Spectrum Tokyo Design Fest 2022 参加レポート
ROUTE06でデザインマネージャーをしているクマノです。こんにちは。
この記事は2022/12/9~10の二日間で開催されたデザインフェスティバル「Spectrum Tokyo Design Fest 2022」の参加レポートとなります。
ちょっと長いです。
📆 Day One
入り口に待ち受けるシンエンくんが可愛かったです…!
💕 とにかく可愛いノベルティたち
トートバッグ・ステッカーは全員プレゼントで、
リングノート・コースター・タオル・鉛筆の4点のうち1点選ぶスタイルでした。
🍛 LUNCH
二日間とも、金沢のインネパレストランのアシルワードさんがガチ目のカレーをご用意してくださり、素晴らしいランチ体験でした。
会場に漂うスパイスの香り…そして本場のパスマティライス…まさかデザイン系のイベントで本格的なカレーを味わうとは知らずフェスらしさを感じることが出来て最高でした。
スポンサーブース
Create your own vector color font!
自分だけのベクターカラーフォントを作ろう
Glyphsでベクターカラーフォントを作成するワークショップに参加しました。
今回Gryphs 3をダウンロードして実施するワークショップで、Gryphsを初めて触る機会となりましたが、アプリケーションの使い心地もとても分かりやすく、またワークショップのUlrikeさんのスライドがとても可愛く制作のモチベも上がりました。
外食を支えるプロダクトを生み出す、顧客理解の追求
エキスパートレビューついて実際に経験したケース
顧客の「モーダルを出したい」という要望
本当にモーダルメニューを出すのが正しいのか?の検証を実施
直接顧客に話を聞きに行くというアクション
顧客自身が気づかないかもしれない憶測、知識、背景を情報として得ることが出来た
伝言ゲームにならないことがポイント
伝言ゲームでは要望の背景が読み取れない場合がある
見えないものを言語化できない、自分が本当に求めているものは理解できないという気づき
顧客理解の為には、泥臭く現場に足を運び、一次情報を読み取ってくることが大切
顧客への理解をブラックボックス化しない為に取り組んだこと
頭をのぞく(顧客のSNSを見る、CXのmtgに参加、会食参加)
環境を知る(導入店に行く、スタッフと話す、現場検証)
同じものを見る(顧客と同じ目線を、ツールで自分の目でセッションリプレイして観察、ユーザーが使っている他社のサービスを使ってみるなど)
+α、slackで洞察を発信し、自分より顧客理解している方からのフィードバックを得て、ズレを認識するようにした
実際に学びがあった事例
ユーザビリティテストで発見した現場の環境と制約についてサービスを利用するPCのスペック、サイズの違いなどを知り、一番の発見だったのは、顧客のITリテラシーの観点だった
スクロールする際にトラックパッドやマウスなどでデザイナーである我々は使うが、顧客はスクロールバーを掴んで動かしている
この発見から、UIとして横スクロールを無くす、要素の幅を小さくするなどのデザイン修正を実施した
頭をのぞく
店舗の月イチの定例に潜入して、発見した潜在的ニーズがある
実際に観察すると、顧客が認知できていない問題などが見えてきた
顧客が振り返る仕組みが作れていないなど、プロダクトで改善できることがあり、顧客も気づかない困りごとや負荷もあった
顧客理解を追求した結果得られたもの
工数の短縮
取捨選択の能力
顧客との関係の構築
AMA session
ヘルプページにGAを入れて顧客がどの操作を問い合わせる機会が多いのか観察分析した
ターゲット層が多い(企画、アルバイト、店長など、顧客の中でもユーザーそうが異なる)ことが、より観察することの重要性がある
プロダクトと並行して育てるデザインシステム
https://speakerdeck.com/makotoomura/a-design-system-growing-in-parallel-to-the-product
DMMのデザインシステムについてのセッション。
組織についてフロントエンドグループの中に二人デザイナーが所属されているのもなかなか興味深かったです。
業務システムのデザインの面白さ
自治体向けの業務システムについて取り組まれている株式会社Grafferの佐野さんのセッション。めちゃくちゃかっこよかったです…!
ユーザーの環境、ユーザーの業務フロー、ユーザーの心情・思考について知る必要がある
ユーザー理解、ドメイン理解についてこの分野の面白さは中に入るとめちゃくちゃ面白い
副業デザイナーによって急拡大させたハイブリッドなデザイン組織について
業務委託の方でも、パートナーとして事業推進できる
キャリアパス
相互に学び合う仕組み
キャリアを考えた時にどういうデザイナーになりたいのかマネージャーが認識するのが大事
各職種に対してJDがあり、それに必要なスキル、レベル感を分けて言語化
不定期で年に数回、マンスリーデザインカンファレンスを実施
評価やフィードバックではなく、リリースしたものを紹介してナレッジをシェアする
評価がないので心理的負荷が少ない
プロダクトデザインタスクのフロー
デザイナーのROIを最大化する
開発フローの改善
事業フェーズ毎のデザインの価値発揮
あまり型にはめすぎない、参考でいいよというDesign Dock
品質を担保することを目的として具体的なアクションを定義。やり方は任す
横断型のデザイン組織
デザイナーの為になるデザイナー
DA(Design Advocate)とは?
デザインプロセス自体をデザイン思考で改善できるのか考える仕事
Backend Design Design OpsではなくCommunity Ops
DPM(Design Program Manager)とDA
測ることができなくても、やる価値がある。
System thinking for life, design, and positive change
生活、デザイン、そしてポジティブな変化のためのシステムシンキング
ビーガンになった時の変化について
グリーンファイナンス
システムチェンジ。エレメントを変えない場合
あらゆるデザインブリーフはシステムチェンジに関わる
四つの原則
システムゴーグルを身につける
世界を見る時に狭い視野ではなく大局的に見てつながりを見る
未来のハガキを送る
世界とビジョンを共有する
あるべき姿のポジティブなビジョンを伝えることが大事
雪だるま効果
小さいところから始めて、勢いがついて大きくなっていく
システムチェンジも一緒
やること全部変えるのは凄くネガティブに聞こえる
月曜日いきなりビーガンになるのと言うのと一緒
ひとまずやってみることによって時間の経過とともに少しずつ大きくなるものをやっていこう
ちょっとこれ変えてみませんかという働きかけ
最終的に大きな変化を生んでいくことができる
システムを庭のように扱う
庭というのは一夜では出来ない
種を蒔いて水をあげ間引きしてどんどん大きくなる
プロダクトとしてはそれだけがソリューションではないのではないか
わざわざタイアップされてるお店に行きたくはない、オフィスで使いたい(kammekoの話)
kammekoではちょっとずつやった
社会的な環境問題を考えるときは一つのプロダクトでは達成できない
大きな勢いをつけるためには小さな雪だるまから始めるべき
小さなことでもそこからチェーンリアクションで大きな変化を生む
もっと包括的な、システム全体を変えて行こう
システムチェンジはビジョンチェンジ
ビジネスの文化や価値観を越境するプロダクトビジョン 〜 UIデザイン
やるコトのインプットから。やるコトの前後を知りたい。ドメインエキスパートに聞きながら明らかにする
私たちが求めるコトは?より情報量が増える
現在位置と向かいたい方向を決める。リソース全然足りない。成果は不確実。良さは人による。本当に求める成果を決めたい
何から決める?あるべきは人。どんな人がいるか。そこに対して何が出来るか。これが仮説(PMF)。その仮説がいかに確からしいか。
ヒトの解像度を上げるために(そもそもヒトがいなくてブルーオーシャン)ユーザーになりうる人にインタビューをしていく
ターゲットを探る。ビジネスロジックとしてはターゲットを見据えて動いてく。規模感や目標をヒアリングしていく
それだけでわからないこと。その人が置かれている状況。ステークホルダーマップを可視化。役割と期待をメンバーと共有
どういうときにどういうものを求めるか、どのあたりの品質を求めてるのかメンバーと定義していく。
PdMとエンジニアの6人のチーム
仮説の接合。何を求めていそうで何を提供できそうか。インタビューや仮説検証を繰り返す。足りないことを可視化。
プロダクトマネジメントの4階層
コアなどプロットして足りないことを可視化。whyに立ち返ったり。アジャイルにHOWへ落とし込む。意識的に蛇行させて探索する。足りない仮説精度を高める。調査設計でヒトの深掘り。
ファンクションマップをプロットして聞きたいことはここだよねと明らかにしてインタビューに挑む
どうしてその思考にいったのかの背景など憶測してインタビューに挑む
インタビューではこちらが聞きたいことを聞く場ではなく、相手の話をきく
合いそうな仮説があれば。ニーズではなく価値や思考条件。打算的ではなく、やらないと分からない。アジャイルなアプローチ。
もっと中長期で考えること。ビジネスはどうなっていく?
追うべきは良いと思う原因となるような選考指標に繋がるような体験
体験(ヒト✖️コト)とビジネスの接続、成長循環
デリバリーもフェーズは区切るが、常に狙いを改めて考えていた
MVP、都度都度狙いを明らかにして進めていく
アジャイルにUIをつくることを誤解しない。
最小限で機能するし、その中で使いやすくするのがMVP
いかに早くテスト可能なものを作るか。使ってみないと愛せるかわからない
インクリメンタルに設計する。イテレーションを回しながら拡充していく。都度固まった範囲で設計していく。
その都度の最適解を探しながら作るのは一人では無理なのでチームで取り組む。
もっと長期的に。将来どんな世界を実現するんだろうか。どんな世界になると良さそうか。
チームメンバーの中にある理想を時間軸でプロットし、ビジョンを可視化
求められることと提供できることを繋げる。価値で繋ぐ。価値に対してビジョンを描く。
どんな物語でその世界を実現するのか、ありたい姿を考える。
フレームに出たものを当てはめて存在を定義しビジョンを具体化する
何が足りないのか?ユーザーの事は考えていたが、マネジメントや専門家の視点が足りないかも。足りない視点について見える人に聞きにいく
概念をビジュアルに落とし込む。ビジュアルでも考える。ゲームや映画のコンセプトビジュアルを参考に考えた。プロダクトビジョン
The Designer in the Mirror: A look behind the process of publishing a design portfolio
デザイナーとしての自分を見つめる:ポートフォリオ作成プロセスの裏側
ポートフォリオを作る時に必要なものは、意図を持つということ
自分自身を評価するのは難しいこと。同時に楽しい事
★ポートフォリオを作成する時の、パニックにならないためのリスト
枠組みを作る前に内容をよく考えて
内容もデザインしないといけないよ
皆さんに知って欲しいストーリーを、書く
かっこいいグラフィックをつくるところからではなく、シンプルに文章を書く
そのあとで補足をしていく
何を使って表現するのか
中身が大事だということ
選び取る前に全てのプロジェクトを、まとめる
やりたいことがポートフォリオに入ってることが大事
意図的に選び取ってポートフォリオに入れていく
ポートフォリオを更新する習慣をつける
これは、あなた自身のポートフォリオです
自分がこのポートフォリオが一番価値が提供できると信じられればいい
自分自身を表現できているか
小さいところからスタートし、少しずつ改善していく
完璧なポートフォリオはないからです
自分の個性を表せるものを作って、そのプロセスを楽しんで。
1人で作ることはない、友達と一緒に作る
写真を撮ってもらったり、レビューしてもらったり
思い出もできる
📆 Day Two
リサーチの前に詩を描く
- 日本語の特性を活かしたMyデザイン思考 -
デザイン思考のつまづき。本当に役に立つのか?
「デンマーク後でつくられていた(デンマークの母国語で作られていた、ということがポイント)」、デザイン思考を補助するツールキット・応用したツールキットを生み出していた。
日本語について。必要な語彙数は約10,000後で構造は主語と述語の関係は「曖昧」、ハイコンテキスト文化(文脈依存)な利用状況。
Narrative Mode / Paradigmatic Mode
Narrative Modeは「物語」で考える・伝える・捉える
Paradigmatic Modeは「論理」で考える・伝える・捉える。
日本語はNarrative Mode。
鳥居と神様の関係。日本は明確な境界線がない。
教会は内側が明らかな聖域。
庭をとっても、枯山水などの日本の庭は自然を捉えていく。
ウィリアム・モリスは絵と文字のエリアを区切っている。
日本の有名な絵は、絵の上に文字を置いている。
西欧においては絵も文字も明確に別なもの。
日本文化と西欧文化の違い。日本文化は曖昧を許容しやすい。
日本人は日本語をつかって「曖昧で情緒的」に世界を捉えている
こんなにも世界の捉え方が違うのに、同じデザイン思考でいいのか?
曖昧・情緒・記号化・意味付け
①作り出す、②アイデアを出す、③分けて比べる、④探して集める
最初にリサーチと分けると、日本語は分けるのが苦手だから、①の方からいくのが得意な言語(なんだろう、からスタートする)
観察、列挙
作ったものを終わったあとに言語化して、何の課題があったのか逆回転。
絵で伝える
DSCL METHOD CARD
My デザイン思考
創造的衝動と本物の情熱:一番最初に作らないといけないもの
世界観は自分を主体に置く。
デザイン組織のヴィジョンの策定が組織サーベイの数値にも現れている。
ヴィジョンは結局詩。
From The Outside : Experience as Foreigner Designing for Japanese Audience
外から見た日本:外国人が日本のユーザーに向けてデザインしてみた
日本語は縦に読む
グリッドも日本人は縦に読む
日本人は不確実性の回避をしたい
様々なリスクを調べ上げてからプロジェクトをスタートさせる
長い文章は要らないのでは?は却下
空白は情報が足りないと日本では思われる
信頼が足りないと見られる
色も特徴的
赤はハッピーな色、青はNGな色
西欧と異なる
赤はハイライトされてしまう
何が重要なのかのヒエラルキーが分からなくなってしまう
日本人はみんな名前が5、6文字でそれ前提でデザインされているが、名前が20文字以上入力出来ずに顧客を失う場面もある。
コードでデザインをするということ
デザインエンジニアの谷 拓樹さんのセッション。
AMA初めて手を挙げさせていただきました…!優しいお返事ありがとうございました🙏
CONTENT IS LIKE WATER
コードはデザインのためのデザインを作ることができる
デザインシステムからそのプロダクトや企業の思想を読み取ることができる
AMA: 推しのデザインシステムは?
Answer: ギフガフ
レガシーな環境であることをコラージュ、アーティスティックで表現している。
逆に硬派にSEOに効果的なライティング、9歳でも分かるライティングなどもコンテンツとして持っていてバランスがいい
Brush, Ink & Code – The Making of a Font
Day Oneのワークショップでもお話されていたLiebeFontsのタイプデザイナー、Ulrike Rauschさんのセッション。
Open Type Featuresについて
いかに手書きに見せるか
連続した同じ文字をバラバラな書き口で表現する方法
(LiebeFontsのフォントはKFCで利用されているらしいです!)
リガチャ / スタックリガチャー
cssでもできる(下記で確認できる)
fontdrop.info
wakamaifondue.com
"Designing" teams and organisations
チームや組織を「デザインする」ということ
プロダクトが失敗したとき、誰が責任を負うのか?
失敗の要因
アライメントが不明瞭
サイロ化
縦割
変化への確認不足
プロダクト主導の考え方の欠如
多くの企業がプロセスやプロジェクトにフォーカスを当てがち
Make Lean Change
ともに作り、ともに学んでいくこと
Designとは?
意図ということ
定義すること
体験を定義
どのように同じ方向を向いて実行していくのか
マインドセット
早期に価値を提供する
継続的に学ぶ
密なコラボレーション
コラボレーションできる環境を作ってあげることが大切
pre-project
プロジェクトが始まる前に
必要悪でもある
効果的なキックオフが必要
minneのブランドを反映したイラストができるまで
GMOペパボのミンネのシニアデザイナー、まいどんさんのセッション。
ブランディングはなぜ大切?
体験の一貫性をつくらるから
資産になるから
複利を生むから
イラストのリデザインのポイント
頭身のバランス
顔の向き
体の輪郭
ポーズ
コントラポスト
片足に重心をかけて立っている姿
アルカイックスマイル
コントラポストで表情がいらなくなった
ブランディングが企業やプロダクトの価値を高めるということを理解している会社は強い
下記のnoteにセッションの詳細をアップされています…!振り返りが捗るので助かります…!
「銀行らしくない銀行」ができるまで
デザインには組織を変える力がある
要件が決まり過ぎてるとデザインの自由度が減る
ビジネスサイドの意見で体験設計がされてしまう
要件が決まる前にアラを探して逆提案
ちゃんと怒られる
デザイナーのプレゼンスを上げることが良い影響を与えることが多い
AMAのタイミングでみんなの銀行のゲキカワステッカーいただけました、ありがとうございました…!
「つくりたい体験」からはじめるプロダクトデザイン
解決したい課題に合わせた機能を盛り込んでいくと埋もれてしまいがち
それによりユーザーに届けたい価値が届けなくなることがある
作りたい体験から考える
プロダクトを作る事でどんな世界になるのか、使う人にどんな変化が起きるのか
作りたい体験があることで、その体験に基づいてデザインも作ることができる
それによりユーザーに愛される唯一無二のプロダクトになるのではないか
ユーザーの体験を確認して作りたい体験が達成できているのか確認
hidaneは一般公開の前に1000人以上のユーザーにユーザーテストをしていた。
さいごに
全体を通して。
登壇や参加されたデザイナーの方々が物凄く泥臭く仕事をされていて、且つそれぞれの主戦場で力を注いでいる様子が垣間見ることができ最高でした。
デザイナーの全然キラキラしていない箇所にフォーカスを当てることで本音や躓き、這い上がる姿をセッションやAMAだけでなく、初めましての方とお話しする交流の場でも見ることが出来ました。
主宰であるFlying Penguinsの三瓶さんとも、この「キラキラしてない部分」が見たいんだよ、というお話を直接お伺い出来たので納得感はより一層高まり腹落ちしたのでした。
初回の開催とは思えないほど物凄く安定したイベントでスタッフや司会していただいていたデザイナーの方々の手腕も素晴らしく安心して楽しめました。
また次回開催されると良いな...!と感じています。
とても楽しい場を提供していただきありがとうございました!!
また皆さんとお会いできることを願っています。
🍬おまけ
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