました!

それでは、この時期にかかっていたバレエ費用を具体的に書いていきます。

1.レッスン代

ケチらないほうが良いと思うレッスン代。
レッスンはやはり大事だと思うので、子どもが学んでいく中で、年齢とともに回数も増えるでしょうし、必然的に値段が上がることは受け入れてきました。

我が家の場合ですが、4歳で習い始めの時は週1回で月謝6千円。
留学直前は月謝と個人レッスンで月4万円くらいだったと思います。
金額の上限を決めなければ、個人レッスンはいくらでも受けていい環境でしたがそこまでは予算が追い付かず断念。

2.発表会

毎年の場合、ケチれない上に相当家計を圧迫します。
参加費用はお教室によるところが大きいですが、相場感としては10万円といったところでしょうか。

分納方式の教室もあります。
分納は恥ずかしいなんて誰も思いませんので、そういう制度がある場合は利用してもいいと思います。
分納だと月々1万円×10回という感じでしょうか。

また、衣装代は別なので、出演する作品によって金額が変わります。
お教室の規模とか貸衣装屋さんとの繋がりにより値段はピンキリですので何とも言えないところですが、一回の発表会で2~3演目の出番が平均的かと思うと、1万円~1.5万円ほどだと思います。

また、男性ゲストへの謝礼…これは我が家は経験がないので聞いた話になりますが、5万~10万円が相場のようです。
ソリストは嬉しいような複雑な気持ちになりそうです。

そして、忘れちゃいけないのが発表会の写真です。
ほとんどの教室が、プロのカメラマンさんに依頼していることだと思います。
写真もケチりにくいポイントです💦

それでも、精一杯精査して何とか予算内に収めることが必至です。
あれもこれも、と気づくと何万円にもなってしまいますから、気を付けたいポイントです。
ただ、購入しておいて良かったな、と思うのも確かです。

プロの撮った美しい写真はいつまでも色あせず飾っておくことができますし、素敵な思い出になりますね!

3.消耗品

消耗品はネットショッピングで底値を把握してお買い物するのが、やはり知恵だと思います。
タイツを縫って使うのはデフォルトです。

シューズも親指が綻んでくるのを、縫いながら使っていました。
トゥシューズは、長女曰くつぶれているくらいの方が立ちやすいとのことで、一足一足が結構長持ちしてました。
リボンとゴムは当然ながら使いまわしです。

また、かわいいレオタードは見るとどうしても欲しくなりますので、オークションなどで安く買うようにしていました。
消耗品をいかに安く、そして安っぽくなく機能もしっかりしたものを購入するか、というスキルは結構重要かもしれませんが、これも楽しみながら身についていくと思います。

4.研修会

国内、海外ともに行かせてあげたいものは多々ありました。
こればかりは、財力と子どものやる気次第だと思います。
本人のやる気と親の財力が両方ないと意味のないものになってしまいます。

ただ、やる気があるのに行かせてあげられないなぁと思ったことが多かったので、ここに後悔として記録しておきます。
何が後悔かというと、やはり経験値を上げる機会を得られなかったことでしょうか。

バレエのみならず、様々な人や場所での経験でき得る事柄…例えば語学やコミュニケーションも重要かな、と思います。

特に、我が子の場合は学校も行けなかったので、当時の同世代のバレエ仲間と関わることができれば、もっと良い刺激を受けられたのではないかな~と思うんです。

ただ、これはもうシングルマザーにとっては、親が入念に情報を精査して、適切なものを選んでいくしかないですね。

多ければ良いというものでもないですし、少ない経験の中でたくさんの事を学ぶ力をつける、という発想の転換でやってみるのが良いのだと思います。

留学に関わる支出

続いて、ロシアのバレエ学校留学にかかった費用のまとめです。

今は制裁中で明らかに時代が違いますので、参考程度にまとめておきます。

レートも多少違いますね。
当時は1Rルーブルがほぼ2円でしたので(簡単に言うと2倍)日本円で100円のものがロシアでは50円、といった計算です。

1.留学

留学にかかる費用は学費、寮費、生活費、渡航費に分けられます。学費はおよそ90万円(注:同じロシア国内、他のバレエ学校では200万円というところもありますよ!)くらいを年に2回の分割払いができました。寮費は約5万円で年1回、4月ごろに請求がきて一括払いです。

その他、現地でのお小遣いで現金を少し持たせましたが、留学中はデビッドカードがとにかく便利です。

日本の口座に現金があればロシアで使った分が即座に引き落とされます。
どんな小さなスーパーでもカード決済ができますので、現金を持ち歩く必要がないのは安全です。

留学先によりますが、休みの度に頻繁に外食や買い物をしなければ、お小遣いはおやつ代ほどで済みます。
こればかりはお子さんによりますね。

我が家の場合は、ほとんど食費でしたが、年間でも円換算で3万円くらいでした。

また、当時は日本から荷物が送れたので、年に2回は食料や足りないものを送っていました。
送料は重さや大きさで違いますが、8千円~1万円くらいでした。
普段のネットショッピングで段ボールや緩衝材を取っておいて、ロシアに物を送るときに再利用していました。

2.渡航費

渡航費はバカにできません😢

4年間の留学中に燃油サーチャージ料の変動があったので、留学1年目の最安値の時で往復7万円でしたが、卒業時は最高値で14万円、なんと2倍になりました。

そして、留学生は2週間の冬休みと夏の一時帰国で年に2往復しますので、この金額の2倍が1年ごとにかかることになります。

ちなみに、今現在は直行便が無くなったため、経由地が2か所になり時間もお金もデフォルトでかかります。
昨夏の帰国時は、安い日を探して早めに予約したとはいえ、往復30万円でした。

おまけ:コロナ帰国時の特別会計

コロナ禍での強制帰国時、学校からオンラインレッスンをやっていただくことになった時、ある程度の広い場所の確保が必要でした。

そこで、レンタルスタジオを借りたのですが、1か月20万円という費用が掛かりました。
それを2ヶ月ですから、そのお金を支払う財力が当時の私にあったことは奇跡であり、コツコツと貯金していて本当に良かったと思った出来事でした。

貯金していたものは老後のためにと考えていたお金なのですが、その時で全て消えました。

でも、お金って循環させるものですよね!
貯めているばかりでは価値のないお金も、こうして娘の窮地を救うために使われたとなれば生きたお金になり、お金も喜んだことでしょう。

エージェント代

エージェントとは、適切な時期に出会って欲しいと思います。

なぜなら、留学や就職について具体的な決意ができていないと、一緒に前に進んでくれるサポートも中途半端なものになってしまうと思います。

こちらとしてはかなり費用が掛かるものですし、エージェント側もそれなりに時間を割いて手続きや交渉を行ってくれますので、着地点はお互いに実りのある有意義なものにできると最高ですよね。

1.留学援助のエージェント”A”

最初の相談や途中面談のお茶代3千円、オーデション撮影(場所代含)8万円、合格後の書類関係(翻訳代含)15万円、ロシア語レッスン10万円、エージェントの渡航費片道と滞在費15万円。

安いか高いか、ではなくもはや必要経費と捉えました。
コンクールに出続けてスカラをもらえる確率と、行きたい学校にピンポイントでエントリーすることを、ある時期から天秤にかけ始めます。

さっさとスカラをもらって留学できるなら良かったのですが、そうではないことの方がおそらく多いと思います。

エージェントとの出会いが重要と最初に書きましたが、娘のバレリーナとしての一歩を踏みさせたきっかけを作るのは、親主導くらいの気持ちでいいと思います。

2.就労援助のエージェント”B”

相談からすべて込みで30万円の定額制という、良心的で温かいロシア人の元バレエダンサー(現教師)のエージェントに、就職のお手伝いをしていただきました。

この方との出会いがなければ娘のバレリーナ人生は夢と消えていました。

サポート内容としては、バレエ団へのアプローチをかけて情報収集、進捗をオンラインで報告しながら就活の進め方を確認作業といったところです。

期間が短かかったこともあり、短期決戦でもたくさんの情報を集めてくださり、ロシア大使館やビザ関係の各所訪問のお手伝いしてくださいましたので、費用対効果はかなり良いと思いました。

親の経済力(お金)より必要なもの

一昔前なら、バレエを習える家庭は、医者か弁護士と言われていた時代もありました。
今は一般庶民も習える、門戸の広い習い事としして定着しているバレエですが、シングルマザーの一般庶民は、当時周りに誰もいませんでした。

そこで、必要なマインドはとにかく人と比べないことがどれだけできるか、なんですよね。

そして、できないことにフォーカスせず、今できることに集中して取り組む強い意志が親子にとって必要だと思います。

お金は、健康で働いていれば何とでもなります!
借金は残りますが、後悔は残りません😊

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