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ヨーロッパ移住と創作のヒント

7年半前、ヨーロッパに移住しました。
行き詰まっていた自分の制作をあらためて見つめなおす必要を感じた、というのが大きな理由のひとつでした。当時も、今と同様イラストレーターとして書籍や児童書の絵を描いていたんですが、40代を前に、「待てよ…このまま続けていっていいのか?」と、不安を感じるようになりました。

絵のスタイルや色の使い方…といった具体的なスキル面だけでなく、絵を描き続けたいのか…とか、そもそも死ぬまでに自分は何をしたいの? と、生き方そのものにためらいを感じて、立ち止まってしまったんです。

それまでは、とにかく夢中で描いてきました。仕事をいただけるのが嬉しくて、どうやってそれに答えるか…ということで精一杯。でも、このままでは何かが足りない、と思うようになってしまって。

英語が下手だったので、数年間仕事の合間に勉強して、夫とともに2013年秋に渡英。まずはロンドンの大学院で、創作への取り組み方やコンセプトの立て方を学びました。その後ドイツのベルリンに移り、三年半生活しながら自分なりの制作スタイルを整理してきました。

フリーランス夫婦ということで、元々どこでも仕事できるスタイルだったのが幸いし、こちらでの生活もなんとか軌道に乗ってきました。現在はフランスのパリで、主に日本やドイツのクライアントさんとやりとりしながら、仕事をしています。60代でまだ現役プログラマーの夫と、のんびりゆっくり、こちらでの生活を組み立てているところでもあります。

こちらに来てなにより良かったのは、自分の制作スタイルに迷いがなくなったこと。「日々の創作と生き方」を一致させることが上手なヨーロッパの人々から、いろいろなことを学びました。まだまだクリエイターとしては道なかばで、試行錯誤の毎日ではありますが、自分が確実に前に進んでいる実感を持てるようになりました。

その理由やプロセス、日々の気づきなどを、これから少しずつここに書いていけたらいいなと思っています。最初はうまく書けないかもしれませんが、まずは自分のメモとして少しずつでも続けるのが目標。いずれは創作過程で壁に当たっている人や戸惑っている人に、何かヒントになることを伝えるようになれれば嬉しいです。



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