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ROCAという漫画が表紙から見分けられん感じでいい漫画なので買ってみてくれ~~~~~~~

ネタバレありなので注意!

あらすじ

港町で暮らす女子高生の吉川ロカは、腐れ縁の友人である柴原美乃に支えられながら、ポルトガル民謡であるファドの歌手を目指していく。
圧倒的な声量と独特の歌いまわしで存在感を示すロカと、それを支える柴原の、二人の物語。

調べてみたら自費出版されてたんですね。

全体としてコメディのトーンなので安心して読めます。でもギャグというわけではなく、日常の中のおふざけという感じ。
ずっとふざけているわけでもなく、人との関係を大事するロカや、舞台袖からロカを見る柴原のモノローグには、ふざけた日常の中にある真剣さがうかがえる。

以下は感想文です。一発書きなので許して……

突然で潔くて寂しい結末

あ~~~~~~~~別れ~~~~~~それぞれの道~~~~~~
あまりにも潔く結末に向かうからびっくりしちゃいますね。

柴ちゃんからの連絡を受け入れて、ロカが「ゴメンナサイ」と言えるのがまじでめちゃくちゃ感動する……そんな……いつのまにそんな大人になってたんだ……
それまでのプロとしての活動、事務所のサポート、それを通じた人間関係やなんやかんやが重なって、やっと受け入れられるような選択であって、物語中盤までのロカではあり得ない結末だと思います。

ストーリーを通じて、事務所所属のあたりから徐々に柴ちゃんの関与が下がってきて、最後は帰省のときにちょっと顔を合わせるくらいになって、それでも繋がっていた関係性が、バチッと切れてそのまま物語が終わる。

めちゃくちゃ潔い~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!

ロカという歌手の形成において柴ちゃんが必須であったことは絶対変わらない事実だとわかっているんですけど、それでもどこかの段階で別れなければならない、お互いの立場の違いによって引き裂かれなければならない関係性、好きじゃないわけがないじゃんね……ロミジュリか?

一般論として、物語の中核にあるのは”主人公の変化”であって、その変化が現れる瞬間が物語の一番の盛り上がりであってカタルシスです。
その意味では、本作ではストーリーはコミカルに、軽めのトーンで語られていて、主人公の変化はあまりフォーカスされません。
でも主人公やその周辺の環境はたしかに変わっていて、サラザール賞ノミネート、そして柴ちゃんからの縁切りの連絡によっていきなりそれが顕在化して、ロカの驚きと絶望と理解が全部読者側にも乗っかってきて、しかも物語の終わりがそこにあるっていう、ちょっともうびっくりしちゃいますよねそんないっぺんにいろんなことされたら……。
しかも最後倉庫跡地だし。
いやもう……柴ちゃん……。

よかったところ

結末についてだけは個別で書く必要があったんですけど他もいろいろとよかった。

サクセスストーリーとしての気持ちよさ

ロカが成功していく過程と、そのなかでブレないキャラクターが気持ちいい。
やっぱこう”才能あるやつがまっすぐいってぶっとばす”という気持ちよさって大事ですよね。BLUEGIANT的でもある。

あと舞台が地元から事務所生活へ移るところがスムーズでよいですね。漫画がうまい。多分No.67で一回切れてると思うんですがどうでしょう。

出会ってきた人の関係

ストーリーのなかでちらっと登場したキャラクターが、実はその後も関係しているのがよいです。
長頼さん(作詞)や河合さん(天才コンポーザー)が”チーム・ロカ”として再登場するところめっちゃいいですよね。
オタクは1話で登場したアイテムが終盤に再登場すると喜ぶんじゃ……

熊谷さん、商会の関係者…?

ロカのマネージャーの熊谷さん、あまりにも良いタイミングで柴島さんとの関係について触れてきており、関係者かな?と疑っています。訛ってるし。

オススメされて読んでよかった

人が熱烈に推すものは割りと軽率に突っ込んだほうがよい。

コミティアで偶然見かけて手に取りたい本。

あ、"月は無慈悲な夜の女王"みたいな流れかもしれないな……


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