自愛

「辛いのはみんな一緒」「○○君だって頑張っているんだから」

幼いころからこうした類の言葉を投げかけられるたび「俺がいま感じているこのしんどさと他の誰かの辛さとは、全くもって無関係だ!」。そう思わずにはいられないような、集団行動に不向きで、今までほとんどノット体育会系な世界で育ち、大きくなってしまった32歳・男。
そのくせ何か辛いことがあれば、周りはみんな幸せそうで辛いのは俺だけ!なんてときどき思ってしまって、「そこは他と比較で考えるのかよ」とセルフツッコミを入れざるを得ない矛盾に満ちた俺である。

結局のところ、その辛さ・悲しみ・しんどさ、そのものは当人のものでしかあり得ない。だけれど、他の誰かもまた別の辛さ・悲しみ・しんどさを抱えている、ということにどこか救われることってありますね。この辛さは自分だけのものだけれど、辛いのは自分だけじゃない。そう思えれば少しだけ心が緩みます。他人の不幸が自分の心を軽くする、とも言えて、なんだか不純な気もするけれど、喜びや悲しみの理由なんて後からいくらでも探せるのだからほんとうに当てになりません。

いつも出来うる限りの想像力を持って、何より自分に優しくあることが、同時に他の誰かに優しくあることなのかもしれない、そんなことをぐるぐる思った渋谷からの帰り道。
「幸せの黄色い私たち」、とても素敵なイベントでした。

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