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トレハロースに気をつけろ

和菓子やパン、ジュースに健康食品…

ラベルを見ると、意外と何にでも入っている
食品添加物「トレハロース」。

一応、原料は
とうもろこしやジャガイモのでんぷんなので
天然の糖質と言われていますが、
私はこの類の糖質について、
たとえ天然と言われていても
基本摂らないようにしています。

なぜ摂らないのか?
トレハロースについて詳しく見ていきながら
理由を述べていきたいと思います。


トレハロースって何?

トレハロースは元々、
動植物の細胞内にも存在する天然の糖質。

身近な食材で言うと、
きのこや海藻類、えび、酵母など。
私たちの普段の生活で
馴染みのある多くの食品に含まれています。

糖質の分類としては
ブドウ糖とフルクトースが結合してできた二糖類。

なので、化学的に合成して作られる
いわゆる「人工甘味料ではない」という立ち位置。
正式には「糖アルコール」にあたります。

ちなみに、
昔から自然界に存在していたトレハロースですが、
なかなか効率の良い抽出方法が見つからなかったこと、
さらには高価だったことから、
一般的に食品用として利用はされてこなかったそうです。

岡山県の株式会社 林原という日本企業
(現在の社名はナガセヴィータ)が
トレハロース生成酵素を産生する微生物を発見したことで
デンプンからの安価な大量生産技術が
確立されたことによって
現在のように幅広く使われるようになりました。
国内では1995年から食品添加物として販売されています。
なので、添加物としての歴史は意外と浅いです。

原料は前述した通り
とうもろこしやジャガイモなどのでんぷんから
作られていますが、
遺伝子組み換え食品かどうかが心配なところ。

使われているのが
・とうもろこし
・ジャガイモ
と聞いたら、
「遺伝子組み換え食品では?」と
一番に頭に浮かぶ。

無添加意識の高い人は
気にせずにはいられない
ポイントの一つですね。

ここについては表示義務がないため
明確には分かりませんが
大量生産の観点から、恐らく
遺伝子組み換え食品を使用しての
製造ではないかと言われています。

トレハロースと砂糖との違い

トレハロースと砂糖には原材料と甘さに大きな違いがあります。

【原材料】
砂糖:サトウキビ、甜菜など
トレハロース:とうもろこしやジャガイモのデンプン

【甘味】
トレハロースは砂糖の45%の甘みしかありません。
そのため、甘味が後を引かず、上品でやわらかな甘味が特徴。
甘味を抑えたお菓子やパンに使用されます。

トレハロースのメリットとは

・デンプンの老化を遅らせる
お餅とかパンって、時間を置くと固くなったり、パサパサになりますが
トレハロースには、デンプンの老化を抑える効果があるので、固くなりにくく柔らかい食感を長時間キープすることができます。

・タンパク質の変性を抑制する
卵や牛乳などタンパク質を含む食品は、加熱した際に熱変性を起こし固くなる性質がありますが、その性質を抑える効果があります。
そのため、だし巻き卵やスクランブルエッグなどはふっくら半熟に、プリンはなめらかな食感に仕上げることができるんです。

・水分を保つ
保水性があるため、乾燥を防ぎ、食品のしっとり感を保持できます。
大福の餅がしっとりもちもちなのは、トレハロースのおかげだったりします。

・風味の劣化を抑える
トレハロースには実は油の劣化を抑える効果もあり、焼き菓子などが油臭くなるのを防ぐ働きも。保存中の風味を保ってくれるという側面もあるんです。

・茶色くなるのを防ぐ
パンケーキなどを焼いた時に、糖とアミノ酸が反応して褐色になる現象をメイラード反応と言いますが、トレハロースは砂糖と比べてこのメイラード反応が起こりにくく、加熱をしても焼き色が付きにくいのが特徴です。

・パリパリ食感を出す
砂糖を水に溶かした液を煮詰めていくと、ガラス化して硬くなります。トレハロースの場合、低い温度で硬くなるため、飴やクッキーなどにかけるとパリパリとした食感を出すことができます。

使用されている主な食品

以下の食品に含まれています。
・パン
・焼き菓子
・飴
・ゼリー
・大福、餅、団子
・惣菜
・ジャム
・レトルト食品
・冷凍食品
・ジュース
・コンビニのおにぎり など

トレハロースは他の甘味料との相性も良く、素材の味を引き立ててくれるため、パンやお菓子などに多く使用されています。

消化・吸収のメカニズムは?

トレハロースは、小腸でブドウ糖に分解されて吸収されます。
この分解を行うのがトレハローゼという腸内の酵素。
この酵素の産生量には個人差がありますが、一度に大量に摂るとお腹が緩くなることがあるようです。これはあくまで一過性のものであって、身体に害があるわけではないのですが、トレハラーゼ欠損症の人は体内で分解できないため、少量でもお腹が緩くなりやすい可能性があるようです。
乳糖不耐症や糖アルコールのような糖類を大量摂取することによる不耐症と同様の生理的な反応ではあると言われていますが、お腹が弱い方は摂取量に注意が必要です。

トレハロースの危険性

結論、トレハロースについては、発がん性や有毒性は認められていません。
以下の試験で毒性等がないことが確認されています。

  • 急性毒性

  • 亜急性毒性

  • 皮膚腐食性

  • 皮膚刺激性

  • 眼の腐食性

  • 眼の刺激性

  • 呼吸器感さ性

  • 皮膚感さ性

  • 生殖細胞変異原性

  • 生殖毒性

基本的には日常の食品にも含まれており
古来より人間が食べてきたものとして
日本だけでなく、海外からも安全性が高いものとして評価されています。
FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同食品添加物専門家会議において、安全性評価の結果、安全性の高さから1日摂取許容量(ADI)を特定しない食品添加物とされています。

2018年にトレハロースがクロストリジウム・ディフィシルという最近の強毒株による腸炎患者の急増に関わっているという論文がイギリスの学術誌ネイチャーの1月18日号に掲載され、一時注目されました。
実際は
・カナダで腸炎が流行したのはトレハロースが認可される前であること
・流通量の多い日本では腸炎の流行が起こっていない
・摂取されたトレハロースの大部分は腸内細菌がいる大腸まで到達せずに小腸で分解・吸収されること
などから、トレハロースと腸炎の流行の間に関連性はないと考えられています。

とはいえ、個人的には
人の手を加えて抽出されていること、
遺伝子組み換え食品の可能性の高さから
できれば避けたい添加物の一つです。

食品以外の用途

実は、トレハロースは食品以外にも幅広く使用されていて、

・化粧品(基礎化粧品、入浴剤、育毛剤など)
・医薬品(臓器移植時の臓器保護液など)

その他、防臭効果のある繊維や抗菌シート、昆虫の栄養剤、植物活性剤などにも使われているんです。

さっぱりとした上品な甘味、品質保持、保水性、乾燥や凍結から守ることに加えて、矯味矯臭効果によって、苦味や渋み、エグ味、生臭さ、ケモノ臭、レトルト臭まで抑えてくれるというから凄いですよね。
これだけの作用があるので、複合的な効果が見込めるということで各企業が積極的に使用しているんですよね。

まとめ

トレハロースは、一般的には自然界に存在する天然糖質の一種で、安全性が確立されている添加物として認められているものです。

自然界には存在しないアスパルテームやサッカリンなどの人工甘味料に比べると、トレハロースは安全性は高いと考えられますが、出来ることなら精製されていないミネラルを含むきび砂糖や甜菜糖、黒糖などの砂糖を摂る方がベストではあります。

トレハロースは、安価でメリットも大きいので、ありとあらゆるものに利用されているため、もはや避けるのが難しい糖質ですが、今回の内容を知っておくことで意識して選択することはできるのではないでしょうか。

この記事が少しでも参考になれば幸いです!

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