"This is a pen."という文章から学べること。
"This is a pen."
「そんなの見ればわかるでしょ!」とつっこまれがちなこの英文。最近の教科書には載っていないそうですが、中学校の英語で最初に習うもののひとつとして"伝説"の一文ともいえるでしょう。
「こんなセリフ、実際の会話で使わないわよ。」私もそう思ってきたうちの一人です。
でも、ふとこの文章を教科書に載せることにした人たちに想いを馳せてみると、いろいろな気づきがありました。
きっと、正しい文法を教えたかったんだな。
きっと、シンプルに伝えたかったんだな。
きっと、誰でも知っているものでわかりやすくしようとしたんだな。
もしかしたら、教科書を作った人たちも「"This is a pen."なんて普段は言わないけどなあ・・・」と思いながら、悩んだ末に載せることを決めたのかもしれません。
実用的ではないかもしれない。けれど、これから英語の勉強を進めていく上で、しっかりと基礎を固めるための土台が必要。だから、正しさはもちろんのこと、【わかりやすさ】や【シンプルさ】、そして【親しみやすさ】を追求した結果が、この"This is a pen."なのかも。
私の勝手な妄想ですが、ものすごく思いやりのある例文だと感じたのです。
これから英語を勉強する人たちが、簡単に覚えられるし、難しすぎないので苦手意識も持ちにくい。日本語にはない冠詞(aやtheなど)のことも伝えられますよね。何より、いまだに話題に上がることがあるほどですから、"This is a XX."という英語は多くの人が自然と使いこなせています。
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英語の勉強や例文についてはさておき。(!?)
私は、国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠という日本酒に関する資格をもっています。
国際唎酒師は、英語で日本酒のことを説明できる資格です。これまで、20カ国以上の方々に向けて、日本酒セミナーをしたり、ペアリングディナーをしたり、デパートの売り場に立って日本酒のサンプリングをするなど、華やかなものから地道なものまで、さまざまな活動をしてきました。
その中で、英語で外国の方に"This is Sake."と言っても、"What is Sake?"なんて聞き返されてしまうことがたくさんありました。
日本酒をまったく知らない人に向けて説明することがあるのが国際唎酒師です。
日本で生まれ育った人、住んだことのある人であれば「日本酒」という言葉を聞いたこともあるし、20歳以上の方であれば、口にしたこともあるでしょう。
でも、日本人や、日本で育ったり生活している人でも、時折、私にこういう風に話してくれることがあるのです。
「日本酒ってなんか難しい。」
私は、利酒師や国際唎酒師といった生産者と消費者をつなぐ日本酒のプロこそ、"This is a pen."の精神で説明をする必要があると考えています。わかりやすいこと、シンプルであること、そして親しみやすいことって、とても大切です。有識者からしたら「そんなのわかってるよ!」と思われるとしても、です。
そこで、「2023年は、国際唎酒師の資格を取るぞ!」とか、「2023年こそ国際唎酒師として活躍するぞ!」と思っているあなたに、伝えたいことを書きました。
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1|こんなとき、あなただったらどうする?
あなたの周りに、日本酒のことをまったく知らない人、いますか?
たぶん、知らないかどうかを知らないですよね(笑)
「私は日本酒のことを知りません」なんて、顔に書いてあるはずもなく、こちらが「日本酒って・・・」と話題に出さなければ知る由もありません。
ここから先を読んでいくにあたって、イメージができるといいなと思うので、もし自分の周りに日本酒のことを全然知らない人がいるならばその人を思い浮かべてみてください。もしいなければ、こんなシチュエーションを想像してみてください。
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