言うべきことは言う。        94歳 おんな先生の話。

話す。一世紀に近い時空を超えて。記憶の糸を、しっかりたぐりよせて。いきいきと、あざやかに。
笑う。自分史をユーモアでくるんで。辛いことも明るく笑いとばして。気どらず、おおらかに。
画面の向こうで、快活におしゃべりする、木村未有子さん。1927年、宮城県涌谷町生まれ。

戦後まもなく中学校の数学教師として歩みはじめ、地方の学校教育に携わってこられました。
先生のあるべき姿、よりよい学校づくりを第一に、「言うべきことは言う」精神を貫き、情熱を燃やしつづけたのです。

当時は、おんな先生、おとこ先生という言葉が飛びかい、男女格差はあたり前。当然、「女のくせに、堂々と意見を述べる」未有子先生の風あたりは強かったのです。
とはいえ、高い知性、率直で飾らない人柄、持ち前のユーモア・センスで乗り切り、次第にその言動、実力は認められていきました。
地域内で女性として初の小学校校長になったのも、その証(あかし)です。

私たち「あゆみの会」は、学校教育史の生きた証言を取材しようと、未有子先生をお訪ねしました。
正義感や思想をふりかざすことなく、教師として持てる力をひたむきに尽くしていく。そのお話は、自然体で、落語家のように面白く、私たちの心はわしづかみにされました。

以来、未有子先生の取材に伺うのが楽しくなり、「元気をもらった」「またお会いしたい」などと、気づいたら未有子先生のファンになっていました。

皆さんにもぜひ未有子先生のお話(動画各回、3~5分)を聞いていただきたいと、仙台市市民文化財団のメディア助成を受けて、YouTubeにアップしました。ぜひご覧ください。

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