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ソーシャルワーカーの独り言〜自立支援医療(更生医療)

暑かったり涼しかったり、やや不安定な気候の今日この頃。上の写真は外出時にコンビニで購入した三ツ矢サイダー特濃オレンジスカッシュ。この時期になると、三ツ矢サイダーの果物コラボものが飲みたくなる。毎年色々と果物系のサイダーが出るのだが、季節の商品で通年販売しないから余計に欲しくなる。しかもどのコンビニでも置いてあるわけではないので、コンビニに行くたびに目ざとく冷蔵庫をチェック。

さて、今回も独り言。自立支援医療は、「精神通院医療」の方はまだ馴染みがあるのだが、更生医療はMSWの経験のない私にとっては縁が薄かった。ちょっと基本を勉強してみることにした。

そもそも自立支援医療とは


障がい者総合支援法における、自立支援給付のうちの一つ。障がい者が心身の障がいの状態の軽減を図り、自立した日常生活を営むために必要な医療を指定自立支援医療機関から受けた場合に支給される。2013年までは実施主体が都道府県だったが、2013年から市町村になった。ちなみに、精神通院医療は都道府県が実施主体。

自立支援医療(更生医療)の対象


身体障害者福祉法に基づき、身体障害者手帳の交付を受けた18歳以上のもので、「障害」に対して確実な治療の効果が期待できる医療が対象となる。

対象となる障がいは、
 ・視覚障害によるもの  
 ・聴覚、平衡機能の障害によるもの
 ・音声機能、言語機能、または咀嚼機能の障害によるもの
 ・肢体不自由によるもの
 ・心臓・腎臓、小腸または肝臓の機能の障害によるもの(日常生活が著しい制限を受ける程度であると認められるものに限る)
 ・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害によるもの(日常生活が著しい制限を受ける程度であると認められるものに限る)

対象となる医療(治療例)
上記障害に対して、治療の効果が期待できるものに限る。
・角膜移植術、網膜剥離に対する手術
・鼓室形成術、人工内耳埋め込み術
・唇顎口蓋裂の歯科矯正・術後言語療法など
・変形性関節症、慢性関節リウマチに対する骨切り術、人工関節置換術
・心筋梗塞や狭心症に対する大動脈冠動脈バイパス術、冠動脈形成術、洞不全症候群に対するペースメーカー埋め込み術、弁閉鎖または狭窄、心臓弁膜症に対する弁形成術、弁置換術、弁移植術
・腎不全に対する人工透析、腎移植術、移植後抗免疫療法、腹膜透析導入時の訪問看護
・肝臓移植術、移植後抗免疫療法
・小腸機能全廃に対する中心静脈栄養療法及びそれに伴う合併症に対する医療
・ヒト免疫不全ウイルス感染者に対する抗HI V療法、免疫調整療法、訪問看護

上記のような疾患が対象となる。

負担限度額と負担割合

負担割合は原則1割となり、負担限度額が設定されている。負担限度額は下の表を参考に。所得に応じて負担限度額は変わってくる。中間所得層以上は、継続的に相当額の医療費が発生する場合には負担限度額上限がある。また、一定以上所得者には、R5年度まで経過措置として、上限額20,000円が設定されている。

この制度における「重度かつ継続」について、対象範囲は2種類ある。
①疾病、症状から対象となるもの
  腎臓機能、小腸機能、免疫機能、心臓機能(心臓移植後の抗免疫療法に限る)、肝臓機能(肝臓移植後の抗免疫療法に限る)
②疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続することから対象となるもの
  申請前12ヶ月において、申請者の属する医療保険の世帯が3回以上、高額療養費の支給を受けた月があること

厚生労働省ホームページより

各医療保険制度との適応順序は、
1 医療保険制度(透析等特定疾病にかかる高額療養費) 2 更生医療  3 重度心身障害者医療 となる。生活保護の場合は、更生医療による支給が優先となる。

申請について


必要書類は、以下の通り。
・医師の意見書(指定自立支援医療機関において更生医療を主として担当する医師の作成する意見書)
・身体障害者手帳の写し
・受診者の属する「世帯」の所得の状況等が確認できるもの
・腎臓機能障害に対する人工透析の場合については、特定疾病療養受療証の写しを添付

身体障害者手帳を持たれている方はよいのだが、まだ持たれていない方はどうするのか。手帳はやはり必須。速やかに医療を実施する必要があり、かつ明らかに障がい認定が可能である場合には、手帳交付申請と自立支援医療(更生医療)を同時に申請することが認められている。具体的要件は以下のもの。
 ☆心臓機能障害・・・ペースメーカー埋め込み術  人工弁置換術  心臓移植術
 ☆腎臓機能障害・・・慢性透析療法、腎臓移植術
 ☆肝臓機能障害・・・肝臓移植術
 ☆免疫機能障害・・・抗HIV療法

詳しくは、熊本県のマニュアルに詳しい。意見書の記入についても掲載されている。

https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/163156.pdf

終わりに


今日も知識の確認ができた。制度をざっくりと知っておくことも大切だが、プロの相談対応では面接技術だけでなく、スピードや知識の正確さも求められることを司法書士事務所に入ってからあらためて実感した。余裕のない日々だが、事務所で福祉の総合相談対応を実施することも自分の目標の一つ。停滞するわけにはいかない。日々一歩でも前へ。

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