価値観が毎秒かわるこの世界。(ショートショート)

ある日、ゆうじは目が覚めると、周りの景色が変わっていた。昨晩までの家具やインテリアが、すべて異なるものに置き換えられていたのだ。
ゆうじは驚いていたが、これは彼が住んでいる世界の普通のことだった。人々の価値観が毎分変わっていく世界で、ものの価値や見た目、色、形などが瞬時に変化することがよくあったのだ。
ゆうじは、今日もまた新しいことがあるのだろうと思い、外に出てみることにした。外は以前と同じように見えたが、人々が持っているものや着ているものがまったく異なっていた。人々が価値を置くものは常に変わっていたため、常に最新のものを手に入れようと競い合っていたのだ。
ゆうじは友人の山田と出会い、彼もまた新しいものを手に入れようと悩んでいた。山田は新しいスマートフォンを買うかどうか迷っていたが、ゆうじは彼にこう言った。「もし君が今のスマホでやりたいことができているなら、新しいスマホを買う必要はないよ。人々の価値観は常に変わっていくから、今日流行っているものが明日も同じ価値を持っているとは限らないし、君が本当に必要なものは何かを考えたほうがいいよ」
ゆうじは山田の言葉に納得し、スマホを買うことをやめた。彼らは一緒に散歩をし、新しい景色や建物を楽しんだ。人々の価値観が変わっていく世界では、何が本当に大切なのかを考えることが大切だったのだ。


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