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比べることは悪いこと?


最近生来の活字中毒が再発して、いろんな育児本を読んでいます。
多くの本に共通して書かれていることのひとつに、「他人と我が子を比べるな」ということがあります。

「Aちゃんはもう自転車に乗れるのに、あなたは乗れないわね」とか、「Bちゃんはテストで100点だったのに、あなたは60点だったわね」とか、そういうのはもちろんダメだけれど、他の子を比較対象にすることに過敏になりすぎる必要はないと思います。
場合によっては、プラスに作用することもあります。
それは親ではなくて子ども自身が、自分とお友達を比べている場合です。

うちの長女はスイミングに通っているのですが、泳力によってクラス分けされています。
隔月検定があり、パスすると進級できます。
そうなると当然お友達同士で「Aちゃんは◎級だけど、Bちゃんはまだ△級」「Dちゃんは今回進級したけど、Gちゃんはだめだった」という話になります。

長女はわたし譲りか負けず嫌いなので、よく『○くんに負けたくない』とか『○くんより先に次の級になりたい』と言います。
他人と自分を比較した発言です。
これを、「そんなこと言わないで。○くんは○くん、あなたはあなたのペースでいいのよ。」と、諌めるべきでしょうか。


そういうご意見も理解できます。
それもありだとは、思います。
でも、わかるけど、負けて悔しい、負けたくない、勝ちたい、お友達に触発されてわたし負けないようにもがんばろうって思うのは、むしろいいことではないでしょうか。

ただ、スイミングは泳力を養うことが目的で、級が上がることはそのための目標のはずが、負けたくないあまりに進級が目的になって、合格するためならズルしてもいいとなったら問題です。

「30秒顔つけできたら合格」の級で「20秒しかできないから、合格するためになんとか10秒コーチの目をごまかそうとする」のはベクトルが間違っています。
それで仮にうまくごまかして合格できても、次の級では絶対ついていけないから、結局困るのは本人です。
「20秒しかできないから、30秒できるようにがんばろう」なら、ライバルの存在はとてもいいことです。

加えて言うなら、ライバルの失敗を願うとか、邪魔するのもベクトル違いです。
あの子が合格しなかったら、なにもしなくても自動的に自分が合格できるわけではありません。
ライバルの失敗=自分の成功ではないのです。
自分は自分でやることやらないと、合格できません。

本人の性格を考慮しつつ、ベクトルを間違えないようにサポートしていきたいです。

切磋琢磨してお互いを高め合うというのはすばらしい関係で、それを止める必要はないと思います。

「(同じ小学校からスイミングに通ってる)一年生の中で最初に◎級になれた!」と喜んでるのを、「他人と比較して喜ぶなんてダメよ」とやめさせる必要はないです。
うれしい気持ちはよくわかるし、自慢したいのもわかります。
お友達相手にいうのはよくないけれど、わたし相手にならいくらでも言っても構いません。

ただ、わたしまで同調してお友達と比較することはしないようにしています。
「○くんに勝ったね」とは、言いません。
「よかったね」とか、軽めに流して違う話に切り替えるようにしています。

まぁこれも場合によりけりで、本人がお友達と自分を比べて「自分はあの子よりダメだ」と落ち込んでいるなら、前述の『あなたはあなたのペースでいいのよ』と声をかけるべきだと思います。

結局のところ、育児本はあくまでひとつの指標にすぎないので、日々我が子をしっかり見つめて、その時々に合った対応をしていきたいです。

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