見出し画像

面会

木曜日にひたすら文句を言われたので、金曜日ほぼ無視した。
無視したというのは雑な言い方だが、どうしようもないし、慰めようものなら「適当なこと言いやがって!」と怒鳴るからだ。
ただ毎日病院へは様子伺いのために電話はしていた。問題行動ないですよということだったので家族としては見守るしかなかった。

そして土日に面会に行ってきた。
面会時間は30分で義兄と一緒に行ったが、前半は最悪だった。
とにかく喫煙欲求が我慢できないと気が狂いそうだということだった。
義兄も「今だけやから!おまえのためには必要な治療や!」と言ったが「もう無理!退院する!絶対無理!」と面会室で怒っていた。
病室では拘束されるのはいやなので我慢はしているとのことだが、個室から大部屋に移ったことでテレビもないらしい。たばこもテレビも携帯もない中でどう過ごせばいいのかわからないという。
でもこれは退院して戻ってきたときに必要な課題になるので、もう二度と同じ生活に戻さないためにも、なんとか自分時間の使い方を身につけてほしい。夫の自分時間は酒を飲んで、たばこを吸いながら携帯でポチポチ何かを買う。それも終わるとスタバに行こうだのドンキに行こうだのとにかく何かをしていないと気がすまない状態だった。当然酒乱なので行かないというと、激昂する毎日だったのでなんとか耐えてくれと義兄も励ました。
そこで携帯を許可もらうまではテレビのある個室の希望を出したらというと急に顔色が変わり、「個室やったら耐えれるかも」と急に穏やかに話始め「耐えれるかなぁ〜まぁもう少し我慢するわ〜。」と言ってくれた。帰る頃には、おかしとかジュース買ってきて、競馬新聞も…あ、携帯持ってないから買われへんやんと笑っていた。病院内の話も笑いながらしてくれ、義兄と私は心底ホッとして病院を後にした。あの状態では帰れないというほど荒れていたのに個室の話であれだけ変わるとは。でも私は木曜日に個室の希望をするか本人に確認してほしいと看護師に言ったのに、本人は希望するかどうか聞かれていないということがわかった。だから夫にすれば放ったらかしにされていたと思ったらしい。毎日病院にも電話し、様子も聞いていたのに本人には何も伝えていなかった。直接の電話でのやり取りは暴言吐かれて切られるので話にならないから頼んだのに…。
伝えてほしいと言ってわかりましたというやり取りができているのならきちんと伝えてほしいと看護師には言った。甘やかしすぎでしょうか…。

それから暴言の電話はなくなった。そして今日の面会は長男と行った。絶対読まないであろう漫画を持っていくと、どうやらいい暇つぶしになっているようで電話が減った!また喫煙欲求がなくなってきてかなり楽になって、おまけに動悸もなくなったと。さらには暇やから洗濯したと、前の入院ではできなかったことに取り組めるようになっていた。素面のお父さんと久しぶりにしゃべった長男は泣きそうやったと喜んでいた。帰りは窓から嬉しそうに手を振っていた。

まだまだスタート地点にも立てていないかもしれないが、夫にとって苦しい期間は少し過ぎたようでした。これからこれから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?