高齢者が安心して出かけるために〜エアタグの活用〜
気温的に秋の気配は感じられないほど暑い日々。9月は新規受任のスタートが数件予定されている。毎度のことながら、新しい受任が開始となる時は、結構緊張する。小心者なのです。
上の写真は言わずもがなエアタグ。アップルのホームページより。勝手に使って問題ない?小心者でございますゆえ。
さて、日々課題が被後見人等からもたらされる。それが仕事なので当然なのだが、頭を悩ませることも多い。今回は、住宅型有料ホームにお住まいのAさんについて記載する。例の如く、実際のAさんとは状況やプロフィールを若干変更して記載している。
施設からいなくなる!?
私がAさんの保佐人になってから3年ほどが経つ。Aさんは徐々に認知症が進み、一人暮らしをしていた家屋の老朽化も相まって、Aさん自身が生活に不安を感じるようになっていた。ケアマネから紹介された住宅型有料ホームを見学に行き、「ここにする」と自ら決めて引っ越したのが半年ほど前。出入りが自由な施設なのだが、これまで3回、施設から出かけて帰って来れないということがあった。いずれも短時間で発見(警察が発見したこともある)されたのだが、当のAさんは、「どこに行こうとしたのやら自分でもわからん」と、時折だが突然わからなくなることがある様子。関係者と会議をして、安全のために施設を変わるか、またはGPSなどを持つか検討。移ったばかりでもあり、Aさん自身がこの施設を気に入っているため、できるだけ現在の施設を継続することに。そのためにGPSを持ってもらうことを検討したのだが・・。
何を選ぶか
昔からある、最もメジャーなものは「ココセコム」。読んで字の如く、セコムさんの商品である。昔よりも形が随分スマートになった。通話もできる優れもの。緊急駆けつけサービスもあるため、便利。
ただし、Aさんはいつも手ぶら。今更、バッグを持って歩く習慣化は難しいと思われた。ならば靴タイプはどうか。
そこで検討したのはアルソックさんの商品。
専用靴を購入し、タグを入れる。これなら大丈夫では?と思われた。ケアマネさんに、「リハビリシューズ、買ったばかりですけどね」と言われたが、やむを得ないだろうと思い、アルソックさんに問い合わせ。
電話で問い合わせたのだが、担当の方の対応がとても丁寧。そして判明したのだが、この見守りタグはGPS機能を搭載しているわけではないらしいのだ。専用アプリを入れたスマホ(赤の他人のものでも)やアルソックの機器等が電波を拾い、大体の位置を割り出すというもの。なるほど、一般の方が自分のスマホにアプリを入れておけば、気付かぬうちに探すことに協力してくれるわけだ。これはAppleのエアタグと同じ仕組み。ただ、アルソックのアプリを入れている人がいかほどいるのか疑問。説明をしてくださった方は、その点をしっかりと教えてくれた。本当に感謝。個人的にはその感じのいい対応に契約してあげたかったのだが、Aさんのいる施設は何せ田舎。それほどアプリ等に期待ができないと思い、残念ながら断念。
そしてAppleのエアタグ。これを利用することは最初に案として上がったのだが、どう靴につけるのか、縫い付けるのかという話になり後回しになっていた。価格も5,000円ほどだし、リーズナブル。もう一度本気で考えることに。そして思いついたのが、インソールに入れることができればなぁということ。Amazonでダメもとで検索。すると、商品がヒット!2種類ほど見つかった。インソールの底に、エアタグが入る穴が空いているだけなのだが、私にとってはなんともありがたい。早速購入してみた。
エアタグを靴に仕込んでみた
Aさんの靴の大きさに鋏で切り、現在の中敷と入れ替える。Aさんが言うには、エアタグが入っていても違和感はないとのこと。これで一安心。
その後、位置検索を試してみた。近くにiPhoneの人がいないと検知されないが、職員のどなたかが持っているのだろう。ちゃんと検知されていた。もし施設から出たとしても、流石にiPhoneを持っている人はそこら辺中にいるはず。
本人のプライバシーもあるので、「行方がわからない」と施設から言われるまではむやみに検索しないことにしている。自分の位置が他人にわかるのって、気分が悪いから。そう思いません?
結果、良い方法が見つかったと思う。本来は紛失物を見つけるためのものだが、Aさん自身も同意の上なので、この点も安心。電池交換時期は教えてくれるらしい。文明の利器は素晴らしい。皆様もいかがでしょうか。
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