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やきう民視点で見るB.LEAGUE

ガシャン!!という派手な音が会場に響く。
マートンと相川のクロスプレイを思い出したが、ここはバスケットボールの競技場だ。

「ノーバスケット」という聞き慣れないアナウンスとともに、固定されているはずのゴール台は大きく揺れ、倒れやしないかと心配になる。
一方でリングに一瞬ぶら下がった選手は慣れた様子でコートに降り、本来のポジションに戻る。
神宮球場のライトで好守備を見せたモヤが3塁ベンチに駆け上がっていくのを、ふと思い出した。

バスケットボールの試合を真剣に見たのは、小学生以来だ

通っていた小学校では何かしらのクラブ活動に所属する必要があった。小学生にしては身長が高かった私は、夏は水泳・冬はバスケと、今からは考えられないほどアクティブだった。
バスケでは身長が高い方が有利だ。一歩で動ける距離の大きさとその分長い腕を使って、まだ成長期に入っていない同級生の頭の上でボールを回してゴールすることなど、そう難しいことではなかった。

6年生の冬、地区スポーツ大会(特定の競技だけ行う小学校対抗運動会みたいなもの)で隣の街のチームと対戦することになった。
引率の先生が運転するマイクロバスに揺られて着いた体育館からは、威勢のいい掛け声が漏れ聞こえてくる。

「ナイッシュー!」
「足使って!足!」
「声出してボール回せ!」

そんな情報をいちいちチーム内で大声で言い合わないとできないスポーツだっけ?
小学校のクラブ活動というとても狭い世界でバスケをし、そしてどこかで舐めていた自分にとって、その光景は新鮮で、またとんでもない場所にきてしまったのではというのを肌で感じながら体育館へ入った。

試合はコテンパンに負けた。
スコアは全く覚えていないが、帰り道に誰も一言も話せないほどバスの車内は静かだった。今考えてみれば、負けたことにというより、練習も含めたレベルの違いに圧倒されて声も出なかった、という方が正解なのだろう。
それほどまでに重苦しい空気のままの30分で、そして、私はそのままバスケをやめた。

B.LEAGUEにハマっている友達がいる

一緒にランチをしていても「ちょっと試合見たい」と映像を見るほどの熱の入れようだ。
以前から、いつか生の試合を観に行こうと誘われてはいたのだが、東京ヤクルトスワローズが2年連続日本シリーズ進出したことにより財布が軽く、また件のトラウマに近い思い出が足を重くさせていた。

「チケットあるけど、どう?」
不意に声をかけられた。
まぁ野球シーズンオフだし、OBのYouTubeも見飽きたし…と自分に言い訳をたくさんつけつつ、「行きます!」と即答。
なんだかんだ、スポーツを見るのが好きなのだ。

チケット・カードコレクション管理が楽すぎる

紙チケットもあるようだが、電子チケットはリーグ共通のスマホアプリ:B.スマチケ1つだ。チケットのやり取りをする人にメールアドレスを知らせる必要はある(それでも専用アドレスをgmailなどで取れば解決する)が、「送ったよ」と即アプリに反映されるしくみに感動してしまった。
また、このアプリはカードコレクション機能も兼ねている。こちらもリーグ共通なので、「推し選手がなかなか引けない」という歯がゆさはあるが、「電子カードコレクションだけでいくつアプリあるねん!」という煩雑さは避けられる。
しかも、実際の試合にチームが勝つとカードコレクションに使えるコインを貰えるおまけがついているので、応援のしがいも出てくる。

球団ごとに違うアプリを入れる必要がない。
つい1年ほど前までQRコードを専用機にかざしてペラペラ感熱紙チケットを発券していたヤクちゃんにも、是非真似してほしい機能だ。

応援が初来場者にもわかりやすい

「初めて見に来た人〜?」と遠目にヤマヤスっぽいスタジアムDJ(という名称でいいのかはわからないけど)さんが挙手を促す。3割程度が初観戦とみるや、すぐに練習が始まった。
攻撃時はTOKYO GO!、防衛時はDEFENCE! と超シンプル。試合中もチアリーダーがコート横で踊りながらボードを掲げてくれるので、迷うことがない。

すまない。宗教上の理由で、タオル振り回すのだけは出来ないんだ…

選手個人に応援歌があったり、チャンスのときは別の歌(チャンテ)になったり、果ては身振り手振り・ジャンプまで入る野球に、改めて敷居の高さを感じてしまった。汎用応援歌しかなかった選手に専用応援歌ができた時の喜びは、それはそれであぁいい選手になったなぁって嬉しいんだけどね。

スポンサー広告の付け方がおもしろい

今回試合を観た代々木第一体育館は、仮設の競技場らしい。試合が終わったら設営したコートを解体・撤収する必要があるとのこと。アマチュアと球場を兼用(お借りしているとも言う)しているヤクちゃんと同じ匂いを感じた。
競技場を取り囲むよう看板形式のスポンサード広告は野球場でも見かけるが、まさか床を吹くモップの柄にまで広告がうたれているとは思わなかった。

足腰強くないと出来なそうな速さ

選手が足を滑らせないよう、後半になればなるほど登場回数は増えるので、アピールも増える。つい、またモップ来た!と見入ってしまううまいしくみだ。
野球でいうなら、トンボに広告を出すイメージだろうか。野球の場合、本数が多くて束ねにくそうではあるけども。

座席が割と自由

ホームとビジターが厳密に分かれてないことには、正直驚いた。
ビジターチームベンチの数席後ろに、ホームチームファンが座ってるのだ。

ゲーム開始20分前の様子

まぁ、神宮のバックネット裏と考えるとありえなくはない。レフトスタンドでたまに起きるいざこざにため息をつくことを思えば、このゆるい感じも、とてもいい。
B.LEAGUE自体が2015年発足なので、もしかすると、この辺のルールも次第に変わってくるのかもしれない。

B.LEAGUEとNPBのサイト構成の違いもおもしろい

B.LEAGUEの歴史は、正直言ってほぼ知らない。
サイトを見に行くと、どうやら分裂・資格停止・経営破綻などいろいろな問題を抱えていた時期もあったようだ。
初心者専用のページやルール解説があるのも、ひとつの特徴かもしれない。
https://www.bleague.jp/basketball_rule/?tab=1

NPBのサイトは、「野球を知っている」人を前提に作られているからね。
https://npb.jp/

やきうがないので来月も行くことにした

ちょっとよそ見しているだけでスコアが変わっている。「トイレ行ったらホームラン打たれた」とかいうレベルではないスピード感。
得点だけ見ていると、年イチくらいで発生する神宮巨人戦を思い出してめまいすらする。それが開始数分で起きるのだから、日本シリーズ第7戦の先頭打者初球ホームランを思い出して切なくなる。
それくらい、点数が目まぐるしく動くのだ。

後半になると、時間の使い方やボールの回し方、タイムをどこで入れるかといった戦略面も見えてくる。ここは多分回数を重ねて特定のチームに肩入れしないと理解出来なそうダゾ…

沼は怖いけど、やきうがないからバスケって温泉巡り(a.k.a.マイコさん)を楽しんで来ます!

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#ヤクルトスワローズ #Enlightened #swallows