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火の暮らしが教えてくれること

我が家の子どもたちは、5歳になったらお風呂焚き当番が回ってきます。初めから年齢を決めていたわけではありませんが、長男を見ていて、そろそろ大丈夫かな〜と思ったんだと思います。

ただ、火遊びはもっと小さい時からしていました。私がお風呂を焚いていたら横から薪をくべてみたり、マッチをすってみたり、小枝の先に火をつけてぐるぐる回してみたり、焚き火の燃え跡でおままごとをしてみたり。

日々の暮らしの中に火があるので、自然と火に興味が湧き、私たちのすることを真似ていました。

知らない人が見たら、ただの危ない火遊びと思われそうですが、生まれた時から親のそばで火を体感しているので、火との距離感や扱い方が自然と身についているようでした。

長男が5歳になった時、夫がお風呂焚きを教えました。火が燃えるためには何が必要か、どういう手順でつけるか。理屈が分かれば簡単につく、というわけではありません。何度も失敗して、煙たくて目がしみる思いをしながら体得していきます。

毎日入るお風呂。火がつかなければ、その日温かいお風呂には入れません。しかも、火がついても、ちょうどいい湯加減になるまで燃やし続け、更に熱くなりすぎずその湯加減がキープされるように少し熾火(薪が燃えた後の赤くなった炭火)を残す必要があります。しかも、薪の量はその日の外気や水の温度、浴槽に貯める水の量、薪の太さや樹種によっても変わってきます。うまくいかない日は、つけ始めから1時間以上かかってしまうこともあります。

お風呂1つ沸かすだけですが、火をつけてからお風呂に入れるようになるまでに、いろんなことに気を配ります。5歳から教わって体得するまでにかかる時間は、長男次男それぞれ違いますが、ただ1つ言えることは、ボタン1つでお風呂が沸く家にはない苦労を味わい、その苦労があるからこそ、うまくいった時の喜びや、家族に感謝される喜び、自分の働きが人の役に立つ喜び、1人でやり遂げた喜びを体感することができます。そしてその喜びが、次への原動力になります。

喜びが原動力になること。

それは、社会で生きていく上で、とても大切な感覚だなぁと思います。

今は次男がお風呂当番ですが、後1年したら末っ子の娘にバトンが渡されます。その時は、長男が次男に伝えたように、今度は次男が末っ子の娘に伝えます。自分が習ったこと、体得したことをどのように伝えるか、これもまた大きな学びになるでしょう。

火の暮らしは、子どもにとっても、大きな学びと生きる力をもたらしてくれています。

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