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シリーズ「絶滅危惧種:小児分野の言語聴覚士」

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なぜ小児を見てくれる言語聴覚士となかなか出会えないのだろう……。そんな疑問から生まれた言語聴覚士(ST)に関する連載です。現役の言語聴覚士さんや言語聴覚士に関連する団体、支援を受… もっと読む
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2022年9月の記事一覧

発語の有無よりもまず「生活」に目を向けて。【Vol.1】言語聴覚士たなはるさん

言語聴覚士。ことばによるコミュニケーションに難がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職である。 小さな子どもをもつ親は「子どもがなかなか言葉を話さない」「特定の発音が難しい」など、言語発達に課題や不安を感じたとき、彼らの支援を受けたくなるだろう。 しかし残念ながら、生活圏内でアクセスできる小児分野の言語聴覚士は非常に少ない。 そこでこの連載では、小児分野の言語聴覚士やその育成に関わる方に話を伺い、子どもの言語発達に関するトピックや、

小児専門の言語聴覚士の存在を広めたい話

フリーライター・編集者の金指(かなさし)です。 突然ですが、人はいつどうやって話せるようになるのでしょうか。 私は子どもをもつまで、言語機能獲得の過程をあまり深く考えたことがありませんでした。 きっと生まれてちょっとしたら、周囲の人々の言葉を聞いて、自然に覚えて話すようになるんだろうな。 そして幼稚園に行くような年齢になったら、いっちょ前にスラスラと会話できるようになるのかな。なんて思っていました。 しかし、甘かった。 うちの子は1歳半になっても、あいまいな単語が出る