仕事をするうえで忘れたくないこと
いきなりだが、まずこれまでの仕事遍歴から話していきたい。私は今でこそフリーランスの編集ライターをやっているが、社会人になりたての頃は広告製作会社で進行管理の仕事をしていた。
進行管理とはクライアントと、デザイナーやライターなどのクリエイターの間に入って、スケジュールの調整や案件の進行状況を管理する仕事である。当時私はショッピングセンターのフリーペーパーやポスターの進行管理に携わっていて、カメラマンのアサインから撮影・デザインディレクション、ちょっとした企画出しまで担当させてもらった。
こうして文字にするとかっこいい仕事に見えるのだが、数十店舗(ときには数百店舗)のテナントと掲載内容に関してコミュニケーションを取るのが主な業務で、それはそれは泥臭い仕事だった。もう一回やれと言われても、絶対にやりたくない。
そんな苦しい時期があったからこそ、誰かの間に立つ仕事より、仕事を末端で請け負うライターの仕事に就きたいと思ったのかもしれない。ただライターになってみると末端の仕事は別の大変さがあって、それはそれで苦労するわけだが…、とにかくそのときはせっかくだからライターを目指してみようと次に小さな出版社に就職する。
そこでは雑誌の編集をメインに、ときにライティングの仕事をさせてもらっていた。一方で外部のデザイナーやライターとコミュニケーションをとったり、スケジュールを管理したりする業務は変わらず行なっていた。こうして考えてみると、約7年ほどディレクションや編集の業務に関わっていたのだ。
だからこそライターになった今気になるのだ、ディレクターの仕事ぶりが。特にフリーランスになりたての頃は、SEO記事を制作するようなWeb制作会社から仕事をいただいていたので、ディレクターと仕事をすることが多かった。
ここまでダラダラと書いて、やっと「#もの申す」わけだが、伝書鳩タイプのディレクターってどういうつもりで仕事してるんですか?
もう時効だと思うので(そのクライアントとはもう一切仕事してない)思い切って言うのだが…、クライアントからの指示も、ライターからの質問や提案も、ほとんど理解しないまま(していないように見える)丸投げするディレクターがいたのだ。しかも複数人(その会社の社風なのか?)。
私が進行管理や編集の仕事をしていたときは、そのまま丸投げするなんてことはあり得なかった。たとえば、クライアントから来た修正はちゃんと自分で理解したうえで、疑問点がある場合はクリエイターに投げる前にクライアントに確認しておく。来た修正をそのままクリエイターに投げたほうが早いと思う人もいるかもしれないが、結局クリエイターから質問があればかかる工数は変わらないのだ。というか自分が理解していない内容を人に渡すなんてそんな無責任な仕事は、私にはできない。
だが、伝書鳩が一概に悪いわけではない。たとえば初稿のデザインが上がってきたときに、クライアントからのオーダー以外の修正を過度に入れる行為は正直言って必要ないし、そこは伝書鳩でいいように思う。良し悪しを判断するのはクライアントだからだ。何か根拠があって修正を入れ、かつその修正内容についてクライアントを説得できる自信があるならいいと思う。提出してみて、「その修正はいらないから元に戻して」とクライアントに言われたら、二度手間になるし、データを余計に触る分、人的ミスのリスクが増える。
あまりに長くなって面倒くさいおばさん感が増しているのだが…(すみません)、とにかく間にいる人間はクライアントが求めるクオリティを維持しつつ、クリエイターが安心して働ける環境を整えることが大事なのだと思う。というかそうやって私は仕事をしてきたつもりだ。
だから何でもかんでも伝書鳩の人間を見ると「マージンもらってんだから、ちゃんと仕事しようぜ!」って思うのさ。本音はもう少し仕事しやすいようにしてくれよって話なんだけど。
まぁ、言うて私も進行管理をやってた1〜2年目はひどい仕事してたから、人のこと言えないんだけどね(笑)。私には指導してくれる先輩方がいたからよかったけど。今はまた編集の仕事もしてるから、初心を忘れずに頑張らなければと思う。
執筆:otaki
編集:アカ ヨシロウ
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