見出し画像

ソーシャルワーカーとしての挑戦〜法律専門職との比較〜

先週末は、ソーシャルワーカー仲間と酒を飲みつつ、今後の展望を語り尽くした。最近、今更ながら酒に強くなってきたような気がする。20歳代、30歳代と、つい飲みすぎて二日酔いに悩まされてきたので、若干お酒の席を避けがちだったのだが。上の写真はジン。さまざまな酒の種類やバーの雰囲気、この年齢になってようやく楽しめるようになるなんて。もう少し勉強してからブログに綴ってみたいと思う。


さて、今日はワーカーとして挑戦してみたいことについて。司法書士事務所で仕事をするようになり、さまざまな刺激を受けている。それも手伝って、以前から思っていたことが俄かに頭にもたげてきた。それは、「社会福祉士として有料で相談または伴走支援を行えないか」ということ。

法律職との比較


改めて思うのだが、法律職は弁護士、司法書士ともに相談料を取る。相談から具体的な仕事の依頼に結びつきそうならば、相談料ではなく報酬を受け取る契約を結び、対応する。
例えば、相続や土地の相談についてであれば1時間5000円等の相談料。具体的に抵当権の抹消とか相続の対応となると、1万円〜数万円の報酬を請求する。それなりにクライエント自身でできなくはない内容でも時間をかけていられないので依頼する場合もあるのだ。個人だけではない。法人からの依頼だってそこそこある。

かたや社会福祉士。「社会福祉士事務所」を掲げているケースもあるにはあるが、収入源は私のように後見業務だったり、非常勤のスクールソーシャルワーカーだったり、大学の講師だったりを掛け持ちながら運営している。もちろん、人を雇うような余力はなかなか持てない。司法書士のように、有資格者への対応ニーズがないのかと言われるとそういうわけではないのだが、福祉の成り立ちや性格上、お金を負担するのを個人に求めず公的な支援として展開されているケースが多い。例えば地域包括支援センターは全国に配置されており、財源は保険料等で賄われる。相談はもちろん無料。財産の有無で対応が差別化されないよう、そして生活課題を早期に発見できるようにアウトリーチも展開しやすいように制度が設計されている。クライエントにとってはいつでも気軽に相談や対応が依頼できるため、この制度を変えるべきとは思わない。

ソーシャルワーカーと利益


次にワーカーが得られる利益について考えてみたい。民間委託の地域包括支援センターの収益面を考えると、市からの財源はあるが金額は固定。どれだけワーカーが頑張っても市からの金額が増加することはない。さらには組織が人件費にさく割合なんて決まっているので、ワーカーの相談対応の質は給与にも反映されにくい。
施設の相談員もだ。保険の報酬から得られる施設の収入は固定。どれほど評判が良くなったとしてもベッド数が増えないので施設収入は変わらない。得た収入も何年か後のリフォーム等を見越して積み立てるだろうし、最初から全て計画的なのだから、どれほど期待しても給与が上がる見込み薄い。
また、専門性の面からいっても、法律職のようにある程度独立を目指すというのならば質が伸びる。社会福祉士のように施設等の一員ということが前提なので、専門性を磨くモチベーションからして違ってきてしまう。「常に施設を満床にすること」等、組織からのミッションが専門性とは関係のないものであれば、専門職の自覚すら飛んでいきかねない。

社会福祉士が独自性と専門性を高めていくためには、ソーシャルワークを展開する場とそれに伴う結果、そしてワーカー個人への成功報酬が効果的だと思う。1人のクライエントと向き合い、伴走支援をしてみたいのは、自分のためだけでなくこれから続くソーシャルワーカーの刺激になるのではないだろうか。

簡単ではないが不可能ではない

ともあれ、最初に書いた、有料で相談・伴走支援対応は簡単ではない。地域には地域包括支援センターや障害者基幹相談支援センターがあるのだから。
そんなことを考えていると、今日ある施設の相談員から1本の電話。「困っている。制度のことも含め、教えてほしい」という内容。年金があまりなく、利用料がギリギリ支払えるかどうかだとのこと。月収を考えると、境界層に該当するのではないかと思われたので、生活保護担当課に行ってみるよう勧めて電話を置いた。
有料・無料はさておいて、相談対応するとなるともちろん適当に答えるわけにいかず、意識が高まる。他の専門職と比較して圧倒的な差があるのが、「専門的な知識の総量」だと思うので、この点もさらなる努力が必要だ。
小さな相談を大切にしながら、挑戦への妄想を膨らませていこうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?