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スピッツの楽曲がモチーフになったアニメ作品

こんにちはAyumiです!
映画鑑賞が趣味で年間100作品以上を観ています。

今回は、石田祐康監督の初めての映画作品「陽なたのアオシグレ」を紹介します。映画作品といっても、17分の短編アニメです。

「陽なたのアオシグレ」あらすじ

本作品のあらすじは以下です。

内気な小学4年生の男の子・ヒナタは、同じクラスのおしとやかな女子・シグレちゃんのことが大好きで、日々シグレちゃんのことで妄想していた。そんなある日、シグレちゃんが転校することに・・・。

シグレちゃんに恋をした内気な少年・ヒナタが勇気を振り絞って告白する作品ですね。

■予告編はこちら

スピッツの楽曲がモチーフの作品

すでに存在する楽曲の歌詞が、構成の軸になっています。
本作品は、スピッツ「不思議」がモチーフです。

目と目で通じ合える 食べたい物とか
今好きな色は 緑色 雨上がり
絵になるスマイルが 僕に降りそそぐ
痛みを忘れた そよ風に だまされて

何なんだ? 恋のフシギ 生きた証
シャレたとこはまるで無いけれど
君で飛べる 君で飛ばす
はぐれ鳥追いかけていく

貝の中閉じこもる ことに命がけ
そんな日々が割れて まぶしかった 次の頁

ああベイビー!恋のフシギ さらにセットミーフリー
過ぎていったモロモロはもういいよ
わざとよける 不意にぶつかる
濡れた道を走っていく

何なんだ? 恋のフシギ 恋のブキミ
憧れていた場所じゃないけれど
君で飛べる 君を飛ばす
はぐれ鳥追いかけていく
恋のフシギ さらにセットミーフリー
過ぎていったモロモロはもういいよ
わざとよける 不意にぶつかる
濡れた道を走っていく
引用:Uta-Net

楽曲単体でも素晴らしいですが、アニメ作品と照らし合わせながら観ると一層深みが出ます。

「陽なたのアオシグレ」は気持ち悪い!?

(C)Studio Colorido

「陽なたのアオシグレ」と検索すると、気持ち悪いというワードが出ますが、私が観た感想ではそのような感情はありませんでした。

ヒナタくんの妄想が壮大過ぎてそう感じたのかな?といった印象です。

本作品は、前半がヒナタくんの「妄想」、後半が「行動」部分と分かれて構成されています。

内気なヒナタくんの妄想

(C)Studio Colorido

クラスのマドンナ的存在のシグレちゃんに恋をした少年・ヒナタは、彼女に話しかけることすらできず日々妄想をするばかり・・・。

あんなことやこんなことを想像しながら、幸せを感じています。

シグレちゃんは気さくな少女で、地味なヒナタくんに話かけるのですが、緊張で赤面し避けてしまうヒナタ。

「あ〜せっかくのチャンスなのに」と大人の私は思いますが、初めての恋は誰しもこんな感じではないでしょうか。あまりの純粋さに、がんばれ!とヒナタくんを応援したくなりました。

好きだからこそ話せないし避けてしまう

好き避けって言うんでしょうか。私も学生時代は、好きな人と対面で話すことができませんでした。

本当はもっと話したいのに、同じ空間に居たいのに緊張して、どうしようもなくてその場から離れてしまうことはよくありました。

だから、少年・ヒナタくんの気持ちはよくわかります。

ヒナタくんの必死の行動

(C)Studio Colorido

本作の見所は、挿入歌シーン4分半の部分です。

大好きなシグレちゃんが突然転校することになり、もう会えないことを悟ったヒナタくんは勇気を出して、告白をしようと行動を起こします。

後半部分の凄いところは、ヒナタくんのある種一方的な思いの強さが、スピード感のある描写で表現されているところです。

白鳥に乗ってシグレちゃんを追いかけるシーンは、ヒナタくんの「妄想」です。かなり現実離れしている描写ではあるのですが、気持ちがどんどん膨れ上がっていく様が上手く表現されています。

「妄想」が現実のヒナタくんを後押し、対面でまともに話すことさえもできなかった彼が最後、シグレちゃんに思いを伝えるまでに成長します。

妄想が現実と噛み合っていくこの描写が本作の魅力ですね。

内気なヒナタくんは「好き」と言えたのか?

(C)Studio Colorido

結論から言うと、「好きです」とは言えませんでした。

密かに書いていたシグレちゃんへの手紙を渡し「元気でね!」と一言伝えます。その安堵した表情が可愛らしく、ここで関係を終わらせないためのあえての言葉だったのかもしれません。

妄想でしか告白できなかったヒナタですが、目を見て話すことさえできなかった彼を考えると、立派な成長ではないでしょうか。

シグレの心の中で生き続けるヒナタ

引っ越した先で楽しく過ごすシグレは、時にヒナタのことを思い出し「いつか戻れたらな」と語ります。

いつかまた戻れるかな。あのヒナタくんはどうしているんだろう。おっちょこちょいで素敵な男の子だったな・・。

「好き」と言えなかったヒナタですが、シグレちゃんには気持ちは伝わっていたと思います。

内気で会話もできなかった少年が、勇気を出して見送りに来てくれたことは素直に嬉しいですし、心の中で良い思い出として残っているのです。


最後は成長したシグレちゃんが思いを馳せるシーンで終わっていますが、成長したヒナタくんも見たいですね。そして、2人が再会した時どう動くのかも気になります。

石田祐康監督にはぜひ続編を制作していただきたいです!!

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