あゆさん

あゆさんの楽しいnote。 身体が弱いし鳥が好き。 おもしれー女です。 ZINE好きな…

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あゆさんの楽しいnote。 身体が弱いし鳥が好き。 おもしれー女です。 ZINE好きな方と繋がりたい

最近の記事

お付き合い秒読み幼少期暴露欲

恋愛沙汰は苦手だ。「恋愛」についての私の総評は「キモい」の一言に尽きる。恋愛している人たちが、ではなく、「恋愛」そのものが。これについては語ると長くなるので割愛する。 そんな私も誰かとお付き合いしたことはあるし、「いい感じ」になることは経験してきている。 ところで、「お付き合い秒読み」の男性って、自分の幼少期の写真を相手に見せるっていうルールでもあるんですか? 今までいい感じになった相手の方々、全員なぜか突然脈絡もなく、自身の幼少期の写真を見せてくる。え、私だけ? あ

    • ぶり返す夏ハゲた田んぼは戻らない

      出勤の道は田んぼ道だ。 本当はもっと早くこの文章を書きたかったのだけど、忙しさにかまけていたらすっかりタイミングを逃した。書こうと思っていた時期は稲穂が黄色になり始めた時期で、トンボが飛んでいた。それが次第に金色の田んぼになって、トンボはつながりトンボになった。そういうのを見て季節が移り変わってるなぁということを書きたかったのだけど、今や田んぼは刈り取られてハゲているし、トンボは少ない。ここ最近は過ごしやすかったのに、また暑さがぶり返してきて情けなくもバテてしまった。また気

      • 高校時代の香りと守護神

        夕方、駅に向かって歩いていたら女子高生とすれ違った。フローラルのような、柑橘のような制汗剤の匂いがした。ぼんやりと自分の高校時代を思い出した。私にも女子高生という時代があって、夏の教室は、今私とすれ違った匂いがしていた。 それはもう5年も前のことだと思うと吐き気がする。高校時代のことは、私の中で不完全燃焼で、今でもあの頃のあれやこれやを思い出しては色々と考えてしまう。夢にだって出てくる。5年経ってもなお、心のどこかが高校時代に取り残されたままだ。それなのに、私はどんどん歳を

        • 「食べやすさ」と「おいしさ」

          人間が食べ物を「おいしい」と思える条件はなんだろうと考えることがよくある。待ってほしい待ってほしい。うわ、食にうるさい面倒なタイプの人間だ逃げろだなんて思わないでほしい。私が食事を摂れるようになった、というか、摂ろうと思うようになったのは最近のことで、今までずっと「食べる」という行為に困難を感じ続けてきた。消化器官が圧倒的に弱く、それに加えて摂食障害、嘔吐恐怖症、会食恐怖症、パニック症など、食べることに関する緊張や不安がとにかく強い。食べられなくても生きられればいいのにとずっ

        お付き合い秒読み幼少期暴露欲

          たぬき70体我がキャパは少ない

          目の前に70体弱の焼かれたたぬきが並んでいた。私が焼いたたぬき型のクッキーである。一様に同じポーズでこちらを見つめてくる。私も思わず同じポーズを・・・いや、とってない。 母の職場のボランティアでクッキーを作ることを依頼されたのだった。イベントの来場者プレゼントとしてお菓子の詰め合わせを配る。その中の一つがこのクッキーだった。普段から趣味でお菓子を作っている。特にクッキーは手軽だし、日持ちもするのでよく作っていた。とは言っても、家で作るのはせいぜい一度に20枚くらい。70枚な

          たぬき70体我がキャパは少ない

          その鳥は祖父

          5月だったと思う。ふと庭のほうの窓を見ると、窓に面して作られているデッキの柱にヒヨドリがとまっていた。写真を撮ろうと近づいても全く逃げる気配がない。触ろうと思えば触れたのかもしれない。じっと私を見るその目に、ああ、じいちゃんが来ているなと思った。 祖父は2023年の1月に亡くなった。その1年半くらい前から、もう長くはないと言われていた。祖父は県外に住んでいて、世間はコロナ禍真っ只中だった。県境を越える移動。肺を患っている祖父のもとにコロナを運んでしまう可能性。私自身も基礎疾

          その鳥は祖父

          夏来たり去らぬ桜餅

          桜餅が好きだ。もっと言えば、桜味のものはなんでも好き。桜味のものが出回る季節は気合が入る。「桜餅なんて年中いくらあってもいいですからね!」が口癖の私。桜味が出回る短い期間に、少しでも多くの桜を体内に取り込む任務に精を出す。桜と一体化するのだ。 スーパーに行くたび、コンビニに寄るたびに和菓子コーナーに目を光らせる。できるだけ多くの桜を摂取すると言っても、さすがに毎日桜餅ばかり食べてはいられない。和菓子コーナーを見ながら今日の日付を確認。来週も余裕であるだろうな、と思ったり、今

          夏来たり去らぬ桜餅

          メモリ圧迫バストアップ父

          父の写真が、私のスマホに溜まっていく。写っているのは父一人。カメラ目線で、少しキリッとした表情。背景はシンプル。そんな父のバストアップの写真がどんどん溜まっていく。 今年の6月に退職した父は、何やら色々な書類の手続きがあるようだ。それに加えてマイナンバーカードの更新とか、新しく挑戦するホニャララのプロフィール写真とか、とにかく自分の写真が必要らしい。それを、私が撮っている。 使い終わった写真は、たぶん、削除してもいいんだろうけど、私はなかなか消せないでいる。と、いうのは、

          メモリ圧迫バストアップ父

          困難をアイデンティティにするな

          「個性」という言葉を、普段どんな場面で使っているだろうか。例えば、「他では見ない個性的なデザインだよね」とか褒める意味で。「あの人、個性的だよねぇ」とか貶す意味で。私が日常の中で思いつくのはこの二つで、大体の人がそうなんじゃないかと思う。 「頑張って頑張って具合が悪くなっちゃうのはあなたの個性だよね」と、高校生のときに言われたことがある。相手は私を褒めるニュアンスだった。私は怒り狂った。一生許さないと思う。 難病の持病がある私はとにかく体力がない。普通の人と同じ活動をする

          困難をアイデンティティにするな

          流れ着くまま過去未来

          今の時代、「音楽を聴く」となったら、ネットが主流の時代だと思う。音楽のサブスクはたくさんあるし、買うにしても、ネットで買ってダウンロードする方法が多いと思う。 私がアーティストの音楽に興味を持ち始めたのは、小学校中学年くらいだったと思うけど、その頃は「音楽を聴くならCD」だったと思う。初めて自分のために買った音楽を覚えているだろうか。私は、アンジェラ・アキさんのアルバム「ANSWER」。2009年に発売されたもの。 2008年にアンジェラ・アキさんの「手紙~拝啓 十五の君へ~

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          エモで窒息5年前

          まさか私が、恋愛関連でこのような体験をするとは思っていなかった。これがいわゆる、私がずっとわからなかった「エモい」という感情ではないだろうか。 2024年。私は24歳になる。高校2年のときに付き合っていた人と18歳の時に別れ、それ以降恋人はいない。 私には恋愛感情がわからない。 高校2年のその当時付き合っていた彼に「手をつなぎたい」と言われた際、あろうことか「なんで?」と聞き返したのである。ふざけてはいない。酷いものである。 遊んでいたのではない。私は大真面目だった。私

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          今日も食い込む右肩トートバッグ

          雨の中を、図書館に向かって歩いていた。日曜日の夕方である。本当はこの時間帯にこの天気の中を歩くなんてごめんだけど、予約していた本が届いたとの連絡が来たので、これはもう行くしかなかった。なんせ月曜日は図書館は休館日。火曜日まで待てばいいと思うかもしれないが、順番を予約するほど読みたい本は、私の番が回ってきたのならばすぐに読みたい。月曜日の間だって待てない。だから日曜夕方雨の中でも、私は本を迎えに行く。そして家から最寄りのこの図書館が、なんともにくい図書館なのだ。 私は生まれて

          今日も食い込む右肩トートバッグ

          実感し続ける

          身近に、とても好きな作家さんがいた。なんと隣町に住んでいた。その方の個展にも行ったし、私の前のバイト先とも縁があって、その方はよくお店に来てくれた。 初めてその方の作品を読んだときから、私なんかが烏滸がましいけれど、親近感をすごく感じていた。実際にお会いしてからも、その方は私を気に入ってくれて、作品に使うものの細々としたお手伝いをさせてくれた。 その人の言葉がすごく好きだった。出汁のようだった。ドカンとインパクトがあるわけではないのに、じわじわと沁みてきて心が温かくなった

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          漕ぐのみ私はチャップリン

          私がチャップリンだった頃の話をしよう。小学1〜2年生の頃だったと思う。その頃は、なんというか、自転車以外の乗り物のブームが来ていた。ローラースケートとか、キックボードとか。乗り物としてカウントしていいのかわからないけれど、竹馬も流行っていた。私は専ら一輪車だった。同年代で乗れる子は少なくて、隣のクラスに一人だけ、一輪車に乗れる女の子がいた。私も絶対に乗りたい。なぜだかわからないけれど、無性にそう思った。 たぶん、毎日練習していた。雨の日は自宅の玄関で。とは言っても、靴を履き

          漕ぐのみ私はチャップリン

          30年後、森になる

          とある植樹プロジェクトのクラファンに支援をし、先日、お礼の手紙が届いた。クラファンは無事目標を達成し、植樹祭が行われた。 「30年後には樹高20メートルの森となり…」 感謝の手紙の文面に、「わぉ」と思った。樹が育つまでの期間の長さや木の高さに驚いたのではない。30年後の私って50歳超えてるじゃないの!無事生きていれば。53歳の私はどこで何をしているんだろう。なんて、自分でもびっくりするほど純粋なことを本気で思った。 未来について考えることがすっかり苦手になっていた。病気

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          「表現する」までの理性

          「生煮えのものは出さない」 好きな作家がトークイベントで言った言葉。 私は痛く感動し、胸の片隅にいつもこの言葉を置いている。 どんなに嬉しくても、どんなに悲しくても、それを勢いで文章にして世に出さない。自分の中で煮詰めて煮詰めて、消化して昇華して笑い飛ばせるくらいになるまでは出さない。そのようなことを、その作家は言っていた。 私もそうでありたい。このトークイベントの後からずっとそう思っているのに、相も変わらず私は胸の内ダダ漏れ野郎だ。 私はいつも書きすぎる。伝えたがり

          「表現する」までの理性