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夢と現実 第6話

喫茶店の出来事から1年経った。あれから彼から連絡来ることもなく、私からすることもなかった。でも別な方法だったら、あんなことにならずに今頃楽しく過ごせていたのかもしれない。あんなこと言っておきながら、まだどこかで気持ちがあるのかもしれない。

絶対に迎えに行く

この言葉だけは心の中に深く残っている。だからと言って連絡する訳でもない。

今日もいつも通りに出勤して買い物して帰ってくる。当たり前の毎日をただひたすら過ごすのみ。あれは夢だったのかもしれない。

テレビをつける。たまたま映った番組に彼が出演していた。どうやら漫才をするらしい。見たことなかったので見てみることに。

「へぇ。めっちゃ面白いじゃん。凄いな」

ボソッと呟く。売れてるのか売れてないかは分からないけど、笑える。久々に笑った。

「凄い芸人さんだったのね。」

私はテレビを消し、お風呂に入る準備をしようと立ち上がったその時。突然、スマホから着信音が鳴る。