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ジンジャーブレッドマンクッキーの思い出

初めてジンジャーブレッドマンクッキーを食べたのは、
大学生の時だった。

中学からの親友が音大に通っていて、
彼女が学校の研修でイギリスに行ったとき、
お土産にくれたのがジンジャーブレッドマンクッキーだった。

可愛い!!!
でも、食べてみると

「ウワ!!!ナニコレ!!!」

15年以上前のことだけれど、
そんな反応をしてしまったことをしっかりと覚えている。


せっかく買ってきたくれたお土産だったこと
食べ物に対して失礼なことをしてしまったこと

私の中には罪悪感がずっと残って、
それ以来なんとなく、
ジンジャーブレッドマンを避ける人生を過ごしてきた。

“〇〇といえば!”なことが好きな私だけれど、
イギリスに行った時も、“イギリスといえば!”
なジンジャーブレッドマンクッキーに触れることはなかった。

それからまた数年が経ち、ついに今年、
私は初めてジンジャーブレッドマンクッキーを作る機会に恵まれた。

実は今年から、
月に1回みんなでオープンさせるカフェでクッキー作りを担当している。

クッキーの種類は月替わりで、
その月のカフェのテーマに沿ったクッキーを作っている。

11月の運営が終わると、一人のメンバーが
「来月はクリスマスだから、ジンジャーブレッドクッキーだね!」
と言った。

15年以上前の記憶が蘇り、
「ジンジャーブレットクッキーかあ…」
とほんの少しだけ憂鬱になった。

それでも、15年の時と経験を経ていろんな味に慣れた私は、
「スパイス好きだしな。やってみよう」
という気持ちに切り替えることができた。

早速作り方をネットで調べてみると、
本当にいろんなレシピが出てきて、どうやって作るかとても迷った。

本屋さんに行ってレシピ本を読みあさっても、同じ結果だった。
最終的に今回は、
“本場の味!”みたいなのを体験してほしい私を差し置いて、
みんなに美味しく食べてもらえそうな配合で作ることにした。

さらに、初めてのアイシング作りにも挑戦した。
アイシング自体を使ったことはあったけれど、
1から自分で作るのは初めてだった。
なんとなく、難しそうで…。

また少し渋っていると、
「せっかくなんだから出来る限りチャレンジした方がいいよ」
という後押しがあり、作ってみることにした。

実際に作ったクッキー生地は
“うわこれ絶対失敗する…”という触感だったけれど、
今までの経験を信じて自己流で修正。

アイシング作りは想像以上に簡単だった。
もちろん、硬さの調整や
絞り出してキレイに描く難しさの壁はあったけれど。

試行錯誤しながら出来上がったクッキーは、
たくさんの人に喜んでもらうことができたし、
私の中のジンジャーブレッドクッキーのあったかい思い出も増えた。

素敵な機会をくれた環境に感謝したい。


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