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秘境・奈良田の旅 温泉とダム

奈良田温泉 白根館。
知る人ぞ知る、「秘湯」らしい。

前職の有休消化期間、県内を「源泉かけ流し」でさんざん調べていて、その名は何回か見ていたのだけど
いかんせんアクセスが悪く、また昔は宿泊もやっていたらしいが今は日帰り入浴のみということで、そこまでして行かんでもいいかなあ。の要素が強くて行っていなかった。

先日山梨県営6ダム巡りを無事完了させて、ぼちぼち県内他エリアに目を向ける。
県の西側には無数にダムがありなかなかマニアックな感じだったのだけど、その中でも見応えがありそうな西山ダムへ。

ゆるきゃんに出て来たらしく、ちょっと有名。
ここ、ダム湖が奈良田湖という。
むむ、もしかして…

白根館、めちゃんこ近いじゃないですか。
行くしかないでしょう。


西山ダム

山梨県企業局が管轄している重力式コンクリートダム。発電専用。

湖の色がすごい。
管理所はないのだけれど、取水口監視所というのがあってそこでダムカードを貰える。
専用駐車場も特にないのだけれど(といっても人はおらず路駐でも問題なかったと思う)、下を見たいので車置いてってもいいですか?と聞いたらOKをもらえた。

残念ながら天端は立ち入り禁止。放流の音は聞こえていたが、木々に阻まれて見えなかった。

ダム湖の上に吊り橋がある。

この吊り橋があったのも西山ダムに来た理由の一つ。先には発電所と公園があった。


奈良田温泉 白根館

そのまま歩いて行きたいくらいの距離だったのだけど、監視所に車を置いておくわけにも行かなかったので一度戻ってから白根館の駐車場に停める。

車を降りると即硫黄臭。
こっから全然写真撮ってなかったんだけれども…

1030オープンで、我々が着いたのは11時。車が何台が停まってるように思えたけれど我々は2組目、先客は男性2人だったので女湯は貸切。
内湯と露天があって、いずれもがんがん外から見える。内湯はダム・ビューで、時折車やバイクが目下を通るけど湯船に浸かってしまえばそれもまた景色。

気にする人はちょっときついかもだけど、それ以上にとろんとろんのお湯が気持ちよくて素晴らしかった。
日によって色が違うらしいが、この日は透明だった。
なるほどこれはこの秘境まで来る価値があるというもの。泊まりがあったら来たかったなー。


奈良田温泉 女帝の湯

すっかりお昼時になったので、奈良田の街中に登って和食処「こんぼうす」へ。聞きなれない響きだが、方言で食いしん坊の意味らしい。
こちらはもう一つの温泉施設、女帝の湯の施設内にあった。

湯上がりの一杯
ヤマメとイワナそれぞれ塩焼きが。これはヤマメ

山菜蕎麦も食べたのだけど求めている田舎料理といった風情でどれも美味しかった。

お腹いっぱい食べて、食休みがてらせっかくなので女帝の湯にも入ることに。

…なのだけど、こちらは随分ぬるくて、硫黄臭もそこそこ、ぬるぬる感もそこそこで、白根館のお湯を薄めたような感じ。これはこれでなのだけど白根館の後だと少々拍子抜けだった。

こちらの方が営業時間が長く、入浴料が安いので、白根館には行ったことがないと常連らしいおばさんが言っていた。
ちなみにしっかり源泉かけ流しらしく、白根館とは湯元が違うらしい。


古民家カフェ かぎや

お風呂に入るとまた小腹が空くというもので、さらに隣の古民家カフェへ。

また湯上がりの一杯

このワインがもうほんとも〜美味しかった!!
地元で収穫したヤマソーヴィニオンという山葡萄の掛け合わせの葡萄を、勝沼の原茂ワイナリーで醸造しているらしい。

原茂ワイナリーは実は行ったことがなくて、というのもちょっと巡るに外れたところにあるのだけど今度行ってみよう。


奈良田温泉は一度沈んでいる

こんなにダム湖の近くにあって、温泉沈まなくてよかったね〜と思って調べたらやっぱり一回沈んでいた。

1953年(昭和28年)に西山ダム(奈良田湖)ができた際に、奈良田集落はダムの底に沈み、奈良田温泉の歴史は一度途切れる。しかし1977年(昭和52年)に、奈良田温泉の復活を図るため、山梨県企業局が源泉調査を実施し、翌1978年(昭和53年)に深度212メートル地点で温泉が湧出[4]、1979年(昭和54年)に町営施設「奈良田の里温泉」として開業し、温泉地として復活を遂げた。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/奈良田温泉

いや、まじでか。
奈良田の由来は孝謙天皇が湯治に来ていて「ここも奈良である」と言ったのが始まりで、なかなかに伝説が残っている土地のように思ったのだけど、まさか一度ダムに沈められているとは。
しかもこのダム、治水ではなく発電専用のダム。反対凄かったんじゃないだろうか。
復活してよかったなあ。

奈良田温泉は北岳登山の立ち寄りにもされているという。きっともうなくなりはしないのだろう。
なかなか良い旅でした。


おわり。

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