『聖なるズー/濱野ちひろ』

 動物性愛。この響きに、怖いもの見たさの好奇心でページをめくった。
 いわゆる獣姦に関しては、極小数の特別な性的嗜好の人々のものであり、自分には全く縁のない世界のものであると思っていた。しかし、本書を通して、当初感じていた偏見は、少しずつ壊されて行った。
 ズーと言う生き方、そこにあるセクシャリティーの問題と、動物との関わり。動物の性を尊重するという考えに至っては、目からウロコというか、なぜ今まで気づかなかったのだろうとさえ感じられた。
 セックスとはなにか、と言った根源的な所まで深く考えさせられる作品だった。
 しかし、作者の抱える問題は完全に解決した訳ではなく、その後が気になる。

#聖なるズー #NetGalleyJP

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