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猫に癒されながら過ごす1週間|油絵|家ランチ|我が家の定番ごはん|Vlog #4

働き方を変えたことで、昔よりも安定した収入では無くなった。でも、昔よりも心が軽いのは何故だろう。

#4 猫に癒されながら過ごす1週間|油絵|家ランチ|我が家の定番ごはん

YouTubeに新しい動画を投稿しました。

今回の動画では一週間の日常を紹介しています。普段のご飯作りや、油絵で絵を描いたり、友人を自宅に招いてお昼ご飯を作ったり、ひたすら猫たちに癒されてみたり。

暮らしを楽しむことの素晴らしさや、日常にある幸せな瞬間を撮影してみました。動画内でお仕事のことにも少し触れています。何故わたしが今の暮らしを選んだか、noteに残しておこうと思います。

物に溢れた我が家、安全地帯はベットの上

数年前まで私にとっての我が家は、「ただ寝る場所」「荷物をしまう場所」だった。

観光業をしていた頃は仕事で外泊することも多かったし、その他の職に就いていた時も、外に出たくてたまらなかった。

しょっちゅう飲みに出ては、遅くまで友人と遊び歩いたり、行きつけのバーで時間を潰したり、飲みに出ない時も、カフェに閉店まで残っては仕事の勉強をしたり、そんな日々を過ごしていた。

実家にいた頃の私は汚部屋住人で「いつか一人暮らしをしたら、この生活だって自然に変わるはず。」そんな風に思っていた。

けれど、実際に一人暮らしをしてみたらどうだろう。人間はそんなにすぐに変わらない。1K8畳の我が家は見事に汚部屋住人の予備軍だった。

ゴミ出しのタイミングまで溜め込む、袋いっぱいのペットボトル。何故か絶対邪魔になるであろう床の上にある、ドライヤーとヘアアイロン。

急いで準備をしたまま開けっぱなしの洋服棚と、選抜隊に入らなかった洋服たち。

せめて化粧だけは落とそうと必死さが伝わる使用済みコットンが悲しげに放置されていた。

そんな時でも何故かベットの上だけは綺麗で、長く連れ添った猫も、私自身も、その場所だけが安全地帯だと理解していた。

出張族の私に訪れた暗黒時代のはじまり

誰の人生にも必ず、暗く沈む時期が訪れる。私も例外ではなかった。

まずは3年お付き合いした彼との別れが訪れた。

彼の家族とも仲が良くて、漠然と「このまま結婚するのかな〜。」なんて思っていた。よく喧嘩もしたけれど、それも絆の深さ!なんて思っていた時もあった。

ある日いつもの喧嘩は修復されず、別れを迎える。受け入れられない私は「友達のままでいいから!」なんて縋ってしまった。

その結果、最終的に訪れたのは「もう会えない。俺、本気で好きな人ができた。」ありがちな結末。(その彼女とはその2年後、結婚したそう。)

そこからは、ぽっかり空いてしまった心の穴を埋めるように、華やかな暮らしをした。

仕事に恋愛に自分磨き、忙しくても満たされない日々

汚部屋住人の私は外面だけは綺麗だったと思う。時間やお金が出来れば、洋服や化粧品、美容などに沢山お金を掛けていたし、飲みに出れば隣の人がどんな相手であろうと、愛想良くしていた。

「20代 女性 ブランド財布」でGoogle検索をし、流行っているであろうブランドの財布を買っては、眺めてみたり。

仕事では常に上にいたいと願ったし、恋愛ではとにかく相手に嫌われたくないと願った。自分の嫌いな外見はとにかく隠そうとした。

仕事に、恋に、お洒落に、美容に、忙しい。そんな自分にどこか安心していて、それが女として生きている楽しさ!とさえ思っていた。

もちろん、それを楽しむことは素晴らしい。けれど、生きていくには「それ以外」がとても大切で、必要なんだと今では思う。

本当に大切ことこそ、気づけない

外面だけ良い当時の私は、何をしても埋まらないものを、何かに依存することで埋めようとした。

とにかく仕事を詰め込んで仕事で満足感を得ようとしたり、当時好きだった相手に尽くすことで、自分は完璧なんだと思い込むようにしたり。

当然そんなものが上手くいくわけもなく、仕事の壁を乗り越える前に体調を崩してしまい、傷つけ合うような恋愛は終わりを告げた。

それからはギリギリに張り詰めた何かを、必死で抑え込む日々が続いた。毎日廃人のように仕事をして、何が間違いだったのかをひたすら自分に問いかける毎日。


そしてある日、長年連れ添った猫が死んだ。腎不全だった。

気づいた時には、物凄い速さで年老いていた。

病院に連れて行った時には「もう長くはないです。延命治療も出来ますが、治療費も掛かりますし、飼い主さんも、猫ちゃんも辛いかもしれません。」そう言われた。

16年の歳月連れ添った家族の寿命がもうすぐ尽きる、その時になってやっと、「家で待つ家族の大切さ」が胸に突き刺さった。

あんなに何もないと思っていた我が家には確かに大切な家族がいたんだ。雑多な家の中に、たしかに存在していた事を思い知らされる。

わがままな私は「延命治療でも介護でも看護でもなんでも来い!」そう気合いを入れて、彼の人生初になるおむつデビューを見届け、仕事に励む。

そんな飼い主の気持ちを知ってか知らずか、16年連れ添った猫は、ぽっくり天国に行ってしまった。

心のどこかで思っていた「きっとこの先も長く一緒にいられる」という希望は呆気なく散った。またしても間違えた。一緒にいられる時間を手放してしまった。

そこからはダムが決壊するように、心と体が崩れた。

過敏性腸症候群が始まり、適応障害と診断された。心療内科に通院しては、目だけ笑っていない医師の前で、ただひたすら泣いた。本当に溜めていたダムの水が溢れ出すように、涙は止まらない。

腹痛と下痢もひどい。電車通勤も車通勤もできない。休職して退職して、転職して休職して退職してを繰り返す日々を送る。

あんなに仕事も恋愛も無理をできていたのに、それ以上の無理ができる余力が、当時の私には少しも残っていなかった。

前ばかり見ていた私は、手元にあったもっと大切なものに気づくことができていなかったらしい。

1K8畳の我が家には、見事に汚部屋と私だけが残った。

時間と心に余白のある暮らし

その後たくさんの出逢いや人々のおかげで今も生きることができている。本当はあの時期に死んでいたかもしれない。

それからは、何気なく過ごす日常を大切にしたいという気持ちが強くなった。

心と体の健康がとても大切で、今一緒に過ごしている家族との時間が何より大切で、小さな幸せの積み重ねを感じることができる、この暮らしがとても愛おしい。

朝起きたら家族に「おはよう、今日も大好きだよ」と伝える。白湯を飲んで瞑想とヨガをする。

散歩に出て季節の変化を五感で感じる。仕事の休憩に家事をしたり、自分のために簡単な料理を作り、少し苦手な納豆も食べる。

家の掃除が苦手な私は、物を減らして、大切なものだけを残した。

生きる理由をくれた家族
簡単でも自分のためのご自愛ご飯

少し優しくなった日々の中で生まれた「心の余白」で、地球に優しい暮らしを少し取り入れてみたり。

ご近所さんに野菜をいただいたり、小さな畑を作って自分で野菜を育てたり、おにぎりを握って水筒を持ち歩いたり。

自宅に友人を招いておもてなしをしてみたり。たまに食べるジャンキーなフードや、お洒落なランチも、昔よりも幸せ度が増したせいか、頻繁には食べなくなった。

ご近所さんからいただく野菜
友人を招いて一緒にランチ会

大丈夫、あなたは幸せになる

昔よりも収入は安定していない。必要以上に着飾ることもなくなって、洋服や化粧品を買う回数は減った。

格安アパートからさらに格安のボロボロな家に越した。けれど自分でDIYした我が家はどんな家よりもカッコいいと思う。

肌は人生で一番綺麗だし、心は満たされていて、笑顔が素敵だねと言われることが増えた。

引っ越し当初の我が家。ネズミの穴も空いていた。
ひたすらトイレの壁を塗る
天井から壁はペンキ、床はフローリングシートを貼る
現在の我が家

たくさんの出逢いの中でヨガを知りインストラクターにもなった。仕事や暮らし、価値観さえも大きく変わった。

最近では絵本作家になるという新しい夢もできた。子供の頃から大好きだった絵本で、自分の経験から学んだことを、子供や大人の心に寄り添う形として届ける生き方をしてみたい。

まだまだ変わらないところも沢山あるけれど、それでもあの頃の私に胸を張って言えると思う。


「大丈夫、あなたは幸せになる。」



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